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  • 病態生理の理解に基づく 心臓血管外科の基本知識と患者ケア

病態生理の理解に基づく 心臓血管外科の基本知識と患者ケア

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2017年8月
  • 電子版発売日 : 2017年12月22日
3,080
(税込)
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商品情報

内容

術前術後ケアから術後リハビリテーションまでのパーフェクトなケアを実現。

心臓血管系の解剖と生理の理解から、各疾患の病態生理と外科手術の概説を行い、客観的な病態生理の把握に基づいたケアを平易に解説。心臓手術とその周期管理を学ぶことにより、術後の血行動態の変化が理解でき、起こりうる合併症も想定することができます。

序文

はじめに

定型的な心臓血管外科手術の成績は安定してきましたが,最近では重症例や重篤な合併症を抱えた患者さんの手術は増加しており,手術や麻酔,体外循環のさらなる技術向上に加えて,より高水準の周術期管理が求められます.これには,客観的な病態の把握とその科学的分析に基づいたきめの細かい治療が重要です.本書では,心臓血管系の解剖と生理の理解から,各疾患の病態生理と外科手術の概説を行い,客観的な病態生理の把握に基づいたケアを平易に解説しています.

心臓の解剖と生理は,誰しもが学生のときに勉強しているはずですが,残念ながらその知識や理解だけでは臨床の現場,特に心臓手術の周術期管理ではまったく役に立ちません.知識の量が不十分なことに加えて,心臓手術の周術期管理においては,有機的かつ実践的な理解が求められます.心臓手術とその周術期管理を勉強することにより,それまでは机上だけの知識に留まっていた心臓の解剖と生理が,目の前の現実として理解できるようになります.

心臓手術の術式名だけを知っていても実践では何の役にも立ちません.プロの看護師であるからには,それぞれの手術では具体的にどのようなことが行われるかを理解する必要があります.これにより術後の血行動態の変化が理解でき,起こりうる合併症も想定することができます.

今まで行ってきた周術期のケアの根拠やメカニズムを他人にうまく説明できるでしょうか?マニュアルは大切ですが,他人が作成したマニュアルをそのまま実践するだけでは,重症例や重篤な合併症を抱えた患者さんの管理は行えません.手術内容の理解と現症の客観的評価から,科学的根拠に基づいた周術期管理が必要です.

本書を通して学ぶことで,病態生理と術式の理解に基づいた,術前術後のケアから術後リハビリテーションまでのパーフェクトなケアが実現できるでしょう.

2017年8月

2日本医科大学付属病院心臓血管外科教授
新田 隆

目次

序章 心臓血管外科の歴史

1心臓は最後にメスが入った臓器

古代のエジプトや中国では心臓が中枢/心臓が止まると生きていけない/世界初の心臓血管外科手術はわずか60年前

2低体温と人工心肺が心臓血管外科を可能にした

人工心肺装置とは/それでも高い死亡率/心筋保護で生存率が飛躍的に向上/今や心臓血管外科は一般的な手術

第1章 心臓の解剖生理と看護に役立つ基礎知識

1心臓血管外科手術の特殊性

少し前まで心臓が止まっていた/低体温の状態にいた/看護に求められる解剖と生理

2心臓の解剖

位置と外観/血液の流れと弁の動き/冠動脈/弁膜/刺激伝導系

3末梢循環の調節

自律神経系/内因性カテコラミン/心拍出量/酸塩基平衡/電解質異常

4呼吸機能障害

5術後脳神経系合併症

第2章 術前の患者把握と指導

1術前に確認しておくこと

病気の病態生理をイメージ/精神状態と社会環境も把握/予定術式の理解/術後の問題点を予測/術後状態の客観的評価

2退院に向けて

リハビリテーション/自宅での受け入れ状況/服薬の確認/各種書類の確認

第3章 術後管理の実際

1術後管理の流れと基本概念

手術室の状況を把握する/ICUでのチェックポイント/術後管理で目指すもの/ICU退室

2ICU入室(モニタリングを中心に)

ICU入室/モニタリング

3術後管理の目標と患者の特徴

術後早期患者の特徴

4一般的な早期術後管理

ICU入室時/復温期/循環動態安定/人工呼吸管理/鎮痛・鎮静/抜管の基準

5術後合併症

出血/低心拍出量症候群/周術期心筋梗塞/不整脈/脳梗塞/術後の急変

6補助循環装置

大動脈内バルーンパンピング(IABP)/経皮的心肺補助(PCPS)

第4章 術後管理で使用する薬剤

1術後管理の基本概念

2循環作動薬

カテコラミン/PDEⅢ阻害薬/血管拡張薬/β遮断薬/抗不整脈薬

3鎮痛薬

麻薬/麻薬拮抗性鎮痛薬

4鎮静薬

ミダゾラム/プロポフォール/デクスメデトミジン

5抗凝固薬

弁膜症術後/冠動脈バイパス術後

第5章 心臓血管外科手術の周術期管理(種類別)

1心臓血管外科手術の患者

対象患者と患者数

2冠動脈疾患の周術期管理

症例数と死亡率/事例検討Aさん

3弁膜疾患の周術期管理

症例数と死亡率/心臓の解剖/事例検討Bさん/人工弁/合併症

4大血管疾患の周術期管理

解剖/分類/術式/神経学的合併症の管理

5合併症の予防・管理

侵襲の経過の理解/循環管理/呼吸管理/神経・意識管理/血糖管理/疼痛管理

6感染管理

手術部位感染(SSI)とは

7リハビリテーション

リハビリテーションの効果/多職種アプローチ/心臓リハビリテーションのスケール/心臓リハビリテーションの流れ

コラム

朝起きてトイレに行くことが多い理由

術後高血糖対策(日本医科大学付属病院での例)

大動脈弁狭窄症の患者さんに対するリハビリテーション


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書籍情報

  • ISBN:9784883786534
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2017年8月
  • 電子版発売日:2017年12月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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