臨牀消化器内科 2022 Vol.37 No.10 胆道ドレナージのすべて-適応・方法

  • ページ数 : 124頁
  • 書籍発行日 : 2022年8月
  • 電子版発売日 : 2022年8月11日
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内容

特集「胆道ドレナージのすべて-適応・方法」

胆道ドレナージ(広義)は胆道外瘻術(狭義の胆道ドレナージ)と胆道内瘻術を含む.本号では広義の胆道ドレナージについて特集した.胆道ドレナージはドレナージされる部位によって,胆管ドレナージと胆嚢ドレナージに分けられる.近年の胆道ドレナージ法の進歩はめざましい.(編集後記から抜粋)

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序文

巻頭言


五十嵐良典


胆道ドレナージ術は,経皮経肝的胆道ドレナージ術,内視鏡的胆道ドレナージ術,外科的胆管空腸吻合術などに大別される.

経皮経肝的胆道ドレナージ術は,初期には閉塞性黄疸症例にX線透視下に行われていたが,腹部超音波検査が普及するとともに超音波下で行われ,とくにドプラ法を併用することで血管の誤穿刺が避けられ,広く普及している.

内視鏡的胆道ドレナージ術(endoscopic biliary drainage;EBD)は,十二指腸スコープを用いて,外瘻法である内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術(endoscopic nasobiliary drainage;ENBD)と内瘻法である内視鏡的胆管ステント留置術(endoscopic biliary stenting;EBS)とに分けられる.ENBDは,1974年に永井らによって報告された.造影チューブを長くして側孔を付けて使用していたが,その後,専用のENBDチューブが開発されて普及している.口径としては5Frから7Frまでが使用されている.またEBSは1979年にSoehendra により,プラスチックステント留置術が施行された.プラスチックステントの口径は,初期には7Frであったが,最大14Frまで報告されている.留置しやすさなどから7Frから10Frが使用されている.先端ストレート型,pigtail 型やTannenbaum 型などがある.金属ステントは1989年にHuibregtseらやDickらにより報告された.その後各種の金属ステントが開発されて使用されている.現在使用されている金属ステントは自己拡張型(self‒expandable metallic stent;SEMS)である.ステンレスまたはナイチノール単体のUncovered型と,SEMS にポリウレタンなどが被覆されたCovered型に大別される.Uncovered SEMS には,ステンレスが編み込まれた型やレーザーカットで作製された型などがある.Covered SEMSは腫瘍のステント内へのingrowthを防ぐことで,Uncovered SEMSに比較して長い開存期間が認められる.

一般的に,良性胆道狭窄や手術前の減黄にはENBD やプラスチックステントが用いられ,切除不能な悪性胆道狭窄には金属ステントが用いられる.また遠位胆管閉塞か肝門部胆管閉塞かによって,使用されるステントは異なる.

近年,超音波内視鏡(EUS)の進歩により,EUS下のインターベンションが発展している.経胃的に左肝外胆管を穿刺し,ドレナージする方法や十二指腸から肝外胆管を穿刺しドレナージする方法が施行されるようになっている.処置具の改良により,成功率や安全性が向上している.現在,日本消化器内視鏡学会用語委員会で,用語の統一が検討されている.

急性胆囊炎に対しては,急性期に外科的胆囊切除術が行われるが,手術ができない場合や待機的な場合には経皮経肝的胆囊ドレナージ術が行われている.腹水症例や抗凝固薬服用例では,経乳頭的胆囊ドレナージ術が施行されている.

胆管および胆囊に対するドレナージ術は,上述のように多種多様であるが,患者の背景,服薬状況,原疾患,閉塞部位,術前かどうか,緊急か待機かなどを考慮することで,より適切なドレナージ法を選択する.

本特集では各項目について詳細に記載されており,読者の理解に役立つと考えられる.胆道ドレナージ術を十分に理解することで,適切で安全なドレナージ術を施行することができると考える.


Yoshinori Igarashi
東邦大学医療センター大森病院消化器内科(〒143‒8541 東京都大田区大森西6‒16‒11)

目次

特集/ 胆道ドレナージのすべて― 適応・方法

巻頭言/五十嵐良典

1 .総 論

(1)胆道ドレナージの必要な病態とドレナージ法の選択/潟沼朗生 他

(2)ドレナージカテーテル,ステントの種類と特徴/土岐真朗 他

2 .各 論

(1)悪性遠位胆管狭窄に対する経乳頭的ドレナージ/川嶋啓揮 他

(2)悪性近位胆管狭窄に対する経乳頭的ドレナージ/笹平直樹 他

(3)良性胆管狭窄に起因する胆管炎に対する経乳頭的ドレナージ/福士耕,入澤篤志 他

(4)術後再建腸管に対するバルーン内視鏡による経乳頭的胆道治療のコツ/八木伸,窪田賢輔 他

(5)胃十二指腸狭窄併存例の胆道ドレナージ/北村英俊,肱岡範 他

(6)経皮的胆管ドレナージ/北村勝哉

(7)経皮的胆囊ドレナージ/河上洋 他

(8)経乳頭的胆囊ドレナージ/菅野良秀,伊藤啓 他

(9)EUS下肝内胆管ドレナージ/糸永昌弘,北野雅之

(10)EUS下肝外胆管ドレナージ/中井陽介

〔連 載〕

「胃炎の京都分類」の使い方

 第3回 既感染診断としての萎縮:H.pylori未感染の幽門腺粘膜と除菌後のC1およびC2の鑑別について/寺尾秀一 他

大腸ポリープに挑む

 第4回 大腸ポリープに対する内視鏡診断の最前線/坂本琢 他

〔学会だより〕

第58回 日本肝臓学会総会/由雄祥代


前号ご案内

次号予告

編集後記/杉山政則

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書籍情報

  • ISBN:9784004003710
  • ページ数:124頁
  • 書籍発行日:2022年8月
  • 電子版発売日:2022年8月11日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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