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- 落語的漢方のすすめ
商品情報
内容
陰陽とは?五行とは?証とは?絶妙な落語調のやりとりを、寄席芸をのぞく気分で読み進めれば、漢方医学の考え方を楽しみながら学ぶことができます。
月刊誌「月刊地域医学」の連載を元に単行本化された、メディカル・エンタテイメントをぜひご堪能ください!
序文
はじめに
本書は「漢方医学の考え方を楽しく学んでいただく」ことを目論んで作りました。 著者二人は自治医科大学で、ごく年の近い先輩後輩です。片割れの佐藤純一は普通の内科医。私(下田哲也)は「精神医学系漢方医」を自称している、主観的には普通の医者なんですが、客観的にはかなり変わっていると目されている医者です。
そんな二人が「メディカル・エンタテインメント、蘭方のたわ言・漢方の寝言」という題名で「月刊地域医学」という雑誌に2002年から2004年にかけて連載した雑文がベースになっております。
連載が始まり、継続するに至った経緯は、本文をお読みいただけばご理解いただけると思いますので、ここでくどくど述べることはいたしませんが、相方佐藤純一と私、ともに飲んべえで、落語好きという特質を共有いたしおりますので、語り口は落語というか寄席芸的な雰囲気が濃いものになっております。
その作意が成功しているか否かは、読者諸賢のご判断にゆだねるしかありませんが、同じ内容・メッセージを、論文調モノローグでやったとしたら、こういう形で出版されることはなかったでしょうね。まあ、それなりに成功したのかな......と著者としましては一人よがっております。
序文でこんなことを書いてしまうとネタバレかもしれませんが、若き日の佐藤先輩、後輩の私に「哲ちゃん、医学は知識かもしれないけど、医療は知恵なんだよ」と説教してくれました。 唐突なたとえと感じられるかもしれませんが、囲碁や将棋における定石~定跡は知識の領域でしょう。「定石を覚えて二目弱くなり」との古典傑作囲碁川柳がありますが、「定石」という知識を活用する知恵は、なかなか言語化するのが難しいところのようです。
もちろん医療は「医学という知識の体系」をベースに実践されるべきものでしょうが、知識を活用し「臨床的フレキシビリティ」を増すための知恵の部分は、各々の臨床家個々の工夫にゆだねられてきたように思います。
ところが漢方医学(はたして漢方が「医学」の名に値するか? という意見はごもっともといたしまして)は、厳密な「知識」というより「それを活用する知恵」の源泉というニュアンスを感じさせる体系なのです。
おそらく相方佐藤純一は、漢方の持つそんな側面を直感し、漢方専門家を自称しているとても親しい後輩(どのくらい親しいかは本文にも書いてあります)の私を相方に選び、臨床的知恵のありようを論じたく、この連載を発案したのではないかと、今旧稿を読み返して感じているところです。
本書本文の文体、医学書としてみますと、よく言えば非常にユニーク、悪く言えばハチャメチャである自覚は持っております。ただ、このテーマを真面目な論文調の文体で書ききるほどの自信というか図々しさを、佐藤・下田の両名は持ち合わせていなかったが故の必然とも思います。慧眼なる読者諸賢にあらせられましては、そのあたりの感覚ご理解下されば幸いです。
あ、それから漢方はともかく「蘭方」という言葉がわかりにくいのではというクレームが身内から発せられました。釈迦に説法でしょうが一言申しますと、江戸時代の日本の医療は中国オリジンのもの(つまり今で言う「漢方」ですな)しかなかったところに、西洋(オランダ"阿蘭陀"経由)の体系が入ってきた。ではそれを「蘭方」と称して伝統的な中国オリジンの医学と区別しようということで、漢方・蘭方という表現がされるようになったらしいです。
ま、ごく軽く「蘭方=西洋医学」とご理解あれ。
ハチャメチャな本書ですが、読者諸賢のつれづれのエンタテインメントとなり、かつ、「臨床的知恵」のありようを考えるきっかけになるならば、著者両名これ以上の幸いはございません。
2002~2004年の雑誌に 連載された部分は、出来るだけ原型を保存したかったので、各回のはじめと終わりにプロローグとエピローグを文責下田で付けました。
それでは我々の「たわ言・寝言」対決お楽しみあれ。
下田記
目次
第1回 開口一番
第2回 陰陽論1
第3回 陰陽論2
第4回 五行論1
第5回 五行論2
第6回 証について1
第7回 気虚証について
第8回 証について2(虚実概念を中心に)
第9回 漢方臨床の実際
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784498069107
- ページ数:126頁
- 書籍発行日:2014年8月
- 電子版発売日:2014年12月26日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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