本日はお日柄も良く，皆々様SBR6をご購入いただきましてありがとうございます．えっ？友達の本を借りて読んでいるだけって？いやいやそれでは，知識は定着しません．「本は自腹を切ると記憶力が増す」というマーフィーの法則があります（嘘のような，ホントの話！？）．ぜひともご購入のうえ，熟読していただければ幸いにございます．なんと，すでにもうシリーズも6ですよ．本人もびっくりなんですから，読んでくださる先生方には感謝感激雨あられでございます．地球温暖化のように無茶苦茶な（関係ない？），医学情報の怒涛の激流の真っ只中で，現場で役に立つ情報をいかに早く正確に取り出すかが，われわれ臨床医みんなの課題になってきているよね．後期研修医以上の臨床医のネタになるような話題提供を目指して始めた『ステップビヨンドレジデント』だが，ここまで続けられたのも，研修医達のおかげと感謝している．打てば響く研修医も，打っても響かない研修医も（笑）みんな一生懸命で，なかなか日本の未来は明るいと感じると同時に，彼ら彼女らに元気をもらっているからこそ，この『ステップビヨンドレジデント』を続けることができたのだなぁと思う（あぁ，年寄り臭っ！）．本書は高血糖，低血糖，そして気胸にまつわるネタが満載だ．めまいに至ってはなかなか濃いよぉ．

ゴールデンウィークのみならず，シルバーウィークまでできてしまい，年末年始，お盆とますます救急外来が混雑する年中行事が増えた．世の中の人にとっては休みが多いのはいいことだけど，われわれ医療者はつらい日が増えた．だって需要と供給バランスが完全に逆転したなかでの医療だから，「時間外救急」って「野戦病院医療」っても換言できるんじゃないかしらン？救急混雑も実は軽症患者が押し寄せるから起こっているんじゃないんだよね．決して軽症患者を恨んではいけない．根拠のない事実だし，プロとしての心がけとしてもNGだ．詳細は本文で紹介しますね．

医者は常に勉強しないといけない職業だけど，息抜きも大事．家族を大事にして，「いい人生だった」と言えるようなワークライフバランスを考えた生活のしかたをポストレジデントには考えてもらいたいね．少ない労力，最大効果！Dr.林の勉強法も巻末に記載したので参考までに...

元気な研修医が，うまい指導のできる上級医に育ってくれると，本当にシ・ア・ワ・セ！

本書の正しい使い方

・本屋に行ったら，ついでにステップビヨンドレジデント１～５をそろえて買っておく

・「ステップビヨンドレジデント１」の失神を読んで，本書とともにめまいに強いスーパードクターになる

・緊張性気胸診断のお作法と臨床診断の微妙な違いを理解する

・自分が低血糖になったら本書を開いて低血糖の勉強をする...意識がなくなる前にブドウ糖の補給をしてくださいませ

・必読文献は勉強会で読むようにする...ステキ！

・エコーで気胸を探すだけでなく，エコープローブを最後にきちんと拭く癖をつける

・『ERアップデート』セミナーに本書を持って行き，Dr.林に見せて，「どうもありがとうございます」と言わせしめる

・エアロバイクをこぎながら本書を読みダイエットに役立てる

・海外旅行の飛行機の機内で歩きながら本書を読んで，ロングフライト症候群の予防をする

・目の前のゴキブリを本書で叩き潰して，ン～...新しく買いなおそうかぁ！

いつもながらこのような拙筆な文章を，責任も省みず（ンなことないか）出版してくださる羊土社の皆様に感謝いたします．そして，いつも元気をくれるレジデントに心から感謝！

平成22年 9月吉日

林 寛之