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研修医・看護師・臨床工学技士・診療放射線技師のための 基礎からわかる!カテーテルアブレーション

  • ページ数 : 296頁
  • 書籍発行日 : 2018年3月
  • 電子版発売日 : 2019年5月10日
5,940
(税込)
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商品情報

内容

研修医・看護師,臨床工学技士,診療放射線技師など多職種向けアブレーション入門書の決定版!

●心電図や電気生理学的検査の必須知識からアブレーション治療の実際までを,美しく理解のしやすいイラストを使いオールカラーで,わかりやすく解説.
●これからカテーテルアブレーションをはじめる医療スタッフを対象に,各職種の第一人者が基礎から最新知見までをポイントを押さえて紹介.
●“何をやっているか分からないつまらないカテーテルアブレーション”から劇的に変わるための必須の1冊.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

参加できるカテーテルアブレーションへ

カテーテルアブレーションは編者が医師になった時分は,「限られた医師が行う」「分かりにくい」そして「マニアックな」心臓カテーテル治療であった.実際,研修医時代は,手伝いでカテーテルアブレーションに参加しても何をしているかさっぱり分からず,専門医師の先輩たちが感動している瞬間にも,その感動を共有することすらできず,カンファレンスでも寝るのをこらえるのに必死になるような治療であった.心筋梗塞で苦しんでいる患者の閉塞血管を治療し,見た目にはっきりとその効果が実感できる冠動脈カテーテル治療とは正反対であったと言ってもいい.それでも,その難しさを克服した時の充足感だけでなく,患者に「治りましたよ」と堂々と言える内科医にあこがれ,そして何よりも根治したことを心から喜んでいる患者を見ているうちに,カテーテルアブレーションの道を進もうと心に決めていた.

現在,カテーテルアブレーションの適応が発作性上室性頻拍症や心房粗動から心房細動までその適応を広げたことにより,本邦における治療件数も年々増加の一途を辿っている.そして,カテーテルアブレーションに携わり,治療を行う職種もますます多様化してきている.さらには,アブレーション方法だけでなく治療に用いられるカテーテルや機器も新しくなり,それに伴う知識の習得も必要となってきている.

今回,看護師,臨床工学技士,診療放射線技師をはじめとするカテーテルアブレーション治療を行う医療従事者が少しでも楽しく,そして興味をもって参加できるようになれば,それこそ患者のために最もよいと思い,本テキストを作成した.そのため本テキストは医師だけでなく看護師そして臨床工学技士の方たちにも執筆をお願いしており,それぞれの視点からみたカテーテルアブレーションの解説が含まれている.

本書が"何をやっているか分からないつまらないカテーテルアブレーション"から"自分たちが参加しているカテーテルアブレーション"へと,変わることができる一助になれば幸いである.

この本の執筆を受けていただき,ご尽力くださった医師,看護師,臨床工学技士の方々へ感謝申し上げるとともに,本テキスト中で数多く掲載した多彩なイラストを手掛けていただいた,福崎英昭氏と林昌樹氏に心より感謝する.


2018年3月

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 循環器内科
松尾 征一郎

目次

総論

1 カテーテルアブレーションの歴史


2 心臓内電位の見方

・体表面心電図と心臓内心電図

・心臓内電位

・「ニアフィールド電位」と「ファーフィールド電位」

・電気の流れの評価

・電気の大きさの評価

・ユニポーラ電位の使い方

・刺激試験

・連続刺激試験(Burst pacing法)

・期外刺激試験(Extra pacing法またはExtra stimulation法)


3 カテーテルアブレーションの原理

・高周波アブレーションの原理

・イリゲーションカテーテル

・コンタクトフォースカテーテル

・クライオアブレーションの原理

・クライオバルーンアブレーション


4 カテーテルアブレーションに必要な解剖
-心房細動アブレーションを中心に-

・心臓の周辺構造物について

・右房・左房構造のイメージ

・右房,上大静脈および下大静脈構造について


5 カテーテルアブレーションの準備(シースなど)

・術野(清潔野)の準備

・シースの準備

・そのほかの物品準備

・患者周囲の準備

・呼吸管理の準備

・患者の術前準備

・緊急時に使用する物品の確認


6 カテーテルアブレーションに必要な機器

・心内電位解析装置

・プログラム刺激装置(スティムレーター)

・高周波通電装置(アブレーター)

・イリゲーションポンプ

・高周波心房中隔穿刺システム

・除細動器,心腔内除細動システム

・心腔内エコーシステム(ICE)


7 カテーテルアブレーションのモニタ類

・鎮静管理に用いられるモニタ

・呼吸管理に用いられるモニタ

・合併症対策のモニタ


8 カテーテルアブレーションに用いるカテーテルとその使用方法

A.さまざまな電極カテーテル(多極カテーテルからリング状カテーテルまで)

・電極カテーテル

B.アブレーションカテーテルの種類とその選択

・通常型高周波(RF)カテーテルアブレーション

・イリゲーションカテーテルアブレーション

・コンタクトフォース(CF)アブレーション

・冷凍アブレーションカテーテル

・クライオバルーンカテーテル

・ホットバルーンアブレーション


9 カテーテルアブレーション中に使用する薬剤

・鎮痛・鎮静薬

・抗凝固薬

・その他の薬剤


10 カテーテルアブレーションにおける麻酔管理

・術前準備

・モニタ類

・使用する薬剤,使用する機器

・鎮静の方法


11 カテーテルアブレーション周術期の検査

・心電図検査

・血液検査

・胸部レントゲン検査

・心臓超音波検査

・心臓造影CT検査

・MRI検査


12 カテーテルアブレーションの実際の流れ

・治療前

・検査・治療の当日


13 カテーテルアブレーションの合併症とその対策

・心タンポナーデ

・脳梗塞

・肺静脈狭窄

・食道関連合併症

・横隔神経麻痺

・洞不全症候群

・房室ブロック

・仮性動脈瘤・動静脈瘻

・気胸・血胸

・血栓塞栓症・肺塞栓症

・心膜炎


14 カテーテルアブレーション術後の看護管理

・カテーテルアブレーション終了後

・圧定について

・圧定解除後

・帰室後合併症

・術後不整脈について

・退院後について


15 カテーテルアブレーション退院後の管理

・退院後の定期診察

・退院後の検査

・再発時の対応

・退院後の病識

・「手術をした!!」という経験

・アブレーションの病診連携

各論

1 3次元マッピングシステム

A.CARTOシステム:操作方法の実際

・準備

・治療開始

B.NavXシステム:操作方法の実際

・準備

・患者入室

・ジオメトリーの構築

・Fusion

・治療中

・マッピング


2 発作性上室性頻拍(PSVT)

A.発作性上室性頻拍とは

・発作性上室性頻拍の機序

・発作性上室性頻拍の種類と特徴

・心電図波形から発作性上室性頻拍の分類

B.房室結節回帰性頻拍(AVNRT)

・メカニズムと診断

・治療(アブレーション)

C.房室回帰性頻拍(AVRT)

・メカニズムと診断

・電気生理学的検査(EPS)

・正方向性房室回帰性頻拍(Orthodromic AVRT)

・逆方向性房室回帰性頻拍(Antidromic AVRT)

・特殊な房室回帰性頻拍(PJRT)

・治療(アブレーション)

D.心房粗動(AFL)および心房頻拍(AT)

・メカニズムと診断

・電気生理学的検査(EPS)

・局所性心房頻拍(focal AT)およびマイクロリエントリー性心房頻拍(localized-reentrant AT)の電気生理学的特徴

・マクロリエントリー性心房頻拍(macro-reentrant AT)の頻拍中の電気生理学的特徴

・治療(アブレーション)


3 心室頻拍(VT)

A.心室頻拍とは

・原因

・診断

・症状

・予防と治療

B.特発性心室頻拍

・流出路起源──メカニズムと診断

・治療(アブレーション)

・ベラパミル感受性心室頻拍

C.器質的心疾患に合併した心室頻拍

・メカニズムと診断

・治療(アブレーション)

・心室頻拍のマッピング法

・焼灼部位の決定

・心外膜アブレーションについて


4 心室細動(VF)

A.心室細動とは

・原因

・診断および検査

・検査

・治療

・予防

B.特発性心室細動

・特発性心室細動とは

・メカニズムと診断

・治療(アブレーション)


5 心房細動(AF)

A.心房細動とは

・疫学

・原因

・診断

・症状

・心房細動カテーテルアブレーション治療

B.発作性心房細動アブレーション

・肺静脈アブレーション(肺静脈隔離術)

・肺静脈外心房細動起源アブレーション(Non-PV Fociアブレーション)

C.持続性心房細動アブレーション

・左房線状焼灼術

・心房複雑電位指標アブレーション(CFAEsアブレーション)

・自律神経節焼灼術(GPアブレーション)

・低電位領域アブレーション(Low voltage zonesアブレーション)

D.バルーンアブレーションほか

・クライオバルーンアブレーション

・ホットバルーンアブレーション

・その他:房室結節アブレーション


6 特殊なカテールアブレーション

A.心外膜アブレーション

・心外膜アブレーションの適応

・心外膜アブレーションの手順

・心外膜アプローチによるアブレーションの実際

・心外膜アプローチに伴う合併症

B.外科的アブレーション

・外科的アブレーションの適応

・外科的アブレーションの実際

・外科的アブレーションの症例


7 電気生理学的検査(EPS)

A.徐脈性不整脈

・電気生理学的検査の適応

・検査に必要な記録部位

・評価項目

B.頻脈性不整脈

・電気生理学的検査の適応

・検査に必要な記録部位

・誘発プロトコール


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書籍情報

  • ISBN:9784263731833
  • ページ数:296頁
  • 書籍発行日:2018年3月
  • 電子版発売日:2019年5月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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