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- 高齢者の嚥下障害診療メソッド 改訂2版
商品情報
内容
嚥下障害とは超高齢社会において、耳鼻咽喉科医が避けて通ることのできない重要な問題です。具体的な症例を中心に、高齢者の嚥下障害の実態、的確な評価方法、さらにはリハビリテーションを主体とした嚥下障害の対策を詳細に記述した極めて実践的な解説書となっています。
序文
序文
嚥下障害は,全身疾患の成れの果て,多因子疾患,全身状態が大きく左右し,誤嚥性肺炎とのせめぎあいなどと言われ,生死にかかわります.これに対して,口腔ケアで完全に防げる,パタカ発声は嚥下訓練,アイスマッサージで良くなる,栄養管理だけで良くなる,開口訓練や舌の体操で良くなる等々,色々な意見があります.いずれもそれなりに必要でエビデンスもありますが,実際に個々の患者さんに本当にこの治療法が必要か? 有効なのか? 日々,疑問に思うことの繰り返しです.
医療者は,患者さんに適正な医療を行う義務があると思います.「自分ならどうして欲しい」,「自分の親ならどうしたい」を常に感じながら,医療をして欲しいと思います.多くの医療者は,患者さんを治して感謝されるのを生きがいに仕事をしていると思います.
日本人は,「人から感謝されるのが好きな人種」だと,最近しみじみ思います.「稼ぎ3割,仕事7割,人のためにおせっかいを焼いて,感謝して助け合ってきた」のが日本人のアイデンティティ(自己の存在証明)だそうです.患者さんの診察をしながら,話を聞きながら,喜んでもらい,楽しく患者さんと,楽しくスタッフの仲間と,わくわくしながら,機微を感じながらお仕事ができるのは最高に幸せだと思う,今日この頃です.
2016年12月
西山 耕一郎
目次
【1】はじめに
【2】誤嚥とはどのような状態か?
【3】誤嚥例の症状
症例1 慢性の風邪と診断されていた男性
【4】嚥下のメカニズム
【5】誤嚥する原因は?
【6】嚥下障害の診断法
【7】誤嚥(嚥下)性肺炎の病態別原因
症例2 食物誤嚥による嚥下障害例
症例3 唾液誤嚥による嚥下障害例
症例4 逆流誤嚥による嚥下障害例
症例5 経管栄養剤が逆流して誤嚥していた症例
【8】嚥下障害の診断と治療の手順
【9】スクリーニング嚥下機能検査
【10】画像嚥下機能検査
【11】嚥下機能低下例への具体的対処法 (1)
軽症例(兵頭スコア0〜4 or 5点の症例)の対応法
症例6 軽症の嚥下障害
嚥下機能評価フローチャート
【12】嚥下機能低下例への具体的対処法 (2)
中等症例(兵頭スコア5~8 点の症例)の対応法
症例7 中等症の嚥下障害 (1)
症例8 中等症の嚥下障害 (2)
症例9 中等症の嚥下障害 (3)
症例10 中等症の嚥下障害 (4)
【13】ムセた時,窒息時の対応法
【14】咀嚼による自由嚥下(プロセスモデル)
【15】嚥下機能低下例への具体的対処法 (3)
重症例(兵頭スコア8 or 9 点以上の症例)の対応法
症例11 重症の嚥下障害
【16】高齢者の胃瘻(PEG)について
症例12 高齢者で経口摂取を続けている症例
【17】経管栄養剤による下痢
【18】摂食・嚥下リハビリにかかわる職種差
【19】多職種連携
症例13 多職種連携が有効であった症例
症例14 嚥下機能が自然に軽快していた症例
【20】嘔吐への対応
【21】認知症による食べムラの対処
症例15 認知症による食事拒否例 (1)
症例16 認知症による食事拒否例 (2)
【22】嚥下障害の具体的対応法
【23】嚥下機能改善手術と音声機能改善手術の適応は?
症例17 嚥下機能改善手術症例
症例18 音声・嚥下機能改善手術症例 (1)
症例19 音声・嚥下機能改善手術症例 (2)
【24】誤嚥防止手術の適応は?
症例20 誤嚥防止術症例
【25】気管切開の対応
症例21 切開孔後の嚥下障害例
【26】著者からのお願い
「耳鼻咽喉科医師を嚥下チームに参加させてほしい理由」
症例22 鼻閉症例
【27】まとめ
【28】あとがき─飲み込みをよくするには─
誤嚥防止の10カ条
嚥下指導と嚥下指導訓練指示書
文 献
索 引
コラム
困った受診形態
胃瘻・経鼻チューブの回避
フードテスト
一口量は少なめに:3mLと言われていますが
錠剤が飲みにくい患者さんの対応法
トロミ剤の使い方
キザミ食は高齢者の食事か?
介護家族が嚥下食の調理法に疎い場合は?
呼吸機能と嚥下障害
食物の嚥下しやすさの要因
家族からの多い質問 (1)
食べれば元気になる?元気になれば食べられる?
咀嚼嚥下について
嚥下障害は肺炎とのせめぎ合い
一側嚥下(側臥位+頸部回旋)
不顕性誤嚥(ムセのない誤嚥:silent aspiration)
嚥下機能と呼吸機能と体力の関係
困ったリハビリテーション依頼
誤嚥性肺炎の治療は,必ず禁食が必要か?
誤嚥に対する対処法
ある家族からのコメント
家族からの多い質問 (2)
老々介護で近くに親類がいない場合は?
歯科依頼する症例
困った内視鏡検査の売り込み
定期的な嚥下機能評価は必要!
リフィーディング症候群(過栄養症候群)
認知症で着色水を飲んでくれない時
薬剤性嚥下障害
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書籍情報
- ISBN:9784498062672
- ページ数:132頁
- 書籍発行日:2016年12月
- 電子版発売日:2017年6月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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