心エコー 2023年12月号(24巻12号) 心不全のうっ血学

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2023年12月
  • 電子版発売日 : 2023年12月5日
2,970
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内容

特集は「心不全のうっ血学」.うっ血概論/肺動脈楔入圧は左室充満圧評価に万能な指標か?/肺エコーのB-lineが意味するものは?/右房圧をガイトン理論で考える/エコーで右房圧の推定はどこまで可能か?/Clinical Scenario 1:心エコーでvolume central shiftは捉えられるか?/Clinical Scenario 2:心不全退院時のうっ血をいかに超音波で評価するか? などを取り上げる.連載は症例問題[Web動画連動企画],COLUMN[Something new, Something special],ポストコロナのハンズオン教育 を掲載

序文

古代から続くうっ血との戦い


古代からはdropsy,すなわち水腫という症状が知られていました.1628年にウィリアム・ハーヴェイが提唱した血液循環説により,心不全がうっ血の原因として認識されるようになりました.この新たな理論により,ジギタリスの効果がはじめて明らかになり,その後の200年を経て1960年代にはナトリウム利尿薬の開発が行われ,心不全治療が急速に進展しました.その後,60年にわたる中で,RAS系阻害薬やβ遮断薬をはじめ,SGLT2阻害薬やARNIの登場により,心不全治療は新たな時代を迎えました.これらの治療法は,しばしば「ファンタスティック・フォー」と呼ばれ,非常に注目されています.

一方,心機能学はStarlingの法則の発見,そしてSwan-GanzカテーテルによりStarlingの法則を発展させたForrester分類による臨床での心不全の病態把握が進みました.さらに,ガイトンの静脈還流理論との統合により,前負荷の重要性が強調されました.浮腫を軽減し,心房圧を適切に維持する課題は,古くから続いてきましたが,新しい利尿薬であるトルバプタンの登場により,浮腫に再び焦点が当てられています.さらに,心不全の基本治療であるSGLT2阻害薬も独自の利尿効果を持っており,臓器うっ血という観点から,特に腎臓,肝臓,腸,そして肺との連関に大きな関心が寄せられています.

うっ血の改善は,心不全患者の治療効果に直結します.臨床現場では,浮腫や頸静脈の状態などの細かな身体所見よりも,心エコーなどの超音波検査がますます重要な役割を果たしています.超音波検査は,非侵襲的で病変をリアルタイムで観察できる優れたツールですが,その有効性を最大限に発揮するためには,適切なプロトコルと評価基準が必要です.本特集では,うっ血に焦点を当て,心エコーをはじめとする超音波検査を駆使してうっ血を評価する意義と課題について詳しく議論していきます.そして,本特集が臨床医,超音波検査技師,研究者にとって有益な情報を提供し,うっ血の評価と管理に新たな展望をもたらす一助となることを願っています.


瀬尾由広

目次

【特 集】

うっ血概論……大谷朋仁・坂田泰史

肺動脈楔入圧は左室充満圧評価に万能な指標か?……北田修一

肺エコーのB-lineが意味するものは?……石井智晃・小保方 優

右房圧をガイトン理論で考える……岸 拓弥

エコーで右房圧の推定はどこまで可能か?……津村京子

Clinical Scenario 1:心エコーでvolume central shiftは捉えられるか?……鈴木 航

体・臓器うっ血は何が問題なのか?……猪又孝元

下腿のうっ血論……兵頭永一・川崎俊博・六尾 哲

肝うっ血を評価する……坂本考弘

腎うっ血を評価する……有吉 亨

Clinical Scenario 2:心不全退院時のうっ血をいかに超音波で評価するか?……中川頌子

【症例問題】[WEB連動企画]

経カテーテル大動脈弁植込み術により留置された大動脈弁位生体弁の付着構造物……大森 拓

【COLUMN】

Something new, Something special

ポストコロナのハンズオン教育……土肥 薫

【総目次(Vol.24 No.1~12)】

【執筆者名索引(Vol.24 No.1〜12)】

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書籍情報

  • ISBN:9784011102412
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2023年12月
  • 電子版発売日:2023年12月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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