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- 産科と婦人科 2023年 Vol.90 No.10【特集】血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
商品情報
内容
たとえば,妊娠はVirchowの3徴のうち血流うっ滞と血液凝固性亢進を満たし,静脈血栓症のリスク因子であったり,がんも血栓のリスクを孕んでいたり,OC・LEPの副作用としても要注意です.
本号では,血栓の形成機序や関連薬剤の薬理,血栓・凝固系の診断と評価,血栓性素因,血栓がかかわる病態の管理,関連薬剤を使用する際の留意点など,基礎から臨床まで幅広くご解説いただきました.
序文
ねらい
血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
血栓形成は,本来,血管の破綻箇所を覆い血管系を閉鎖系に戻す重要な生理機能である.しかし血栓形成が病的となると,形成部位で,あるいは血栓が遊離して遠隔部位で動脈血流の途絶を生じ,虚血性組織傷害や梗塞の原因となる.また静脈内血栓は,血流うっ滞を生じる.
産婦人科は血栓を専門に診療する診療科ではない.しかし診療の様々な場面で血栓のことが頭をよぎる.妊娠はVirchow の3 徴のうち血流うっ滞と血液凝固性亢進を満たし,静脈血栓症のリスク因子である.がんの存在も血栓のリスクを孕んでいる.われわれが日常処方するOC・LEP の副作用として血栓には注意しなければならない.
病的な血栓形成をコントロールするためには抗凝固薬が用いられ,妊産婦でよく使用するヘパリン関連薬剤は産婦人科医にとって馴染み深い.しかし経口の薬剤となると,この数年で,ワルファリン一辺倒であった時代から世の中は大きく様変わりし,直接経口抗凝固薬(DOAC)全盛の時代となった.微妙な調節に苦労したワルファリンから,高価ではあるもののアドヒアランスの優れた投与しやすいDOAC へと移り変わった.しかし産婦人科医にとってDOAC の知識は十分とはいえない.また血栓に関連した病態解明や予防・治療法についても日進月歩であり,われわれはこれについていかなければならない.
そこで本号では,産婦人科診療が深くかかわる血栓について,知識のアップデートを図ることとした.血栓の形成機序や関連薬剤の薬理,血栓・凝固系の診断と評価,血栓性素因,血栓がかかわる病態の管理,関連薬剤を使用する際の留意点など,基礎から臨床応用まで幅広いトピックについて,各分野のエキスパートに解説をお願いした.
産婦人科医にとって「遠いようで近い」存在である血栓について,最新の知識を共有する機会としたい.
(東海大学医学部専門診療学系産婦人科 石本人士)
目次
血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
企画 石本人士
Ⅰ.総論
1.凝固因子の働きと抗凝固薬の作用機序……後藤信哉
2.血小板の機能と抗血小板薬の作用機序……安部涼平
3.凝固線溶系の見方と妊娠による変動……森下英理子
Ⅱ.診断・治療
4.静脈血栓塞栓症の画像診断……上野裕貴・他
5.遺伝性・後天性血栓性素因と産科診療……根木玲子・他
6.不育症と血液凝固異常……杉 俊洸・他
7.静脈血栓塞栓症合併妊娠の周産期管理……川村裕士・他
8.胎盤病理と血栓の意義……佐藤勇一郎
9.がん関連静脈血栓症の診療……関 義信
Ⅲ.薬物療法と留意点
10.直接経口抗凝固薬(DOAC)の使い方と注意点……吉澤尚志・他
11.産婦人科領域でのヘパリン治療と副作用対策……安本篤史
12.ホルモン療法と静脈血栓塞栓症……若槻明彦
13.手術や処置に伴う抗凝固薬や抗血小板薬のマネジメント……松浦 元・他
14.婦人科手術における静脈血栓塞栓症予防に関する最新知識……北見和久・他
15.産後出血に対するトラネキサム酸の適切な投与法……竹田 純
症例
帝王切開瘢痕症候群による続発性不妊に対し,子宮鏡併用腹腔鏡下瘢痕部修復術施行後に生児を得た1例……武田茉莉亜・他
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書籍情報
- ISBN:9784015209010
- ページ数:114頁
- 書籍発行日:2023年9月
- 電子版発売日:2023年9月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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