診断力がアップする!OCT・OCTAパーフェクト読影法

  • ページ数 : 309頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年9月27日
13,200
(税込)
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商品情報

内容

眼科でよく出会う疾患の画像所見の読み方が身につく!
OCT・OCTA所見から眼科疾患の診断につなげるスキルが身につく!よく出会う疾患から判断に悩む難しい疾患まで,実際の症例のケーススタディをもとにポイントを解説.専攻医からベテランまで幅広くおすすめ!

序文

今日の眼科診療においてはOCT(optical coherence tomography)およびOCT アンギオ(OCTA)が中心的な役割を果たしています.私は25 年前から眼科診療を行ってきましたが,今日の診療方法は大きく進化したと感じています.以前は,眼底検査に接触型の前置レンズを使用することが主流で,造影検査を必要に応じて行うのが一般的でしたが,現在ではその枠組みが大きく変わってきました.眼底に疾患の兆候が見られた場合には,通常まず初めに非侵襲的なOCT/OCTA を用いて検査が行われます.そして,確定診断に必要な場合にはより侵襲的な検査を検討し,場合によっては専門施設への紹介も検討されます.このような状況の中で,OCT/OCTA に関する解説書が複数出版されてきました.しかしながら,これまでの教科書は一律であり,基本的に疾患ごとにOCT もしくはOCTA の画像を提示し,その所見を説明するスタイルが一般的でした.また,典型的な所見を集めたアトラスとして作成された成書もあり,各疾患に関連する画像が記載されていることもあります.

しかしながら,実際の臨床現場では,網膜疾患を専門としない若手医師や開業医の中には,OCT/OCTA の所見を正確に解釈し,それに基づいて疾患を診断するのが難しいという課題があります.また,特定の視神経疾患(例えば緑内障)においても,OCT での診断においては黄斑のスキャンが重要であるにもかかわらず,視神経乳頭のスキャンのみを使用している医師も多いという実情もあります.

こうした現実の臨床の課題に対応するため,私は本書の執筆に着手しました.本書は,初心者からベテランまで,すべての経験レベルの医師がOCT/OCTA の所見をもとに診断につながるスキルを身につけることを目指した教科書です.また,視能訓練士や検査に携わる人々にも,どのような所見に注目して検査を行えばよいかを理解する手助けとなるように,所見ごとに鑑別のポイントを詳細に解説しています.さらに,疾患ごとに詳細な解説を加えることで,他の教科書なしでも理解できる内容となっています.

このように,本書は,臨床現場で実際に直面する問題に焦点を当て,確実な診断を支援する情報を提供しています.本書を手にすることで,OCT およびOCTA を駆使した診療において迷うことはないと確信しています.ぜひ,この一冊がOCT/OCTA を用いた診療において,あなたの確かな診療指針となることを願っています.


2023年8月

横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚再生外科学教室 客員教授
柳 靖雄

目次

PartⅠ OCT/OCTA 診療とは?

1.OCTの撮り方と読影の基本

2.OCTAの撮り方と読影の基本

PartⅡ Case Study

Level★☆☆ これだけは押さえておきたい! 遭遇頻度の高い疾患

Chapter 1 黄斑浮腫

Chapter 2 糖尿病患者の黄斑部所見の読影のポイントと鑑別

Chapter 3 糖尿病網膜症 〜OCT やOCTA でどこまでわかるか

Chapter 4 中高年男性の網膜下液

Chapter 5 軽度の近視眼に認められる中心窩の網膜下液

Chapter 6 網膜硝子体界面の異常

Chapter 7 強度近視眼に認められる網膜下高反射病巣

Chapter 8 強度近視眼に認められる黄斑分離や剥離

Chapter 9 高齢者の網膜色素上皮の隆起

Chapter 10 高齢者に見られる滲出性の黄斑病変

Chapter 11 滲出性黄斑病変における網膜色素上皮の不整隆起所見の見きわめ

Chapter 12 網膜出血を認めたら

Chapter 13 網膜色素上皮の表面が平滑な隆起

Chapter 14 網膜内のびまん性高反射病巣

Chapter 15 両眼対称性の中間周辺部の網膜外層萎縮

Chapter 16 視神経乳頭陥凹拡大 〜視神経乳頭と黄斑部GCC解析

Chapter 17 長眼軸眼の視神経症診断

Level★★☆ どう読む? 読影でつまずきやすい疾患

Chapter 18 ellipsoid zoneから外網状層の高反射病巣

Chapter 19 局所的な網膜外層の高反射病巣

Chapter 20 網膜外層から網膜色素上皮にかけての高反射病巣

Chapter 21 網膜下の高反射病巣

Chapter 22 中心窩に限局した視細胞外節の微小な欠損

Chapter 23 脈絡膜の肥厚

Chapter 24 黄斑部の網膜下液

Chapter 25 網膜外層の円形低反射領域

Chapter 26 網膜内外層の欠損

Chapter 27 網膜色素上皮の扁平不整隆起

Level★★★ これも読めれば完璧! 読影が難しい疾患

Chapter 28 網膜深層血管網の高反射病巣

Chapter 29 網膜内の多数の低反射の微細な空隙

Chapter 30 脈絡膜腫瘍・網膜腫瘍 〜鑑別の鍵となる所見

Chapter 31 foveal bulgeの消失

Chapter 32 中心小窩に遺残する網膜内層


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書籍情報

  • ISBN:9784758124065
  • ページ数:309頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年9月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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