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- 呼吸器外科手術書 改訂6版
商品情報
内容
各術式の手順を要約し、各ステップごとに局所解剖のカラー図を掲載。
基本的手技から高度な術式まで順序良く平易にわかりやすく解説した、呼吸器外科医待望の1冊!
序文
初版の序
本書は,京都大学結核胸部疾患研究所 胸部外科学部門の出身で,現在,京都桂病院 呼吸器センターの主構成員である4人の共著である.
京都大学結核胸部疾患研究所は,昭和42年,当時の結核研究所が改称されたものであり,著者らは何れも結核研究所の時代に入局された.当時の教授は長石忠三先生で,現京大名誉教授である. 先生は当部門の初代教授として,昭和46年私が後を継がせて戴いた後も今日に到るまで,私も含めて4人の著書の方々も御薫陶を戴いてきている.従って私と4 人の著者らとは同門というわけである.
このような背景の下で,私が序文を頼まれた理由は,私の方がやや先輩で,ライターのようなこともしたということと,著者らの出身部門の責任者であるということによるとは思うが,私がお引き受けしたのは,本書の内容を通覧して私なりに感ずるところがあり,身びいきでなく本書を推薦したいと思ったからである.
昭和21年,私が長石先生の許で教えを受けるようになってから,昭和30年までの約10年間は,日本における胸部外科の草創期であり,次の昭和40年までの約10年間がその熟成期であるとしてよい.
草創期の私らは,長石先生のよい処を自由にとるという御考えから全く自由に育てられ,手術も思うままにやらせて戴いた.その結果,この時代の私らは,一流一派の創始者のような気概をもち,これがさらに熟成期の10年間にますます磨きがかかり,手術の腕にかけては日本一,あるいは世界一と心ひそかに自負するに到ったのである.
ところが,これら自称名人らは,その名人気質の当然負うべき欠陥のためか,その技術を客観的かつ公正な批判の下に成書として残すということが極めて少なかったのである.
著者らは,何れも西ドイツで呼吸器外科の研修を行う機会を得ており,この経験と京大での手術経験とから,極めて客観的に手術手技を解析する能力をもたれたと思われる.また,前記の熟成期の後半,すなわち昭和30年代後期の卒業であり,胸部外科手術のよい意味での反省期にこの道を選んだことも本書の客観性を確かなものとしているのであろう.さらに,昭和40年前後からは,手術対象が肺結核から肺癌に移り,それに伴っての手術手技上の変化が生じたが,このような変化もまた本書の企画の新鮮さの基盤となったようである.
抗生物質を自由に駆使しうる現在,炎症性疾患の手術では,かなり奔放な手術が可能であるが,腫瘍外科では抗癌剤にほとんど期待しえないために,合併切除等の所謂腕を振るえる手術は少ない. それでもなお,最近の化学療法,放射線療法,免疫療法等の合併療法の進歩は,胸部外科医をして将来腫瘍外科においても炎症性疾患のような奔放な手術が可能になるのではないかという期待を抱かしめつつある.
本書は,現時点における胸部外科手術手技をまとめたものであり,かつ私どもの前記の将来への夢の基礎となりうるものと思われる.
長石先生はじめ教室の先輩,同僚の方々も本書に御満足戴けると信じ,序文の結びとする次第である.
昭和55年5月
京都大学 結核胸部疾患研究所 胸部外科
京都大学教授 寺松 孝
目次
I編 呼吸器外科の解剖
1.胸郭の外観
2.位置決定線
3.皮膚切開線
4.胸壁
5.胸腔
6.肺門部
7.肺区域,気管支,肺動脈,肺静脈の名称
8.縦隔
9.迷走神経
10.食道
11.胸管
II編 呼吸器外科の基礎
1章 開胸と閉胸
A.開胸と閉胸のチェックリスト
〔開胸と閉胸のチェックリスト〕
〔開胸と閉胸のチェックリストの内容とその対策〕
B.開胸・閉胸のための基礎的手技
C.後側方開胸
D.前方腋窩開胸
E.腋窩開胸
F.胸骨正中切開
2章 肋骨切除術
3章 肺の剥離
4章 肺の縫合と切離
5章 肺血管の処理
6章 気管支の処理
III編 呼吸器外科の実際
1章 肺切除
A.右肺全葉切除
B.右上葉切除
C.中葉切除
D.右下葉切除
E.中下葉切除
F.右肺区域切除
I.右上葉の区域切除術
II.右下葉の区域切除
G.左肺全葉切除
H.左上葉切除
I.左下葉切除
J.左肺区域切除
I.左S1+2区域切除
II.左S1+2+S3の切除
III.左S4+5(舌区)の切除
K.肺部分切除
L.リンパ節郭清
I.肺および縦隔のリンパ節の名称
II.縦隔リンパ節の郭清度
III.縦隔リンパ節郭清の手技と合併症
2章 気管・気管支の外科
A.気管形成術
B.管状肺全葉切除術
C.気管支形成術
D.気管食道瘻および気管支食道瘻
E.気管気管支軟化症
F.術後気管支瘻
G.気管切開
H.胸骨正中切開による主気管支断端瘻の閉鎖
3章 胸膜の外科
〔胸膜の解剖〕
〔胸膜肥厚の病態と胸膜剥離の層〕
〔胸膜の外科的疾患〕
〔胸膜の外科で用いる手術手技〕(悪性胸膜中皮腫の手術)
4章 縦隔の外科
〔縦隔の解剖〕
〔縦隔の外科における皮膚切開〕
A.胸腺の外科
B.縦隔腫瘍
C.心嚢開窓術
5章 横隔膜の外科
6章 胸壁の外科
A.胸壁の感染症
1.胸壁周囲結核,肋骨周囲膿瘍,胸囲結核
2.肋軟骨炎
3.Tietze症候群
4.肩甲骨下膿瘍
5.胸郭成形術後の肩甲骨の篏頓
B.胸壁の腫瘍
C.胸壁の変形
D.肺尖部胸壁浸潤癌の手術
E.胸腔形成術
F.胸腔鏡下交感神経遮断術
7章 胸腔鏡手術
1.準備すべき器具と機器
2.アプローチ
8章 肺,胸膜の生検と胸腔鏡
A.肺および胸膜の生検
B.胸腔鏡を用いた肺生検
9章 縦隔と頚部リンパ節の生検
A.縦隔鏡検査
B.頚部リンパ節の生検
付録 手術記録の書き方
病状説明用の気管支肺のシェーマ
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書籍情報
- ISBN:9784765316606
- ページ数:872頁
- 書籍発行日:2015年12月
- 電子版発売日:2016年7月29日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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