イラストでわかる外科手術基本テクニック 原著第6版

  • ISBN : 9784860349080
  • ページ数 : 250頁
  • 書籍発行日 : 2017年6月
  • 電子版発売日 : 2017年8月18日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数 : 2
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¥6,930 (税込)
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商品情報

待望の改訂版!必要不可欠な手技をカラーで丁寧に解説。

基本手技から腹腔鏡下手術や低侵襲手術などの最新情報まで網羅。習得すべきポイント・上達するためのコツと共に、実践に生かせる330点余りの豊富なイラストを掲載しています。

■ 序文

数えられるものすべてが大事なわけではない.

大事なものすべてが数えられるわけではない.

(Princeton 大学の黒板に記されたAlbert Einstein の言葉)



本書は,いわゆる"How to do it (どのようにすべきか)"のための教科書である."What to do(なにをすべきか)"は,Elsevier 社からすでに出版された"General Surgical Operations"と"EssentialGeneral Surgical Operations"のような外科教科書に記されている.私はキャリアの多くの時間をあらゆる外科分野における達人や指導者とともに仕事し,観察することに費やしてきた.彼らのような達人/指導者は,独自の技術をもっていたが,共通の目的ももっていた.それは,同じ人間に対して,安全で効果的に手術を施行することである.

19 世紀中ごろ以前,外科医は,麻酔のかかっていない患者をできるだけ素早く手術することが求められていた.米国・マサチューセッツ州ボストンでは,William Morton がエーテル麻酔を1846 年に使用した.そして,Young Simpson がクロロホルム麻酔を1847 年に使用したのである.現在の外科医は,もっと慎重かつ丁寧に手術を行うことができるだろう.3 人の外科領域の巨人,ドイツ・ベルンの Theodore Kocher,米国・ボルチモアのWilliam Halsted,ニューハンプシャーのHarvey Cushing はすばらしい外科手術技術の基礎を築いた.技術,手術器具,機器は時代に応じて変遷してきたが,生命のある,健康なもしくは病気の人間の組織を扱う正しい方法は変わらない.これが,この本の主題である.

外科における成功は,手術室のみでは得られない.もちろん,手術がうまく行われないなら,すばらしい術中の判断や,手術計画,準備も台無しである.外科(hand + ergon = work;manual work =手による仕事)は,職人的な手技である.職人とは特殊なものを制作する達人である.例えば,木や皮や織物,ガラスを扱う職人がいる.そして,それらの素材をどのようにコントロールするのかに関して,本質的な知識をもっているのである.われわれ外科医の対象となる"素材",患者の生きた組織をどのようにコントロールするのかを習得しなければならない.そのため,それぞれの章のタイトルは,"扱う"という言葉に立脚しているのである.

どのように並はずれたスキルを身につけるのだろうか?私が強調したいのは,この本は,外科スキルを伝承することはできないし,スキルコースを提供することもできない.過去のスキルコースの考案者や指導者のように,そのようなスキルコースは,非常に価値のあるスキルの導入プログラムとなりうる.しかし,手術の達人による指導を通した手術経験の代替とはならないことを理解する必要がある.スキルコースは,安全な手術手技の実践のための基本技術や,手術器具・機器を扱う方法を体系的に経験できるようにつくられている.しかし,その手術機器の対象である人間の組織を扱う方法を示すことはで きないのである.また,人間の組織をシミュレーションで再現することもできていないのである.なぜなら人間の組織は複雑で,特徴や質感が多岐にわたるからである.

スキルは,知ることとは大きく異なる.偉大な職人,芸術家,俳優,スポーツ選手,音楽家は,生まれながらの才能をもっているかもしれない,しかし,同時に信じられないくらいの集中力,努力,高みに達するための決意とともにあるのである.成功の頂点にいる多くの者たちは,それでもやはり,指導者やトレーナーの下で,自分たちのパフォーマンスに集中し,修正を試みようとする.すべての ものが卓越した潜在能力をもっているわけではないが,高みに到達しようするすべてのものは,必要とされる多くの単純ではない物事を認識する必要があり,そして,自分たちのできるベストを達成できるよう努力する必要がある.

外科医になるには,トレーニングを経験し,たくさんのテストや評価項目に合格する必要がある.客観性に対する現代の風潮のため,"はい"や"いいえ"で答えられ,統計的に妥当な目標が設定されたテストが多く,やるべきことの一覧表が作成されることが多い.そのため,審査官は,試験で試されることのみを含み,本当に大切なことを含まないようなカリキュラムをつくるようになる.客観的に答えることが可能な質問は,"黒"か"白"かのような問題である,一方,多くの重要な疑問は,非常に幅のあるグレーであり,主観的なものなのである.一覧表は,あらゆることが等しく重要であるように錯覚させる.ほぼ必ず,いくつかは重要であるが,他のものはそうではないということはよくある.試験に合格する能力はあるかもしれないが,この合格だけをもってして,有能な外科医になれると錯覚してはならない.

昔の外科医は,その外科技術を指導的外科医の手術を観察し,助手を務め,模倣することで習得してきた.指導者もしくはトレーナーは,外科医であれ,そうでなくても,事実を伝えることができ,手技を披露し,それを評価・分析することができるのである.しかし,必ずしも高いレベルでその手技を披露するスキルをもっていないかもしれない.すばらしい指導者は,比喩をもって指導する.達人を観察し,その助手を務めることを嫌がってはいけない!博識家のMichael Polanty は,以下のように述べている.「達人を観察し,その努力を模倣することで,初心者は,達人自身明確に認識していないような技術も含めてその根幹のようなものを理解し始めるのである」(in Personal Knowledge:Towards a Post-critical Philosophy, Routledge & Kegan Paul, 1973)

本編のような教科書を最初から最後まで読むものはいない.だから私は,大切な主張や説明,注意点を繰り返し記載することをためらわない.


注意

第一言語が英語でない者の多くは,英語を使って外科を勉強し修練しなければならないかもしれない.外科を学ぶとき,新しい言葉にぶつかり,文脈から意味を推測するが,その多くはいつも正しいとはいえないのである.英語は,ゲルマン語(約30%)とローマン語(約70%)のミックスであり,さらに英語が接触した多くの国の言語の影響も受けている.

私は古典の教育をしっかりと受けたわけではない.医学生のときに遭遇した多くの新しい語彙に筆舌に尽くし難いくらい後悔したものである."parotid(耳下腺)"という言葉を勉強したが,その語源が,ギリシャ語の"para(そばに)"と"otis(耳)"にあることは知らなかった.私は最近,正確に定義することの難しい"parenchyma"という言葉が紀元前300 年ごろのアレクサンドリアの学校のErasistratusにより,血液が流れ込み,凝縮した組織と紹介されていたことを読んで感動した.私は,興味深い言葉の起源や意味を喜んで提示しているし,外科的な知識における貢献者にも言及している.発見の航海に旅立ちましょう.あなたは,歴史ある,すばらしい専門を志したところと思います.いくつかの言葉やそれに関連した人々について読んで楽しんでもらえるとうれしく思います.


記載にあたってのお詫び

最後に,もし,私が"she"や"his and her"の代わりに不注意に"he"や"his"を使っていたとしたら女性外科医に謝りたいと思います."he"や"she"の代わりとなる中性的な言葉が英語にはないため,"his and her"といった言葉を繰り返し使って読みづらいところもあるかもしれません.また,"expert (達人)"の含みのある"master(熟練工)"は,まったく違った意味をもつ"mistress(愛人,女王)"という言葉とはまったく関係がありません!

私は,この版で左利きの外科医のことも考慮し,"dominant hand(利き手)"や"non-dominant hand(利き手ではない手)"という表現にいたしました.


R.M. Kirk
London,2010

■ 目次

第1章 心構え

第2章 器具の取り扱い

第3章 糸の取り扱い

第4章 管と腔の取り扱い

第5章 血管の取り扱い

第6章 皮膚の取り扱い

第7章 結合組織と軟部組織の取り扱い

第8章 骨と関節の取り扱い

第9章 切離の取り扱い

第10章 出血の対処方法

第11章 ドレーンの取り扱い

第12章 感染症に関する処置の仕方

第13章 低侵襲手術における手技

第14章 技術のとらえ方

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