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第2版 小児の頭蓋健診・治療ハンドブック
一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会 (編著) / メディカ出版
商品情報
内容
序文
第2版 序文
早く行きたければ “ひとり” で行けよ
遠くへ行きたければ “みんな” で行けよ
このアフリカの諺は、厳しい大自然環境であるサバンナを生き抜いていくために人間も動物も食べ物や水を求めて移動する必要性の中で生まれた言葉とされている。もちろん、我々医療従事者は、緊急病態に対応するために自分 “ひとり” で治療方針を即決して、対応しなければならない場面も少なくない。しかし、厳しい乾季の中を生き抜くために、新たな「泉」を求めて大規模な移動を行うときには、“みんな” で力を合わせる必要がある。
まずは、2022 年の初版発刊から、これだけの短期間に第2 版の発刊に至れたことに、心から感謝申し上げたい。また同時に、小児医療に携わる医療従事者ばかりでなく、一般読者の方々に対しても多くのニーズ(喉の渇き)があった分野であることを、あらためて実感したのである。
第2 版では、初版の内容に加えて小児整形外科、新生児科、理学療法科、助産師、矯正歯科の分野において新たにご寄稿いただき、さらに充実した内容となっている。これらは、第2 版という新たな泉にたどり着くまでに、一緒に大移動し、一緒に歩んでくださった “みんな” である。“みんな”でたどり着くことができたこの泉は、まだまだ小さい小さい泉であるが、2020 年の日本頭蓋健診治療研究会発足から4 年余り経った現在も、澄み切った医学的探究心という源水を力強く脈々と湧かせ続けている。今後も涸れることなく、多くの乳児の健診に携わる医療スタッフたちの心の渇きを潤してくれることだろう。
南米の先住民たちは、ジャングルの中を歩いていて何かを見つけると、その時点では何の役に立つかわからないけれども「これも、いつか、何かの、役に立つかもしれない」と考えて、ひょいと袋に入れて残しておく習慣があるという。そして、それら実際に拾った時には「未知なるもの」が、あとでコミュニティの危機を救うことになる。この「いつか役立つかもしれない」という予測の能力が、コミュニティの存続には非常に重要な影響を与えるという。
本書が、広大な医学という未知のサバンナを彷徨っている、他のコミュニティの “みんな” のポケット(袋)中で、近い将来に大きな一助となることを祈念する。
2024年5月
日本頭蓋健診治療研究会
文責:藍原康雄(理事)
目次
【第1章 頭蓋変形の概要】
1 定義・頻度
2 タイプと機序
3 神経運動発達との関係
【第2章 頭蓋変形の診断と分類】
1 頭蓋変形の分類
2 頭蓋縫合早期癒合症の治療
3 位置的頭蓋変形の理解
4 位置的頭蓋変形の診断と鑑別
【第3章 産前・産後、乳幼児健診時および一般医療機関での頭蓋変形への対応】
1 頭蓋変形の進行および診察法
2 頭蓋変形への介入および専門医療機関への紹介
3 助産師による産前・産後のかかわり
【第4章 ヘルメット矯正治療の実際】
1 診察の進め方
2 自然矯正が困難な場合のヘルメット矯正治療の説明
3 ヘルメット矯正治療のメカニズム
4 矯正効果期待値
5 矯正ヘルメット装着中の児へのケア・留意点
6 病的疾患群に対するヘルメット矯正治療
7 ヘルメット矯正治療の課題と展望
8 日本で医療機器として認可を受けているヘルメット
【第5章 頭蓋変形の関連領域への影響と対応】
1 整形外科の視点から
2 歯科矯正学の視点から
3 理学療法士の視点から
【第6章 頭蓋変形Q&A】
1 頭のゆがみに関する基本的な質問
2 受診の目安に関する質問
3 初めての受診にあたっての質問
4 ホームケア、その他の治療に関する質問
5 頭蓋変形が及ぼす影響に関する質問
6 ヘルメット矯正治療に関する質問
【第7章 一読すべき論文】
【第8章 用語集】
【資料編】
治療用装具の療養費に関する説明
母子健康手帳(別冊)に掲載された予防法
日本頭蓋健診治療研究会の活動と開催記録
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書籍情報
- ISBN:9784840485111
- ページ数:180頁
- 書籍発行日:2024年7月
- 電子版発売日:2024年7月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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