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- インソールマニュアル 第2版
商品情報
内容
近年、インソール(足底板、足底挿板)は、足の操作を通じて、ヒトの動作を効率的に遂行できる「動的な姿勢制御」を行うツールとして注目されている。 なかでも、熱可塑性インソールは、局所加圧や全体加圧によって軟部組織の除圧や微調整が可能であり、誰でも簡単に、対象者にとって理想的な足構造を複製できる。
また、インソールを使用することで得られる足の安定性や機能向上は、運動連鎖によって、足関節から、膝関節や股関節、そして体幹の機能維持にもつながる。そのため、関節等の隣接する部位の連動した動きから捉える“運動連鎖アプローチ”は、インソールの評価・処方に欠くことができない視点である。
この“運動連鎖アプローチ”の考え方、その理論のすべてを詳述し、個別性の高い、より適切なインソールの作製方法について、わかりやすく丁寧に記した実用書。
※本書は『簡単! 効率的につくれる新型インソール』(ISBN 978-4-89590-401-8)のタイトルを改題し、内容を改訂したものです。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文
序
ヒトは寒暖や擦過から身体を保護する衣類,地面の危険物から足を守る靴(サンダル,下駄なども)等を生活環境とのギャップを埋めるツールとして発明してきた.その産物の中でインソールは改めて言うまでもなく靴の中敷きであるが,適切な靴を履くことがインソールの効果を最大限に発揮させる必要条件である.
洋式の靴を最初に履いた日本人は坂本龍馬だといわれるほど,日本の靴の歴史は浅く,靴の使い方に関しては残念ながら低水準である.昭和の時代には,お孫さんの体育館シューズを履いた患者さんがリハビリテーション室に来られることが往々にあったが,さすがに令和では遭遇することもなく,少しは進歩したようである.しかし,若者たちがデザイン優先でサイズの合わないスニーカーを履いている光景はめずらしくもなく,また高齢者でさえも脱ぎ履きがしやすいという理由でやや大きめの靴を履いたり,紐をゆるく結んだりしている実態は未だある.後者の場合は,靴の着脱が多い日本の生活環境とのギャップを埋めきれていない靴側の課題といえる.適切な靴でも制御しきれない個人差を,履く人の身体構造や機能,使用環境や目的に応じて絶妙に調整してくれるのがインソールであり,まず靴選びがインソール作製の初歩であるということを念頭に置いて本書を読んでいただきたい.
第2 版への改訂において特に注力したのは,読者諸氏へより多くの情報をお伝えするために100 編以上の研究論文を活用してレビューを掲載したことである.インソールに関してこれほど充実したレビューは稀覯であろう.本書を読んでさらにピンポイントに理解を深めたい場合には,章末の文献欄を活用していただきたい.また,初版にはなかった事例紹介も加えた.インソールでのアプローチが全身の運動連鎖に影響を及ぼすことを,身近な事例で理解をしていただければうれしい限りである.
前述したように,靴は生活環境とのギャップを埋めるツールとして進化してきたが,そのパーツであるインソールも同様に,進歩を繰り返している.二足歩行に進化したヒトにとって,大地との唯一の接点である足底へのアプローチは,より繊細であり,より個別特性の高いものでなければならない.海外からの輸入であるインソールを日本人の身体構造や生活および障害の特性に応じたものとして活用するためには,豊富な知識と高い技術が要求され,常にそれらをアップデートすることである.本書がその一助になることが筆者一同の切なる願いである.
2022年1月吉日
中川法一
目次
第Ⅰ章 インソールとは
インソールの定義と歴史
インソールの種類
インソールの役割と効果,問題点
熱可塑性インソールとは
第Ⅱ章 インソールに必要な解剖学・運動学の基礎知識
下肢の骨
足部アーチ
運動連鎖
歩行
走行
第Ⅲ章 インソールの適応と文献レビュー
インソールの2大効果
運動器疾患に対するインソールの効果
第Ⅳ章 インソール事例紹介
症例①:左変形性膝関節症による疼痛に対してインソールを作製した一例
症例②:右踵部の荷重時痛に対してインソールを作製した一例
研究報告
第Ⅴ章 インソール作製のための評価
評価
評価の実際
第Ⅵ章 熱可塑性インソールの成型方法とその論拠
理学療法科学的論拠に基づいた熱可塑性インソールの成型方法(メディゲイト式)
筆者らが用いる成型方法の優位性
第Ⅶ章 熱可塑性インソール作製のための技術
熱可塑性インソールの作製方法①:メディゲイト式成型方法
熱可塑性インソールの作製方法②:アドオンソール(支持材)の貼付と研磨
熱可塑性インソールの作製方法③:フィッティング
インソール効果を発揮するための方法
インソール作製後のモニタリング
第Ⅷ章 シリコン製足趾サポーター
シリコン製足趾サポーターの概要
シリコン製足趾サポーターの作製
シリコン製足趾サポーターの種類
筆者らが応用するシリコン製足趾サポーター
第Ⅸ章 ピンポイントインソール
ピンポイントインソールの目的・意義
疾患別ピンポイントインソール
靴を選べない場合の対処法
第Ⅹ章 トレーニング
筋ストレッチング
関節モビライゼーション
筋トレーニング
バランストレーニング
ノルディックウォーキング
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書籍情報
- ISBN:9784895907255
- ページ数:184頁
- 書籍発行日:2022年2月
- 電子版発売日:2022年3月11日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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