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医療機関における新型インフルエンザ等対策ミニマム・エッセンシャルズ

  • ページ数 : 243頁
  • 書籍発行日 : 2014年8月
  • 電子版発売日 : 2019年6月12日
4,180
(税込)
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商品情報

内容

次に生じ得るかもしれないパンデミックおよびその他の新たな感染症対策への備えの指標となることを目指して

鳥インフルエンザやMERSの患者報告が相次ぐ中,国は2009年パンデミックの経験を踏まえさまざまな対策を行っており,医療機関にも多くの対応を求めています.本書では一般の医療職者には難解な法律や制度を簡明に解説し,医療機関として取るべき対策を示しました.新型インフルエンザ患者が来院する可能性のある医療機関にとって必携の一冊です.

序文

日本の新型インフルエンザ対策は,2013年4月に新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下,「特措法」)が制定されたことを受け,大きな転換期を迎えています.

新型インフルエンザ対策に関わる読者の方の中には,2009年4月に発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)への対応を経験されたことも多いと思います.その際,国の「行動計画」「ガイドライン」は出されておりましたが,鳥インフルエンザA(H5N1)を念頭に置いたものであったこと,「行動計画」「ガイドライン」が出されて間もない時期に発生したことなどの要因もあり,臨床現場においても,多くの混乱が生じました.

医療従事者の多くは,法的事項や国の出すガイドライン等に精通しておらず,また,新型インフルエンザ対策は,危機管理の分野で平時にかかわることがないこともあり,行政文章を理解するのはなかなか難しいのが現状と推測されます.

今回,「新型インフルエンザ・新感染症(以下,「新型インフルエンザ等」)」を対象とした新たな法律が制定され,また,新法に基づき新たに「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(以下,「政府行動計画」)「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」(いか,「ガイドライン」)が策定されました.

新型インフルエンザや新感染症がいつ発生するかは誰も予測はできませんが,2012年に中東では,新たなコロナウイルス感染症であるMERSが発生,また2013年4月に中国で鳥インフルエンザA(H7N9)の人への感染事例が多数報告されるなど,新型インフルエンザ等がいつ発生してもおかしくない状況にあります.

これらの新たな感染症が万一,発生した場合,特措法,政府行動計画,ガイドラインに基づき,国をあげて対応が行われることになります.そのような事態に陥った場合でも,できるだけ混乱を生じずに対応できるよう,感染症対策・危機管理対策に従事する方を対象に,国の新たな方針,及び,新型インフルエンザ等の基本的事項について,とりまとめたのが本書になります.

第1章は総論で,新型インフルエンザ対策の経緯や,政府行動計画・ガイドライン理解のための主なポイントについてまとめています.第2章は,新型インフルエンザ等診療のための基礎知識として,「インフルエンザについて」「サーベイランスについて」「抗インフルエンザウイルス薬について」「インフルエンザの重症患者の治療について」「ワクチン・予防接種体制について」さらに,「鳥インフルエンザ」「新興感染症」や「院内感染対策」について,まとめてあります.

第3章は,医療機関において,新型インフルエンザ等対策を立案する際のポイントについて,まとめてあります.新型インフルエンザ等が発生した場合,医療機関においては,職員の欠勤等に伴い,「供給」が低下する一方,診療の「需要」は増加することが予測されます.このような需給バランスの中でも診療を継続していくためには,事前の計画(診療継続計画)が重要となります.第4章においては,医療機関の規模・機能別に「診療継続計画」の作成についてまとめてあります.2013年3月,医療機関を対象に特定接種の登録が行われたこともあり,各医療機関においては,厚生労働科学研究班や医療関連団体から出されたひな形を元に,急遽,これらの計画を作成したことと思われますが,本章を参考に,関係者が集まり,十分な議論を重ね,再度計画を立案・改定していただければ幸いです.

第5章は,情報収集方法や,WHOの新たな新型インフルエンザガイダンスについてまとめてあります.

2014年5月時点の最新情報をもとに,新型インフルエンザ等に関して,網羅的にまとめた書物となっております.本書が,新型インフルエンザ等対策に関わる方の対策立案の一助となれば,幸いです.


2014年5月

編者

目次

第1章 新型インフルエンザ等対策(総論)

1.新型インフルエンザ対策の経緯について

2.新型インフルエンザ等対策の再構築について―新型インフルエンザ等対策特別措置法の制定― 

3.政府行動計画・ガイドライン理解のための主なポイントについ

第2章 新型インフルエンザ等診療のための基礎知識

1.インフルエンザについて

2.新型インフルエンザ等の診断・サーベイランスについて

3.インフルエンザの診療,抗インフルエンザウイルス薬について

4.インフルエンザの重症患者の治療について

5.インフルエンザワクチン―最近の動向―

6.予防接種体制について

7.鳥インフルエンザについて

8.新興感染症―SARS,MERSコロナウイルス感染症―について

9.新型インフルエンザ等の院内感染対策について

第3章 医療機関における新型インフルエンザ等対策について

1.未発生期における準備の概要について

2.新型インフルエンザ等発生時の基本方針の決定について

3.新型インフルエンザ等対策の実施体制について

4.新型インフルエンザ等対策業務・感染対策について

5.重要業務継続のための具体的方策

第4章 医療機関規模・機能別,診療継続計画について

1.地域における診療体制の構築について―地域医療継続計画の策定―

2.診療所・中小規模の医療機関における対応について

3.中規模・大規模医療機関における対応について

4.帰国者・接触者外来を設置する医療機関および感染症指定医療機関における対応について

第5章 情報収集,その他

1.情報収集方法について

2.WHOの新たな新型インフルエンザガイダンスについて


コラム1 日本のインフルエンザパンデミックの記録について

コラム2 「発病率(罹患率)」「致命率」「死亡率」について

コラム3 法律・政令・省令・通知について

コラム4 特措法と感染症法との関係について

コラム5 「新型インフルエンザ等」と「新型インフルエンザ等感染症」の違い

コラム6 過去の新感染症の例

コラム7 診療継続計画の記載事項について


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書籍情報

  • ISBN:9784525231910
  • ページ数:243頁
  • 書籍発行日:2014年8月
  • 電子版発売日:2019年6月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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