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- 医学のあゆみBOOKS プライマリケアで診る 高齢者の認知症・うつ病と関連疾患 31のエッセンス
商品情報
内容
高齢者診療で精神疾患が疑われる時に知っておきたい実勢に役立つコツが満載!
疾患ごとに抑えてくべき基本情報のUPDATEで診療をレベルアップ!
●“物忘れ”“気分の落ち込み”“不安”といった高齢者診療で精神疾患が疑われるときに,かかりつけ医が知っておくべきエッセンスを31 項目で解説.
●臨床に役立つエッセンス編では,認知症を早期に発見する方法や抗認知症薬の使い分け,精神療法の考え方から運転免許更新に関わる診断書作成のポイントまで,実践にすぐ役立つコツを解説.
●最新情報のエッセンスでは,高齢者の身体/心理特性から,各疾患の診断・初期治療・専門医連携のポイントまで,基本知識をブラッシュアップ.
序文
序
超高齢社会を迎えたわが国で,医学的かつ社会的に重要な疾病として認知症とうつ病があげられているが,これらは医療現場において診療の対象となることがたしかに増えている.認知症に対する国家戦略は"新オレンジプラン"とよばれ,その骨子として"認知症になっても住み慣れた地域で長く暮らす"ことを基本とし在宅医療が重視されている.そして,アルツハイマー病治療薬や抗うつ薬が存在する現在においては,また非薬物的アプローチも発展してきていることから,早期に発見してなるべく早く介入することが重要となっている.このように"在宅医療"と"早期発見"という観点から,地域で最も重要な役割が期待されているのは,かかりつけ医の皆さんである.
そこで,本書では認知症とうつ病を中心に,高齢者の精神疾患が疑われるときに,かかりつけ医の先生方にとくに重要と考えた臨床的課題を31項目にまとめた.
前半は,実臨床編,つまり,"認知症・うつ病診療事始め"として,実践的かつ標準的な医療に必要なポイントをあげてみた.これらは同時に,今後の社会情勢から,標準的な療の実践が医療安全面からも必要であると考えられるからである.
後半は,認知症の原因疾患別に最新の情報を提供するためにまとめた.前半とは違った観点で,疾患別に配慮すべきまたは注意すべき臨床上の問題も取りあげている.アルツハイマー病をはじめとして基礎から臨床に至る一連の研究が盛んにおこなわれ,その進展には目を見張るものがある.このように,後半は認知症と関連疾患の知識についてブラッシュアップをめざしたものになっている.
標準的で安全な医療の実践には,正確かつ新しい知識の裏付けが必要である.今回は31項目においてご活躍の専門家またはリーダーの先生方にご執筆をお願いしたので,内容の充実には自信を持っている.かかりつけ医の先生方が本書を活用され,明日からの認知症・うつ病医療・ケアに役立てていただけることを祈念している.
2019年3月
順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学
新井 平伊
目次
序
【臨床に役立つエッセンス】
1 臨床現場で認知症を早期に見つけるコツは?
"認知症"という概念の捉え方
"早期発見"に寄せた問診と診察
2 高齢者の精神症状をいかに診て鑑別するか?
高齢者の精神症状の診断手順
うつ病性仮性認知症(DPD)
うつ病と軽度認知障害(MCI)の併存
気をつけるべき身体疾患や治療薬
3 外来で使える簡単な認知機能検査は?
アルツハイマー型認知症(AD)の診断・鑑別
アルツハイマー型認知症の早期発見
レビー小体型認知症(DLB)の診断・鑑別
前頭側頭葉変性症(FTLD)の診断・鑑別
外来で認知機能検査を行う際のポイント
4 画像検査では何を行っておくべきか?
頭部CT/MRI検査
脳血流スペクト検査
MIBG心筋シンチグラフィ検査
DATスペクト検査
5 忘れてはいけない血液生化学検査の項目は?
甲状腺機能障害(TSH,Free T3,Free T4)
ビタミン欠乏症(Vt.B1,B12,葉酸)
慢性腎蔵病(eGFR;推定糸球体濾過量)
心不全(BNP;脳性ナトリウム利尿ペプチド)
糖尿病(HbA1c;血糖値)
6 これだけは行っておくべき神経学的診察法は?
神経学的診察が鑑別診断に役立つ認知症性疾患
神経徴候の診かたと神経学的所見のとり方の実際
7 認知症の原因疾患はどのように鑑別するか?
認知症診断の考え方
認知症の原因疾患の鑑別
鑑別診断において注意したいこと
8 認知症治療薬はどう使い分けるか?
認知症治療薬の特徴と使用上の注意点
認知症治療薬の使い分け
9 抗うつ薬や抗精神病薬抗を投与する際の注意点は?
高齢者のうつ病
認知症に伴うBPSDに対する抗精神病薬投与
10 高齢者に対する精神療法をどう行うか?
精神療法が最重要でない疾患
精神療法が最重要の疾患
11 認知症に対するケアのコツは?
基本的な診療姿勢:信頼関係の構築
超早期の頃
早期および軽度の頃
中等度の頃
重度の頃
家族の状況に気を配る
12 利用できる社会保障制度や社会資源は?
介護保険制度の概要
在宅生活を支える介護保険サービス
障害福祉サービス等の社会資源
施設等の社会資源
高齢者の権利擁護制度
13 介護保険主治医意見書作成のコツは?
意見書作成にあたって
主治医意見書申請者
疾病に関する意見
心身の状態に関する意見
生活機能とサービスに関する意見
特記すべき事項
【資料】介護保険主治医意見書
14 後見人制度はどのように使うべきか?
成年後見制度とは
成年後見制度の現状
成年後見制度の利用促進
認知症とうつ病の人にとっての成年後見制度
成年後見制度をどう使うべきか
15 運転免許更新に関わる診断書作成のポイントは?
診断書作成にあたっての留意点
診断書作成のポイント
【資料】診断書記載ガイドライン
最新情報のエッセンス
16 最近の人口動態と高齢者人口
社会保障財政への影響
世帯構造の変化に伴う家庭内介護力の低下
認知症高齢者の増加
地域包括ケア体制の構築
傷病構造の変化への対応
活力ある高齢社会を実現するために
17 高齢者の身体的特性
生理的老化と病的老化の特徴
加齢による身体機能(臓器機能)の変化
高齢者疾患の特徴
フレイル
高齢者総合機能評価(CGA)
CGAを用いた外来高齢者,外来認知症患者,入院高齢者における生活機能障害
「70歳以上,あるいは75歳以上を高齢者」の提言
18 高齢者の心理的特性
高齢者の心理的特性に関する一般的特徴
エイジングパラドックス
こころの加齢モデル
19 アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の病態
アルツハイマー型認知症の診断
アルツハイマー型認知症の治療
臨床治験
関連疾患と鑑別のポイント
行動・心理症状(BPSD)への対応のポイント
20 軽度認知障害(MCI)
MCI概念の変遷
MCIの有症率と転帰
MCIの診断
告知と対応の仕方
21 レビー小体型認知症
レビー小体型認知症(DLB)の疾患概念
レビー小体型認知症(DLB)の診断
レビー小体型認知症(DLB)の鑑別のポイント
レビー小体型認知症(DLB)の初期治療
専門医との連携におけるポイント
22 前頭側頭葉変性症
前頭側頭葉変性症(FTLD)
前頭側頭型認知症(FTD)
プライマリケアにおける鑑別診断
前頭側頭型認知症の初期介入
専門医との連携
23 血管性認知症
血管性認知症の定義と概念の変遷
血管性認知症の病態
血管性認知症の診断基準
血管性認知症の臨床病型
血管性認知症の治療
24 正常圧水頭症
特発性正常圧水頭症(iNPH)の発見
特発性正常圧水頭症(iNPH)診断のためのフローチャート
わが国におけるiNPHに対するシャント術の成績
25 治療可能な認知症
てんかん性健忘(EA)
非痙攣性てんかん重積(NCSE)
薬物による認知機能障害
ビタミンB12・葉酸欠乏と認知症
内分泌機能異常に伴う認知症
特発性正常圧水頭症(iNPH)
慢性硬膜下血腫
橋本脳症
神経梅毒と認知症
抑うつと認知症
26 せん妄,症状精神病
せん妄とは
せん妄の原因
せん妄の予防と診断
せん妄の初期治療
専門医連携のポイント
27 老年期うつ病
老年期うつ病(LLD)とは
老年期うつ病(LLD)の特徴:若年期うつ病との違い
高齢者うつ病(LLD)の治療
認知症との鑑別
28 高齢者の双極性障害
概念と診断
疫学と臨床的特徴
関連疾患と鑑別のポイント
初期治療
専門医との連携のポイント
29 老年期の幻覚・妄想状態
老年期の幻覚・妄想状態について
大きなグループ分けの鑑別
器質性群(脳器質性・症状性・中毒性精神病)
広義の非器質性群
専門医との連携のポイント
30 老年期不安症
疾患の概念
老年期不安症の有病率
老年期不安症の背景基盤
老年期不安症の診断
老年期不安症の初期治療
鑑別のポイント
専門医連携のポイント
31 老年期の睡眠障害
不眠症
睡眠時無呼吸症候群
夜間頻尿
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書籍情報
- ISBN:9784263206836
- ページ数:228頁
- 書籍発行日:2019年4月
- 電子版発売日:2019年8月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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