消化器内視鏡検査・周術期管理の標準化ハンドブック

  • ページ数 : 232頁
  • 書籍発行日 : 2022年6月
  • 電子版発売日 : 2022年6月10日
¥3,850(税込)
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商品情報

内容

内視鏡検査・周術期管理の標準化は,内視鏡に纏わる診療,教育,研究のいずれの観点からも,必要不可欠なものであると考えております.本ハンドブックが,消化器内視鏡に携わるすべての医師,メディカルスタッフの日常診療の一助となり,ひいては患者,および,広く人類の福祉にも貢献することを願っております.(あとがきより抜粋)

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序文

序文


今月の特集は「正常眼圧緑内障と眼圧」である。正常眼圧緑内障は,医師も患者も“正常” という言葉に惑わされがちである。眼圧が正常なので,緑内障の発症原因を眼圧以外の要因に求めるという考えも当然成り立つ。ただ,問題なのは,今自分の目の前にいる患者の眼圧は本当に正しく評価できているのかという点である。正常眼圧緑内障は,眼圧とは何なのかということを最も考えさせられる病態と思われる。今回は,5つのテーマに関して,正常眼圧緑内障における眼圧を考察してみた。

まず,体位と眼圧の変化である。これは今回執筆いただいた原岳先生が長年にわたり調査,研究されてきたテーマであり,座位と仰臥位における眼圧の違いとその原因が明瞭に説明されている。次に,24時間眼圧変動に関してである。心電図や血圧においては24時間測定が定着しているが,眼圧はまだその端緒についたばかりである。正常眼圧緑内障患者は,24時間眼圧が正常なのかという重要な問題を解決してくれる可能性もあり期待が持たれる。現時点では自由診療枠内ということになっているが,トリガーフィッシュの使用法と解釈について,東條直貴先生が詳しく解説されている。さらに,脳脊髄圧(脳圧)と眼圧の関係である。“篩状板圧較差” という考え方があるが,これは基本的には眼圧と脳圧との圧較差ということになる。したがって,脳圧が低い場合は,眼圧が正常範囲内であっても篩状板にかかる負荷は強くなる。野呂隆彦先生には,実験緑内障によるデータも含め詳細に解説いただいた。また,24時間眼圧測定でもわかったことであるが,瞬目により眼圧はスパイク状に高くなる。では,目をぎゅっと閉じると眼圧はどうなるのであろうか。閉瞼が眼圧に与える影響は興味深いテーマである。浪口孝治先生は,多くの自験例を中心に眼瞼圧と眼圧の関係を解析されている。眼瞼圧が24時間眼圧とも相まって新しい眼圧評価パラメータになってくるのか,今後の展開がまたれるところである。最後に,我々眼科医の最大の悩みのひとつ,“超低眼圧” 正常眼圧緑内障に眼圧下降療法は有効かという点である。大御所のお一人である山本哲也先生に解説いただいた。真摯に緑内障と向き合ってこられた先生ならではのご見解であり,必読していただきたい。


令和4年4月

東京大学名誉教授
公立昭和病院院長
上西 紀夫

目次

Ⅰ章 機器の取り扱い

1)内視鏡機器の構造・機能と取り扱い方法 / 山口太輔,大野正芳

2)内視鏡のメンテナンス

a.洗浄と消毒 / 岡田修一

b.点検と保管 / 土田美由紀,小山純子

c.故障と保全 / 加藤 茜

Ⅱ章 インフォームド・コンセントと問診票

1)インフォームド・コンセント

総論 / 田邉 聡

各論

a.上部消化管内視鏡検査 / 井口幹崇,小田丈二

b.大腸内視鏡検査 / 角川康夫

c.胆膵内視鏡検査および治療 / 吉田俊太郎

d.消化管の治療内視鏡 / 斎藤 豊

e.バルーン小腸内視鏡検査 / 加藤元彦,細江直樹

f.(小腸)カプセル内視鏡検査 / 西田 勉

2)問診票

a.上部消化管内視鏡検査 / 土山寿志,武田雄一

b.大腸内視鏡検査 / 角川康夫

c.胆膵内視鏡検査および治療 / 清時 秀

d.消化管の治療内視鏡 / 角嶋直美

e.バルーン小腸内視鏡検査 / 加藤元彦,細江直樹

f.(小腸)カプセル内視鏡検査 / 西田 勉

Ⅲ章 チェックリストとタイムアウト

1)チェックリスト / 溝上裕士

2)タイムアウト / 阿部展次

Ⅳ章 環境整備,物品および服薬確認

1)筋骨格系障害予防のための人間工学的対策 / 松崎一平,榎原 毅,藤城光弘

2)備品および薬品確認 / 石戸謙次

3)服薬確認 / 柳澤明子

4)管理担当 / 今川 敦

Ⅴ章 前処置と鎮静

1)前処置

a.上部消化管内視鏡検査 / 林 智之,引地拓人

b.大腸内視鏡検査 / 住吉徹哉

c.胆膵内視鏡検査および治療 / 佐藤達也,中井陽介

d.治療内視鏡 / 高橋亜紀子

e.バルーン小腸内視鏡検査 / 岡本健志

f.カプセル内視鏡検査 / 荻原久美

2)鎮静

a.内視鏡における鎮静 / 川口洋佑

b.退出基準 / 今川 敦

Ⅵ章 手技(検査)の実際とモニタリング

手技(検査)中モニタリング

総論 / 松田浩二

各論

a.上部消化管内視鏡検査 / 平澤俊明,布袋屋修

b.大腸内視鏡検査 / 赤松拓司

c.胆膵内視鏡検査および治療 / 忌部 航,横井千寿

d.消化管の治療内視鏡 / 前畑忠輝,炭山和毅

e.バルーン小腸内視鏡検査 / 大野正芳

Ⅶ章 偶発症

内視鏡検査における偶発症

総論 / 道田知樹

各論

a.上部消化管内視鏡検査 / 山口和也,八木健二

b.大腸内視鏡検査 / 間部克裕

c.胆膵内視鏡検査および治療 / 中原一有

d.治療内視鏡 / 永尾清香,中井陽介

e.小腸内視鏡検査 / 岡 志郎

Ⅷ章 内視鏡検査の記録

1)Japan Endoscopy Database(JED)―Projectとは(総論) / 田中聖人

2)JEDの実際 / 小田島慎也

付録患者用説明書・同意書等の実例

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書籍情報

  • ISBN:9784888753227
  • ページ数:232頁
  • 書籍発行日:2022年6月
  • 電子版発売日:2022年6月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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