胆道閉鎖症診療ガイドライン 第2版

  • ページ数 : 180頁
  • 書籍発行日 : 2024年11月
  • 電子版発売日 : 2024年11月27日
5,500
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商品情報

内容

大幅ボリュームアップ! 待望の「胆道閉鎖症」の診療ガイドライン第2版!

【ガイドライン作成の目的】
胆道閉鎖症全国登録は本年で35年目を迎え、成人期以降の諸問題が集積されている最中である。本ガイドラインは、利益相反の透明性、患者意向の取り入れ、医療経済的視点の組み入れなど、新たな方針で改訂を行い、2018年に刊行された初版と趣が大きく異なっている。胆道閉鎖症診療の一助として、患者,家族,医療者の助けになることを目的に作成された。

【ポイント】
①スコープ(臨床的特徴、疫学的特徴)、治療、合併症、予後、第2版からは新たに参考資料(公費負担医療の種類と申請方法)をベースに構成。
②初版より大幅に見直しが行われたクリニカルクエスチョン(CQ)を掲げるとともに、エビデンスの強さ、推奨度を提示。
③総論、CQの内容を患者・患者家族へ解説した一般向けサマリーを掲載。

序文

序文


初版の『胆道閉鎖症診療ガイドライン』は,2013年に日本胆道閉鎖症研究会にて安藤久實愛知県心身障害者コロニー総長(当時)を座長とする「胆道閉鎖症診断・治療ガイドライン作成委員会」が立ち上げられ,Minds(公益財団法人日本医療機能評価機構)の吉田雅博先生のご指導を頂き,Mindsの2014年版診療ガイドライン作成マニュアルに沿った形で2018年に完成した。折から2015年に胆道閉鎖症は指定難病に取り上げられ,小児期から成人期に至るまで多くの診療領域,職種の連携により医療提供や成長の見守り,社会支援などを行っていくべき疾患として,広く認知されるようになった。

初版ガイドライン作成から2年が経過した2020年12月5日の日本胆道閉鎖症研究会幹事会において,最新の『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver 3.0』に沿った形での胆道閉鎖症診療ガイドライン改訂が承認された。これに伴い初版作成時の統括委員を中心に,再びMindsの吉田雅博先生にもご参加頂いてガイドライン統括委員会が結成され,日本小児外科学会,日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児放射線学会,日本肝移植学会,日本小児肝臓研究会などの協力を得て,患者代表にも参加をお願いし,ガイドライン作成グループならびにシステマティックレビューチームが結成された。これらのガイドライン作成組織は,初版の作成に関与したメンバーを中心に新たな若い人材を起用し,将来的なガイドライン改訂における継続性の担保を図った。2021年9月15日の第1回委員会以降,前回のCQの見直し,スコープの改訂作業に入り,システマティックレビューを経て,このほど改訂第2版が完成した。診療ガイドラインの構成については初版と同様に,① 病態,② 疫学,③ 診断,④ 治療,⑤ 合併症,⑥ 予後に分け,① 病態と②疫学に関しては総説とし,③ 診断,④ 治療,⑤ 合併症,⑥ 予後に関しては総説を併記しつつ,CQを上げ,それに対する推奨文・解説文の形式をとった。改訂第2版においては直接性の高い臨床課題を洗い出し,『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver 3.0』に沿った形で,利益相反の透明性,患者意向の取り入れ,医療経済的視点の組み入れなど新たな方針で作成作業が行われた。CQは初版から大きく変わっている。改訂作業の進捗と課題については第49回日本胆道閉鎖症研究会(2022年)および第50回日本胆道閉鎖症研究会(2023年)において報告,討論が行われた。

こうした結果,改訂第2版は初版とかなり趣きを異にする診療ガイドラインとなっている。このガイドラインが胆道閉鎖症診療の一助として患者,家族,医療者の助けになってくれることを切望している。


黒田達夫
胆道閉鎖症診療ガイドライン統括委員会委員長

目次

ガイドラインサマリー

用語・略語一覧

診療アルゴリズム

診療アルゴリズムに関する議論内容(一次肝移植の位置づけ)

第1章 作成組織・作成経過

作成組織

作成経過

第2章 スコープ

診療ガイドラインがカバーする内容に関する事項

システマティックレビューに関する事項

推奨決定から最終化,公開後の取り組みまで

【基本的特徴】

1.臨床的特徴

2.疫学的特徴

第3章 診 断

【総 論】

1.胆道閉鎖症が疑われる症状・徴候

2.診断手順と鑑別すべき疾患

3.精 査

4.直接胆道造影と葛西手術

【クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨】

CQ1 スクリーニングは早期診断に有用か? 

CQ2 淡黄色便の新生児・乳児に精査を行うことは有用か? 

CQ3 遷延性黄疸と肝腫大のある患者に精査を行うことは有用か? 

CQ4 術中胆道造影は予後予測に有用か? 

CQ5 鑑別診断として肝生検は有用か? 

CQ6 病理学的検査は予後予測に有用か? 

第4章 治 療

【総 論】

1.胆道閉鎖症疑い患者に対する術前準備

2.葛西手術と胆道再建法

3.逆流防止手術と術後胆管炎が予後に与える影響

4.肝門切離範囲と吻合の際の注意点

【クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨】

CQ7 生後30 日以内の葛西手術は有用か? 

CQ8 術後のステロイド投与は有用か? 

CQ9 術後の抗菌薬長期投与は有用か? 

CQ10 術後のUDCA投与は有用か? 

CQ11 いったん黄疸消失を得た術後患者に対する再葛西手術は有用か? 

CQ12 腹腔鏡手術は有用か? 

第5章 合併症

【総 論】

1.胆管炎と肝内胆管拡張および肝内結石

2.門脈圧亢進症

3.腫 瘍

4.その他

【クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨】

CQ13 胆管炎に対する抗菌薬の予防投与は有用か? 

CQ14 術後晩期の胆管炎に抗菌薬治療に加えて利胆療法,禁食管理の併施は有用か? 

CQ15 術後症例における肝内胆管拡張あるいは肝内嚢胞に対してドレナージ治療は有用か? 

CQ16 乳幼児期から食道・胃静脈瘤のチェックは有用か? 

第6章 予 後

【総 論】

1.一般的な肝移植の適応について

2.良好な自己肝生存を得るための一般的な検査や管理

3.内視鏡検査および治療

4.妊娠・出産について

【クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨】

CQ17 自己肝生存例の成長障害に肝移植は有用か? 

CQ18 自己肝生存例の妊娠・出産では,集学的管理は必要か? 

CQ19 肝腫瘍のスクリーニング検査は有用か? 

CQ20 食道・胃静脈瘤に対して予防的静脈瘤治療は有用か? 

CQ21 脾機能亢進症に対する治療は有用か? 

CQ22 難治性の胆管炎,治療抵抗性の門脈圧亢進症による病態に肝移植は有用か? 

CQ23 初診時病態の進んだ患者に一次肝移植は有用か? 

第7章 参考資料

公費負担医療の種類と申請方法

胆道閉鎖症に関する情報の入手先一覧

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784867191026
  • ページ数:180頁
  • 書籍発行日:2024年11月
  • 電子版発売日:2024年11月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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