脊椎脊髄ジャーナル37巻3号 脊椎外科における骨粗鬆症のbest practice

  • ページ数 : 75頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2024年5月2日
2,750
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内容

脊椎外科における骨粗鬆症のbest practice
特集にあたって・・・中村雅也
椎体骨折を伴う骨粗鬆症に対する薬物治療・・・辻 収彦
椎体骨折の評価と再骨折を含めた予後予測・・・高橋真治
骨粗鬆症性椎体骨折に対する装具療法・・・木下隼人,他
椎体骨折に対するBKPの年代別適応と限界・・・戸川大輔
骨粗鬆症性椎体骨折に対するMIStを用いた手術戦略・・・石原昌幸,他
中下位腰椎に椎体骨折を伴う腰部脊柱管狭窄症への治療戦略・・・渡辺航太
椎体骨折を契機に発症した脊柱変形に対する治療戦略・・・森平 泰

■書評
脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本―日常診療での誤診を防ぐ初めの一歩・・・〔評者〕松山幸弘

序文

特集にあたって

超高齢社会を迎えた日本において,健康寿命の延伸の観点からも骨粗鬆症は深刻な課題であり,脊椎外科においても椎体骨折をはじめ頻繁に遭遇する重要な疾患の1 つです.本特集は,脊椎外科における骨粗鬆症のベストプラクティスに焦点を当て,骨粗鬆症の薬物療法,予後予測,手術療法など多岐にわたる内容を網羅し,今後の脊椎外科における骨粗鬆症に対する治療戦略を議論することを目的として企画しました.

まず保存治療に関して,辻収彦先生に椎体骨折を伴う骨粗鬆症に対する薬物治療,高橋真治先生に椎体骨折の評価と再骨折を含めた予後予測,木下隼人先生には骨粗鬆症性椎体骨折に対する装具療法をご依頼させていただきました.日常診療において遭遇する多くの骨粗鬆症に伴う椎体骨折の患者が高齢者であることを勘案すると,基本的な治療方針は保存療法であり,これらの治療法をしっかり習得し,患者のADL,QOL を向上させることが重要です.しかしながら,これらの保存的治療に抵抗性の患者に対して手術的治療を選択する機会も近年増えてきています.

手術治療に関しては,戸川大輔先生に椎体骨折に対するBKP の年代別適応と限界を,石原昌幸先生に椎体骨折に対するMISt の適応と限界を依頼させていただきました.これらの術式が高齢者に適応される機会は増加してきていますが,その適応と限界,さらにピットフォールを熟知したうえで行うことが肝要です.また,椎体骨折そのものの治療のみならず,椎体骨折に伴う病態として,腰部脊柱管狭窄症に関しては渡辺航太先生に,椎体骨折を契機に発生した脊柱変形に関しては森平泰先生に依頼させていただきました.特に,重度の椎体圧潰に伴う脊柱変形は保存的治療抵抗性であることが多く,神経障害や胃食道逆流症,呼吸機能低下など多彩な症状を生じるため,術式の選択でも苦慮することが多いことからテーマに挙げさせていただきました.

最後に,本特集で取り上げた骨粗鬆症に伴う椎体骨折に対するさまざまな治療法の適応と限界に関する議論が,臨床の現場で治療にあたる先生方の一助となれば幸いです.


慶應義塾大学整形外科 中村雅也

目次

特集 脊椎外科における骨粗鬆症のbest practice

特集にあたって  中村雅也

椎体骨折を伴う骨粗鬆症に対する薬物治療  辻 収彦

椎体骨折の評価と再骨折を含めた予後予測  高橋真治

骨粗鬆症性椎体骨折に対する装具療法  木下隼人,他

椎体骨折に対するBKPの年代別適応と限界  戸川大輔

骨粗鬆症性椎体骨折に対するMIStを用いた手術戦略  石原昌幸,他

中下位腰椎に椎体骨折を伴う腰部脊柱管狭窄症への治療戦略  渡辺航太

椎体骨折を契機に発症した脊柱変形に対する治療戦略  森平 泰

書評

脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本―日常診療での誤診を防ぐ初めの一歩  〔評者〕松山幸弘

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書籍情報

  • ISBN:9784013003703
  • ページ数:75頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2024年5月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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