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- 臨床に役立つ!病理診断のキホン教えます
商品情報
内容
「良性と悪性の違いって?」「病理レポートの読み方がわからない」「病理は大事とわかっているけど苦手…(._.)」という全ての方へ!病理の見方がわかる超入門書。レポートを読むときに便利な免疫染色の抗体リスト、専門用語解説もあります♪
序文
序
病理診断は間違いなく医療における治療方針決定のキーとなる重要なものです.しかし,病理診断部門は医療関係者や学生にとっても,決してなじみのある分野とは言えません.「学生のときに習った」「試験が難しかった」「基礎医学のイメージ」......いろいろな印象があると思います.病理診断部門が今や臨床科の一つとして重要な役割を果たしていることは,皆さんもこれから医師として経験を積んでいくとともに徐々に実感されていくことでしょう.
病理がやや近寄りがたい印象を与える理由として,情報の不足があると感じています.今回この書籍では,臨床に役立つように可能な限りわかりやすく病理診断学の世界を紹介しています.病理とはどのようなセクションなのか? どのような目的で染色し,どのように診断を行い,どのように報告しているのか? また,どのように依頼を行えばよいのか? この本を通じて,今まで何となくしかわからなかった病理写真の見かたがわかり,近寄りがたかった病理医が少し身近に感じられるようになると思います.
ぜひ,この本で得た知識をもとに病理医とコミュニケーションを行い,日常的なディスカッションができるようになってみてください.病理医はコミュニケーションを求めてくる医師を温かく迎えてくれるはずです.
またこの本では,病理に苦手意識を持つ一因と思われる専門用語や,種類が多くてその意義がわかりにくい免疫染色の抗体について一覧にして掲載しています.いずれも病理診断報告書を読み解くのに大いに役立つでしょう.
その他,顕微鏡の使い方や写真の撮り方など,役に立つ内容が盛りだくさんです.病理診断にかかわる,研修医,一般臨床医,若手病理医の方にとってのわかりやすい入門書であるとともに,学生さんにとってもイメージをもって学ぶのに最適な一冊になっていると思います.
さあ,臨床病理ワールドへようこそ!
2017年4月
伊藤智雄
目次
主な免疫染色の抗体リスト
第1章 病理診断を始める前に顕微鏡の使いかた,一般的な染色法を学ぼう!
1. 医療での病理の役割・仕事とは?
病理医の1日
病理診断
病理解剖
臨床病理カンファレンス
臨床研究への参加
2. 正しい顕微鏡の使いかたを学ぼう
顕微鏡の各部の名称と正しい観察姿勢
調整手順
3. 基本的な標本作製の流れを知っておこう
検体採取~固定
切り出し
脱脂,脱灰
包埋
薄切
染色
4. さまざまな染色法について知ろう(H&E染色,特殊染色編)
ヘマトキシリン・エオジン染色(H&E染色)
特殊染色
5. さまざまな染色法について知ろう(免疫染色編)
原理・種類
手順
抗原性賦活化とは
抗体
発色
核染色
染色態度
第2章 病理の基本の見かたがわかる!
1. まずは肉眼!マクロ所見のとりかたの基本を知ろう
病理検体の全体像を観察・計測・記録する
割面を観察・記録する
肉眼での良性悪性の判断法
2. 顕微鏡観察を始めてみよう
まずは患者情報と検体を確認する
臨床所見・肉眼所見を確認する
プレパラートのセミマクロを確認する
全体像を確認する
病変が存在しやすい部分から確認する
気になる部分を必要に応じて拡大してみる
臨床医とディスカッション,そして最終診断へ
3. 基本的な病理学的所見の言葉を学ぼう
よく使う所見用語
よく使う専門用語
4. 正常・異常をどう診断していく?
炎症や変性がないか?
腫瘍性変化がないか?
本来あってはならないものがないか?
これまで見逃されていた異常所見
5. 特殊染色・免疫染色の使いかた
粘液を証明したい
血管を探し出したい
リンパ管を探し出したい
筋をみたい
真菌を検出したい
細菌を検出したい
ウイルスを検出したい
アミロイドを検出したい
良悪性を知りたい
腫瘍の原発巣を知りたい
第3章 病理医への依頼のしかたがわかる!病理診断・細胞診・術中迅速診断・電顕・剖検
1. 正しい組織診断を得るための準備・依頼法
病理医とよい関係を築こう
正しい依頼文書の書き方のアドバイス
固定を適切に
病理への提出
切り出し立ち会いを活用しよう!
2. 生検体を採取しておきたいときは
手術検体からのサンプルの採取
急速凍結の方法,保存
3. 細胞診の提出準備・依頼法
検体採取から固定まで
準備するもの
採取法
塗抹法
固定法
液状化検体細胞診(liqud-based cytology:LBC)
依頼法
4. 術中迅速診断の依頼方法・結果の解釈は
術中迅速診断とは
術中迅速診断の対象
術中迅速診断の対象外
迅速標本の作製
依頼方法
結果の解釈
5. 電子顕微鏡を依頼するときの処理方法
透過型電子顕微鏡観察の目的
固定法
6. 病理解剖の依頼・立ち会い・報告まで
病理解剖とは
病理解剖を依頼するには
病理解剖の立ち会いについて
病理解剖報告について
症例紹介
第4章 病理診断結果レポートの読みかたがわかる!
1. 病理レポートに多い表現とその解釈
病理レポートの例とポイント
診断についてより深く知りたいとき・
2. 納得がいかないときは?
よくあるお問合せ
病理診断医と直接話し合う
研究や学会発表などで
3. 病理医に協力を仰ぎたいときは?
学会発表する際には,早めに病理医に相談しよう!
「◯◯ということを示したいのですが」など,目的をはっきりさせることが上手な依頼です
組織標本はどうやって撮影しているの?
研究の協力を依頼したい
第5章 君もマスターしてみよう!病理診断のしかた
Case 1. 大腸のポリープを診断してみよう 腫瘍診断の基本
Case 2. 悪性リンパ腫を診断してみよう 免疫染色の活用
Case 3. 肝機能障害の原因は何だろう 原因を推理する
Case 4. 細胞診はどのようにみる?
Case 5. 術中迅速診断に挑戦してみよう 急いでも正確な診断を!
第6章 写真の撮りかた・プレゼンでの病理写真の出しかた
1. 正しい肉眼写真を撮影しよう 後で後悔しないために,プロの技を学ぶ
事前準備
検体を用意しよう
写真の構図をあわせる
撮影条件について
2. ここがだめだよ,その組織写真
3. 拡大倍率についての意外な事実
拡大倍率とは
拡大倍率は使われていない
4. プレゼンで効果的に病理写真を提示しよう
見てわかる情報は不要です.そのかわりに写真を大きく
意味のない組み写真はやめましょう
あなたの提示している写真は,おそらく倍率が低すぎます
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書籍情報
- ISBN:9784758118125
- ページ数:211頁
- 書籍発行日:2017年5月
- 電子版発売日:2018年2月9日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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