臨牀消化器内科 2023 Vol.38 No.3 黄疸を極める

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2023年2月
  • 電子版発売日 : 2023年2月14日
¥3,300(税込)
ポイント : 60 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

特集「黄疸を極める」

本特集は,黄疸について幅広くかつ最新の情報を学べる貴重な機会となったと思う.また学問としても非常に面白く,とくに腸肝循環についてはまだまだ未知の部分が多い領域であり,今後のさらなる発展を期待したい.(編集後記より抜粋)

≫ 「臨牀消化器内科」最新号・バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

巻頭言


黄疸とは,血液中のビリルビン濃度が上昇することで,皮膚や眼球結膜などに黄染をきたした状態と定義される.黄疸についてはすでにギリシャのヒポクラテスの時代から記録があり,季節性の春先に流行する疾患との記載もあることから,これについてはA型肝炎による黄疸をみていたのではないかと考えられている.またローマのガレノスは,ヒポクラテス医学をもとに当時の医学をまとめ,人間の体液は血液を基本に「血液,粘液,黄胆汁,黒胆汁」の四つから成り,その均衡の破綻によって病気になるとする四体液説を提唱した.すなわち古代から,胆汁のなんらかの代謝異常が人体に重大な影響を与えており,その表現型が黄疸であると考えられてきた.そして現在では黄疸が血液中のビリルビン濃度上昇によるものであることが明らかとなっている.黄疸は消化器内科医にとっては日常的に遭遇する症候であるが,その原因は多岐にわたる.一般に黄疸を診療する際には,直接ビリルビンと間接ビリルビンのどちらが優位なのか,肝細胞性黄疸なのかあるいは閉塞性黄疸なのかなど,大まかに分類しながら鑑別診断を絞り込んでいくと思われる.しかし実際には原因がはっきりしない症例や,溶血性貧血など消化器疾患以外の原因で黄疸を生じている症例もある.また胆道ドレナージをすべきなのか,なんらかの薬物治療をすべきなのかなど,治療介入の判断に迷う黄疸症例も経験する.しかし臨床経験を積んでいくうちに,むしろ黄疸という症候・病態について深く考察することが少なくなっている医師も多いのではないだろうか.そのようななか,本号では「黄疸を極める」というテーマで,ギリシャ時代から知られる症候である黄疸について,病態理解から鑑別診断,各種病態に対する治療法について,最新の知見を交えて再考する機会をいただいた.

総論として,佐藤先生よりヘムとビリルビン代謝および黄疸の発症機序について,内野先生より黄疸の鑑別診断と鑑別方法について概説いただいた.各論については,「肝細胞性黄疸」「胆汁うっ滞性黄疸」「消化器内科医も知っておくべき黄疸」の三つに大別し,各領域のエキスパートの先生方に解説をお願いした.まず「肝細胞性黄疸」では,柿坂先生より急性肝炎,赤羽先生より肝硬変,楳村先生より薬物性肝障害,小林先生より体質性黄疸について,そして「胆汁うっ滞性黄疸」では,山下先生・城下先生より原発性胆汁性胆管炎,水野先生より原発性硬化性胆管炎,朝川先生・松﨑先生より胆石症,藤澤先生・木暮先生より悪性胆管狭窄について,それぞれご寄稿いただいた.さらに「消化器内科医も知っておくべき黄疸」では,田岡先生より溶血性貧血,乾先生より小児肝疾患,日下先生より新生児黄疸について,ご寄稿いただいた.とりわけ最後の3項目については,一般消化器内科医にとってなかなか学ぶことが難しい病態について,最近のトピックスも交えてわかりやすく解説いただき,たいへん貴重な機会となったと思う.

本特集を通じて,黄疸という日常的に遭遇する機会の多い症候についてより理解を深め,明日からの診療に役立てていただければ幸いである.


中川 勇人
三重大学大学院医学系研究科消化器内科学

目次

特集/ 黄疸を極める

巻頭言 中川 勇人

1 .ビリルビン代謝と黄疸の発症機序 佐藤 雅哉

2 .黄疸の鑑別診断と検査手順 内野 康志

3 .肝細胞性黄疸

(1)急性肝炎と黄疸 柿坂 啓介 他

(2)肝硬変と黄疸 赤羽たけみ

(3)薬物性肝障害と黄疸 楳村 敦詩

(4)体質性黄疸 小林 由直

4 .胆汁うっ滞性黄疸

(1)原発性胆汁性胆管炎と黄疸 山下 裕騎,城下 智

(2)原発性硬化性胆管炎と黄疸 水野 卓

(3)胆石と黄疸 朝川 大暉,松﨑 晋平 他

(4)悪性胆管狭窄と黄疸 藤澤真理子,木暮 宏史 他

5 .消化器内科医も知っておくべき黄疸

(1)溶血性貧血と黄疸 田岡 和城

(2)小児肝疾患と黄疸 乾 あやの 他

(3)新生児黄疸 日下 隆

連載

胆膵超音波内視鏡の読み方と描出法

第9回 膵囊胞性病変2前原 耕介,肱岡 範

大腸ポリープに挑む

第10回 腺腫・癌以外の大腸ポリープのマネジメント 大瀬良省三 他

「胃炎の京都分類」の使い方

第9回 腸上皮化生の診断(LCI) 八木 信明

内視鏡の読み方

発赤調陥凹型を呈した胃底腺粘膜型腺癌の1例 小島 康司 他

消化管異物の診断と治療

小児消化管異物の内視鏡的治療 立花 奈緒

学会だより

JDDW2022第20回 日本消化器外科学会大会 大段 秀樹

JDDW2022第64回 日本消化器病学会大会 名越 澄子

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:50.4MB以上(インストール時:104.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:201.7MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:50.4MB以上(インストール時:104.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:201.7MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784004003803
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2023年2月
  • 電子版発売日:2023年2月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。