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- 臨床医のための 漢方診療ハンドブック
商品情報
内容
診断名と症状を手掛かりに漢方を的確に適用するノウハウを平易に解説。開業医・若手医師(研修医)・薬剤師を対象として、病名からの漢方の選び方、副作用、妊婦に対する使用上の注意なども解説しています。
序文
はじめに
本書は、一般臨床医のための漢方治療の入門書である。診察室の机の上や引き出しの中に入れておき、いつでも、すぐに参照できる薄い小冊子というイメージで著したものである。もちろん、自宅で寝ながらでも読める本を目指している。
漢方を学んで20年以上になる。漢方に巡り合って、私自身も家族も漢方によって救われた。漢方の世界に入ってからの方が、医師としての治療する喜びをより多く実感している。現在、漢方薬を使わないで医師としての仕事をすることは不可能となっている。しかし、一方でこの素晴らしい漢方を、知らない、使わない医師が多数存在するということは事実であり、たいへんもったいないことだと思う。漢方の初学者の方に、漢方の世界を知り、漢方の効果を実感してもらうために、病名を根拠にして、どんどん漢方薬を使っていただきたい、と私は考えている。
漢方は証の医学であり、証に従って治療するとか、証が重要であることを、ことさら強調する意見がある。そして、西洋医学的な病名を参考にして漢方を投与することを否定する向きもある。しかしながら私は、西洋医学的な病名も漢方薬による治療にとっては、重要な情報であると信じており、病名も1つの証であると考えている。もちろん、同病異治や異病同治などの漢方の本質を否定するものではない。なお、重症不整脈、急性心不全などの急性疾患や緊急事態においては、漢方にこだわることなく、患者の救命を第1に考え、西洋医学的治療を優先することが望ましい。また、自分には手に負えない、自分の能力を超えていると判断した場合は、速やかに漢方医学の専門医や西洋医学の専門医を紹介していただきたい。
本書では、煎薬にも若干触れているが、エキス製剤で治療困難な場合や、漢方の初級から中級を目指す場合を考慮して、あえて記載した。読者自身の判断で、取捨選択していただきたい。
2010年3月
森 由雄
目次
はじめに
重要用語解説
Ⅰ.まず病名で漢方を使ってみよう
呼吸器疾患
1 風邪に葛根湯(高齢者の風邪に麻黄附子細辛湯)
2 吐く風邪に五苓散
3 気管支喘息に小青竜湯
4 慢性気管支炎に清肺湯
5 インフルエンザに麻黄湯
消化器疾患
6 口内炎に黄連解毒湯
7 胃炎(痛み)に安中散
8 胃炎(もたれる)に六君子湯
9 過敏性腸症候群に桂枝加芍薬湯
10 慢性下痢症に真武湯
11 潰瘍性大腸炎に大建中湯
12 急性肝炎に茵蔯蒿湯
13 B型慢性肝炎に小柴胡湯
14 C型慢性肝炎に人参養栄湯
15 ピロリ菌感染症に呉茱萸湯
16 慢性膵炎に柴胡桂枝湯
循環器疾患
17 高血圧に七物降下湯
18 不整脈(心室期外収縮)に炙甘草湯
19 うっ血性心不全に木防已湯
腎泌尿器疾患
20 慢性腎炎に五苓散
21 膀胱炎に猪苓湯
22 前立腺肥大症に猪苓湯
23 尿路結石症に猪苓湯
血液疾患
24 貧血に帰脾湯
25 特発性血小板減少性紫斑病に加味帰脾湯
代謝疾患
26 糖尿病に人参湯
27 高脂血症に柴胡桂枝湯
28 メタボリックシンドロームに防風通聖散
神経疾患
29 三叉神経痛に葛根湯
30 片頭痛に呉茱萸湯
31 末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)に葛根湯
32 脳血管障害後遺症に桂枝加朮附湯
33 坐骨神経痛に芍薬甘草湯合麻黄附子細辛湯
34 パーキンソン病に抑肝散
耳鼻科疾患
35 花粉症、アレルギー性鼻炎に小青竜湯(冷え症の花粉症に麻黄附子細辛湯)
36 副鼻腔炎に葛根湯加川芎辛夷
37 めまいに苓桂朮甘湯
38 渗出性中耳炎に柴苓湯
39 特発性難聴に小柴胡湯合香蘇散
精神疾患
40 神経症に加味逍遙散
41 うつ病に加味帰脾湯
42 不眠症に酸棗仁湯
43 てんかんに柴胡桂枝湯
44 統合失調症に黄連解毒湯
運動器疾患
45 五十肩に二朮湯
46 変形性膝関節症に防已黄耆湯
ヘベルデン結節に防已黄耆湯
顎関節症に防已黄耆湯
47 関節リウマチに桂枝加朮附湯
48 こむら返りに芍薬甘草湯
婦人科疾患
49 更年期障害に加味逍遙散
50 不妊症に当帰芍薬散
51 月経困難症に当帰建中湯
52 冷え症に桂枝茯苓丸
皮膚疾患
53 アトピー性皮膚炎に桂枝加黄耆湯
54 蕁麻疹に十味敗毒湯
55 にきびに清上防風湯
56 掌蹠膿疱症に十味敗毒湯
57 いぼに麻杏薏甘湯
58 円形脱毛症に小柴胡湯合桂枝加竜骨牡蛎湯
59 老人性皮膚瘙痒症に当帰飲子
60 しもやけに当帰四逆加呉茱萸生姜湯
61 帯状疱疹に五苓散
外科疾患
62 痔核に乙字湯
63 火傷に桂枝加竜骨牡蛎湯
64 打撲に治打撲一方
65 がんに十全大補湯
Ⅱ.次に漢方の基礎理論を
1.漢方の診断法-漢方では病気をどのように考えているのか
1 陰陽虚実について
陰陽について
虚実について
2 気、血、水について
気-気虚、気滞
血-瘀血、血虚
水-水毒
3 四診について
望診-望診一般
望診-舌診
聞診
問診
切診-脈診
切診-腹診
2.漢方の服薬について
エキス剤の飲み方
煎じ薬について
3.漢方の暝眩と副作用について
4.妊婦に対する使用上の注意
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書籍情報
- ISBN:9784931400580
- ページ数:172頁
- 書籍発行日:2010年5月
- 電子版発売日:2018年3月16日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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