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- 救急医学2024年4月号(48巻4号)鎮痛・鎮静 今昔未来物語
商品情報
内容
安全で安心な鎮痛・鎮静のために、単なるノウハウだけでは満足できないあなたに。救急・集中治療とは切っても切り離せない鎮痛・鎮静だからこそ、今では“当たり前”な薬剤やガイドライン、スケールの導入・作成の歴史も、新たな鎮痛薬・鎮静薬の可能性も、貪欲に学ぼう。
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序文
特集:鎮痛・鎮静今昔未来物語
PADISガイドラインや日本版敗血症診療ガイドラインが周知されているいま,あえて鎮痛・鎮静に関する特集を本誌『救急医学』で組む必要があるのか,という意見もあるかもしれません。何を隠そう,エディターの私自身も企画依頼を受けた当初,そう思いました。
一方で,本誌の主な読者は広く救急医学・医療に関心のある方々であって,とくに若い先生方にとっては,鎮痛・鎮静の歴史的背景まで学ぶ機会はそう多くないでしょう。現場目線のノウハウを学ぶ機会・コンテンツが充実している現代だからこそ,翻ってその背景に存在した物語を知ることも医療従事者として重要であり,また本誌のような商業誌の一つの役割であると考えます。そこで今回は,あえて鎮痛・鎮静をテーマに取り上げ,その“今・昔・未来”を深掘りする,これまでにない特集を企画しました。
具体的には,まず“昔”を知るために,鎮静の調節性が非常に優れた2 剤(プロポフォール,デクスメデトミジン)の国内導入の経緯や,鎮痛・鎮静に関するガイドラインが作成された理由・背景などについて,それらが最早“当たり前”となった現在から振り返っていただきました。
次に“今”の話題としては,鎮痛・鎮静に関するガイドラインの推奨・行方の整理や国内レジストリーの紹介といった総論から,ARDS・外傷患者に対する鎮痛・鎮静・筋弛緩のあり方まで,最新のエビデンスに基づいた解説をお願いしました。ARDSに関しては,コロナ禍で鎮静薬の供給不足が生じたり,過剰な自発呼吸を抑制するための筋弛緩などが試みられたことも,記憶に新しいところです。
そして“未来”に向けて,今後普及していく可能性のある鎮痛薬・鎮静薬を紹介いただくとともに,安全な鎮痛・鎮静のための知識と話題も提供します。例えば,ジアゼパムに代表されるように,鎮静薬は抗てんかん作用も有しており,今日では効果・効能を明確に区別した商品も出てきました。薬剤師の立場から鎮痛薬・鎮静薬の使用上の注意点を,また麻酔科医の立場から外来や一般病棟での鎮痛・鎮静時の注意点を,それぞれご教授いただきました。
このように,さまざまな観点から鎮痛・鎮静に関する“今・昔・未来”の話題を提供することで,日々の実践に役立てていただくのはもちろん,医師・看護師・薬剤師などの多職種協働をより深めることにもつながることに期待して,本特集をお届けいたします。
特集企画ゲストエディター:山口大学大学院医学系研究科救急医学 鶴田 良介
目次
特集
Ⅰ.鎮痛・鎮静の歴史を学ぶ
プロポフォールの導入・普及
一般財団法人宝塚市保健福祉サービス公社 妙中 信之
デクスメデトミジンの導入・普及
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生体機能制御学講座救急・集中治療医学分野 垣花 泰之
「人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン」作成の背景・経緯
函館市公営企業管理者/岡山大学 氏家 良人
J-PADガイドライン作成の背景・経緯
横須賀市立うわまち病院集中治療部 布宮 伸
鎮痛・鎮静に関するスケールの歴史
行岡医学研究会行岡病院 行岡 秀和
Ⅱ.現在のエビデンスと実践
鎮痛・鎮静に関する診療ガイドラインの現状
浜松医科大学医学部附属病院集中治療部 青木 善孝
JPSTARの概要と成果
仙台市立病院救急科 高瀬 啓至 他
ARDSに対する筋弛緩
獨協医科大学埼玉医療センター集中治療科 高井 千尋 他
外傷患者における鎮痛・鎮静管理
聖路加国際病院救急科・救命救急センター 一二三 亨 他
Ⅲ.鎮痛・鎮静のさらなる可能性
レミマゾラムの鎮静薬としての可能性
浜松医科大学医学部附属病院集中治療部 鈴木 祐 二
レミフェンタニルの鎮痛薬としての可能性
聖路加国際病院集中治療科 岡野 弘 他
ケトフォールの可能性
自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科 深野 賢太朗
Ⅳ.安全な鎮痛・鎮静のために
鎮痛・鎮静のリスクとその対策─専門医の立場から
聖路加国際病院麻酔科/東京女子医科大学麻酔科 宮坂 清之 他
鎮痛薬・鎮静薬使用時の注意点─薬剤師の立場から
埼玉医科大学病院薬剤部 島﨑 洋平 他
処置時の鎮痛・鎮静のトレーニング─セデーションコース
東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科 白根 翔悟 他
症例報告
咳嗽を契機に発症し,血管内治療を行った腹直筋血腫の2例
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター消化器外科 伊佐間樹生 他 483
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書籍情報
- ISBN:9784012004804
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年4月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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