- m3.com 電子書籍
- 医学図書出版
- 肝臓クリニカルアップデート 2023年10月号(Vol.9 No.2)【特集】進行・再発肝細胞癌に対する集学的治療update
商品情報
内容
進行肝細胞癌─Conversion 手術をめざす薬物療法─外科の立場から/進行肝細胞癌─Mass Reduction をめざす薬物療法─内科の立場から/外科切除後の肝内再発に対する Ablation 治療─Knack & Pitfalls ほか
序文
序文 進行 ・ 再発肝細胞癌に対する集学的治療update
肝細胞癌の治療は近年大きく変わってきた。その変化の理由の一つにC 型肝炎ウイルスの罹患率の低下と抗ウイルス治療の確立があげられる。1989 年C 型肝炎ウイルスの発見と2011 年から始まったdirectactingantivirals(DAA)の登場によりC 型肝炎の新規罹患数は劇的に低下し,本邦の主たる発癌高危険群であったC 型肝炎患者が減少した。それとともに非B 非C 型肝細胞癌の割合が増加するのみならずその実数も増加傾向にある。現在その危険因子につき検討が進められ肝細胞癌を早期発見するスクリーニング・システムが開発されつつあるが,現時点では進行して発見される肝細胞癌が多くみられる。今回あらためて進行・再発肝細胞癌に対する治療戦略につき,肝切除,移植,薬物,ablation,TACE,肝動注,radiation,の各治療を先進的に行っている先生方にそれぞれの治療の特徴や適応につき,基本から最新の進歩までをまとめていただき,さらに進行肝細胞癌の集学的治療のなかで現在どのようなタイミングでどのような役割を担っているか,そしてその組み合わせの際の注意点などを概説していただいた。それぞれの治療法においてその適応の拡大や安全性の向上につながるような進歩が遂げられており,それによる治療成績の向上も報告されている。とくに放射線療法における体幹部定位放射線治療(stereotacticbody radiotherapy:SBRT)の出現は肝細胞癌に対する照射療法の適応を大きく広げることとなった。またそれとは少し異なるが,以前あった肝切除 vs. ablation のような図式が,現在では肝切除後の再発に対して症例ごとに肝切除やablation が選択され,逆にablation 後の再発に対して肝切除が選択されるようなことも多くみられるようになり,それらも治療成績の向上につながっている可能性が高い。
それら各治療法の進歩のなかでも薬物治療の開発速度は目覚ましく,文字通り日進月歩の感がある。長らく有効な抗癌剤をもたなかった肝細胞癌において,2009 年ソラフェニブが有効な分子標的薬の先鋒として本邦で承認・使用されるようになってから,さらに10 年以上の歳月を待って2020 年やっと免疫チェックポイント阻害剤のアテゾリズマブが分子標的薬のベバシズマブとの併用療法として本邦で承認され使用が開始され,他の免疫チェックポイント阻害剤の開発・承認も後に続いている。免疫チェックポイント阻害剤においては他の癌腫同様complete response(CR)が少数であるが得られることもあり,進行・再発肝細胞癌に対する治療戦略におけるgame changer になる可能性が高い。さらにはそれぞれのレジメンと治療法との相性もあり,それらをいかに組み合わせていくかの臨床試験も多く行われ,その結果も報告されつつある。
今回この特集を読んでいただき各治療法のupdate をしていただくことで,とくに薬物療法とそれぞれの治療法との関係を理解し適切に組み合わせていただき目の前の進行肝細胞癌の患者に対する最適な治療戦略を導き出す一助としていただければ幸いである。
佐野 圭二
帝京大学医学部外科学講座
目次
特集 進行・再発肝細胞癌に対する集学的治療update
序文 進行・再発肝細胞癌に対する集学的治療 update
帝京大学医学部外科学講座 佐野 圭二
1)進行肝細胞癌─Conversion 手術をめざす薬物療法─外科の立場から
島根大学医学部消化器・総合外科学 中村 光佑,他
2)進行肝細胞癌─Mass Reduction をめざす薬物療法─内科の立場から
虎の門病院肝臓センター 川村 祐介
3)外科切除後の肝内再発に対する Ablation 治療─Knack & Pitfalls
近畿大学医学部消化器内科 南 康範,他
4)門脈腫瘍栓を伴う肝細胞癌に対する治療法選択
東京女子医科大学肝胆膵外科 有泉 俊一,他
5)進行・再発・肝外転移性肝細胞癌に対する放射線治療
大船中央病院放射線治療センター 武田 篤也
6)肝細胞癌再発治療後に対する肝移植
京都大学医学研究科肝胆膵移植外科 伊藤 孝司,他
7)進行肝細胞癌に対する TACE+全身治療の併用
大阪公立大学大学院医学研究科先端予防医療学 打田(小林)佐和子
8)薬物療法全盛期における肝動注化学療法の役割
久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門/岩本内科医院 岩本 英希
座談会
C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性者に対する受診・受療・フォローアップなぜ、病院管理の下で行う必要があるのか?
討論者:泉 並木,牧野 憲一
連載
◎若手に役立つ議論・オピニオンリーダーからのメッセージ
・肝細胞癌薬物療法で CR と判定されたとき─薬物療法を中止する場合の基準と留意点
近畿大学医学部消化器内科 青木 智子,他
・肝細胞癌薬物療法で CR になったとき─継続すべきか否か?
東京医科大学消化器内科 杉本 勝俊
◎画像診断と病理
・肝内胆管癌の Small Duct Type と Large Duct Type の画像診断
大分大学医学部放射線医学講座 浅山 良樹
・肝内胆管癌の病理
国際医療福祉大学医学部成田病院病理診断科 小無田美菜
◎新しい診断・薬の情報
・パルモディア®
三重大学大学院医学系研究科消化器内科学 中川 勇人
・HBs 抗原の高感度測定系
国家公務員共済組合連合会虎の門病院肝臓センター 鈴木 文孝
◎各都道府県における肝疾患対策取り組みの現状
・福島県における肝炎対策の現状
福島県立医科大学消化器内科学講座 大平 弘正,他
◎エキスパート外科医に聞いてみよう
・肝癌の脊椎転移に対する治療戦略
金沢大学大学院整形外科 山田 遥平,他
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:10.8MB以上(インストール時:25.2MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:43.0MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:10.8MB以上(インストール時:25.2MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:43.0MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784019400902
- ページ数:98頁
- 書籍発行日:2023年10月
- 電子版発売日:2023年11月21日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。