先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!

  • ページ数 : 254頁
  • 書籍発行日 : 2023年2月
  • 電子版発売日 : 2023年1月25日
3,960
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商品情報

内容

病棟での当直コール対応に強くなる!

各病態を緊急度別に分け,会話形式で当直を振り返りながら丁寧に解説.コールを受けてからの対応をまとめたコール対応早見ガイドも充実.レジデントノート誌の好評連載を単行本化

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序文

はじめに

はじめまして.聖路加国際病院の藤野貴久と申します.現在,卒後7年目に突入したまだまだ若輩者で,普段は血液内科を専攻しています.このたび縁あって病棟での当直コール対応に特化した,類をみない書籍を刊行するに至りました.本書は2021 年4 月号から2022 年4 月号まで「レジデントノート」誌に連載された内容を加筆・修正したものです.コンセプトは連載時と同じく,ずばり「頭も体も働かせて,病棟コールに強くなる!」です.

当院では初期研修医のうちから,内科当直を多く経験します.その内容は,ER からの内科への入院依頼の対応と,病棟からのさまざまなコールの対応です.当直は忙しく,眠れることの方が圧倒的に少ないです.その代わりに1 年目から多くの症例数に曝露されることで卒業時には内科当直が自信をもってできるレベルまで到達することを目標にしています.また当院には内科チーフレジデント(CR)という存在がいます.初期研修医を主な対象として,内科における教育の責任を請け負っている存在です.私も2019 年度にその役職を務めさせていただきました.CRは教育の一環として,当直した研修医と前日の当直内容の1 対1 での振り返りを毎日行っております.経験したばかりのほやほやな症例に関する疑問や消化不良な事項をすぐに解決でき,経験を確実に血肉とすることができるので研修医の先生方にも好評です.私がCR となった年度からはじめた制度で非常に手ごたえを感じております.

本書では,そのCR と研修医の振り返りを読者の皆様にも擬似体験していただきながら,病棟での当直コールの対応をマスターすることをめざします.単行本化にあたっては,図表の追加や文献のアップデートなどを行いました.特に各章の最初に見開きで掲載しているコール対応早見ガイドは類書のない挑戦だと思っております.これが完成形ではないので読んでいただいた後に忌憚のない意見をいただければ幸いです.またなにより本書の内容を通じて,当直の振り返りを導入してくださる病院があることを祈ります.


2023年1月

聖路加国際病院 血液内科 藤野貴久

目次

第1章 病棟へダッシュ!

1 SpO2 低下に対応しよう① 呼吸不全のキホンのキ!

 1 はじめに

 2 SpO2低下の初期対応

 3 呼吸不全の病態と鑑別

2 SpO2 低下に対応しよう② 怖いあの病気もこれで大丈夫!

 1 はじめに

 2 呼吸不全の原因追求

 3 High V/Qへの対応

3 血圧低下に対応しよう① 血圧低下=ショック?

 1 はじめに

 2 血圧低下はショックと同義ではない

 3 酸素供給量と酸素需要のバランスが大事

 4 組織低灌流(低酸素)の所見

 5 ショックの鑑別

 6 ショックの初期対応

4 血圧低下に対応しよう② ショックは初期対応が命!

 1 はじめに

 2 評価と治療は同時に!

 3 輸液の種類

 4 輸液の投与経路と速度

 5 昇圧薬:ノルアドレナリンをマスターしよう!

 6 敗血症性ショックにおける抗菌薬

 7 ショックの初期対応

5 意識障害に対応しよう 医師が意識障害にならないために!

 1 はじめに

 2 意識障害診療の1st step

 3 意識障害の鑑別疾患~AIUEOTIPS~

 4 意識障害の診察

 5 敗血症性脳症~septic encephalopathy~

 6 院内発症の髄膜炎

 7 オピオイド中毒

6 頻脈・徐脈に対応しよう 初期対応は非専門医でも必須!

 1 はじめに

 2 頻脈・徐脈診療の1st step

 3 安定した頻脈の鑑別

 4 苦手な人でもこのフローチャートだけは知っておく!

 5 洞性頻脈の原因と対応~HI EDGEで覚えよう!~

 6 心房細動でも常に原因を探そう!~おなじみの「HI EDGE」~

 7 安定な新規心房細動は,Rate controlと抗凝固療法!

 8 Rate controlはCa拮抗薬とジゴキシンが基本!

 9 β遮断薬とアミオダロンも覚えておこう!

 10 心房細動の頻脈発作に使用する薬剤と対応まとめ

 11 徐脈~基本は頻脈と一緒!~

7 胸痛に対応しよう バイタル変化ではない緊急事態!

 1 はじめに

 2 5 killer chest pain

 3 胸痛のOPQRST

 4 胸痛の診察・検査

 5 急性冠症候群

 6 バイタルサインが安定している胸痛

第2章 小走りですぐ病棟へ!

1 腹痛に対応しよう 緊急性の判断を迅速・正確に!

 1 はじめに

 2 腹痛の初期対応は2 step!

 3 専門診療科の緊急介入が必要な腹痛を除外!

 4 体性痛 vs 内臓痛

 5 問診・カルテレビューでは痛みのOPQRSTと特定の疾患へ早期に焦点を,診察では腹膜刺激徴候に注目!

 6 腹痛の鑑別は解剖と臓器から考えよう!

 7 強い腹痛の割に腹部所見が乏しい疾患

 8 腹痛の検査

2 発熱に対応しよう① 感染症かどうか,それが問題だ!

 1 はじめに

 2 脈圧に注目しよう

 3 入院患者の発熱は「感染症か否か」が重要な軸!

3 発熱に対応しよう② FN の初期対応もこれでばっちり!

 1 はじめに

 2 偽痛風(CPPD)

 3 抗菌薬投与までの時間が予後に直結する感染症たち

 4 化学療法を行う病棟の発熱対応ではFN にご用心!

4 痙攣に対応しよう 慌てず止める!予防する!追求する!

 1 はじめに

 2 痙攣の初期対応は「いつも通りABC 確保+痙攣を止めること」

 3 まず血糖測定!低血糖がないならジアゼパムを投与!点滴路がないなら筋注または注腸で!

 4 痙攣が止まっても油断しない!再発予防と原因究明!

 5 てんかん重積状態(status epilepticus:SE)

 6 てんかん vs 失神 vs PNES

5 嘔気嘔吐に対応しよう とりあえず制吐薬!からの脱却を!

 1 はじめに

 2 嘔気嘔吐でも大切なのは原因の評価!NAVSEAで覚えよう!

 3 嘔気嘔吐のメカニズム

 4 制吐薬

 5 オピオイドによる嘔気嘔吐に対する予防法

第3章 歩いて病棟へ!

1 不眠に対応しよう たかが不眠,されど不眠

 1 はじめに

 2 不眠かせん妄かをまず評価しよう

 3 不眠の原因「5P」

 4 睡眠薬を選ぶ前に

 5 BDZ 系/ 非BDZ 系

 6 メラトニン受容体作動薬

 7 オレキシン受容体拮抗薬

 8 二環系抗うつ薬

 9 四環系抗うつ薬

 10 非定型抗精神病薬

2 せん妄に対応しよう せん妄対応だけでは不十分!

 1 はじめに

 2 せん妄診療でも大切なのは原因検索!「せん妄=急性脳機能不全」の意識をもつ!

 3 せん妄か認知症か

 4 せん妄の原因

 5 せん妄の型

 6 せん妄のスクリーニングと予防

 7 せん妄の治療

3 血糖異常に対応しよう ルーチン対応で終わらない!

 1 はじめに

 2 大切なのは高血糖の原因検索!安直にスライディングスケール対応で終わらない!

 3 低血糖でも原因検索が大切

 4 無症候性低血糖にも注意

 5 低血糖に対する具体的な対応

4 さまざまな当直コール 事故抜去・皮疹・転倒など

 1 はじめに

 2 点滴ラインの事故抜去

 3 経鼻胃管の事故抜去

 4 胃瘻の事故抜去

 5 気管切開カニューレの事故抜去

 6 皮疹の対応はアナフィラキシー/重症薬疹の鑑別と,被疑薬の特定!

 7 転倒

おわりに


索引

Column

医学知識のまとめ方

1日1善,1日1論文

γ計算のコツ

非痙攣性てんかん重積 ~nonconvulsive status epilepticus:NCSE~

自分を客観視することの大切さ

UpToDate を活用しよう! コツは「完璧はめざさないこと!」

assessmentとplan

「臨床力の上達」と「仕事慣れ」を勘違いしない!

Beyond the evidence

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高血糖高浸透圧症候群(HHS)の違い

答えは患者さんのところにある

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書籍情報

  • ISBN:9784758123983
  • ページ数:254頁
  • 書籍発行日:2023年2月
  • 電子版発売日:2023年1月25日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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