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序文
序
神経疾患には,神経自体の炎症や変性によるものから,血管の出血や梗塞によって神経症状が出現する多くの病態が含まれる.近年の脳科学ならびに分子生物学の進歩は目覚ましく,原因遺伝子の特定や新薬の開発によって治療が可能になった疾患も少なくない.アルツハイマー病や進行性核上性麻痺などをタウオパチーとして,パーキンソン病やレビー小体型認知症はシヌクレイノパチーとして,蛋白の異常蓄積から疾患概念が整理されつつある.また,脳卒中に対する経頭蓋磁気刺激の効果やcritical time windowの概念に基づいた脳の可塑性を最大限に引き出すための運動療法などが模索されている.併せて,無症候期の予防的治療についても創薬と関連した研究が積極的に進められている.
他方,神経疾患では依然として慢性・進行性の経過や再燃と増悪を繰り返す病態も少なくなく,脳梗塞では軽症化の一方で高い再発率が課題となっている.このような中で,神経疾患に対して,病態とエビデンスに基づく治療と理学療法・リハビリテーションを融合し,対象者に総体的・相乗的な治療・介入を行うことが求められている.
本書では,神経内科,脳神経外科,リハビリテーション科,小児神経,神経放射線,神経耳科で扱われる疾患・病態を取り上げ,医師と理学療法士の立場から,病態,臨床症候,評価・診断,治療・介入について執筆いただいた.その結果,最新の疾患・病態の概念と診断を踏まえ,観血的療法や薬物療法の実際を含めた治療に加えて,動作学的な視点からみた症状と機能不全の捉えかたを整理し,“神経疾患を有する人”に対する症候障害学的な解釈と統合を図ることを実現できた.それぞれの専門書での記述方法とは異なる依頼に対し,真摯に対応いただいた先生方には厚く御礼申し上げたい.
また,本書の最大の特徴として,処方をする主治医の立場から“理学療法処方の目的と期待”について,理学療法士の立場から“主治医との連携”について共通項を設けた.そこには,薬物療法と装具・運動療法との融合,心理的な支援,病態の理解に加えてエビデンスを踏まえた個別性への対応など,臨床実践の思いが凝縮された率直な記載をいただいた.主治医からみれば,薬剤とは異なり処方を実行する理学療法士の技量や価値観に影響を受ける感は否めない.編集者らはかつて10年以上を同じ職場で過ごし,相乗的な治療を実践してきた経験から本書を企画し,最新の疾患・病態の概念とともにチーム医療の一端を具現化できたことは喜ばしい思いである.
本書は,神経疾患の病態を十分に理解したうえで科学的かつ個別性に考慮した治療・介入を行うために,医師と理学療法士を主たる読者対象に想定しているが,神経疾患のリハビリテーションや看護ならびに介護にかかわる多くの専門職とそれを目指す学生にとっても有益な内容であると確信している.
平成28年5月
編集者 内山 靖,廣瀬 隆一
目次
第I章 総 論
1. 神経疾患の診断,治療の変遷
1.脳血管障害
2.神経放射線診断の進歩
3.神経変性疾患の診断
4.免疫性神経疾患の解明
2. 神経理学療法の変遷
1.わが国における理学療法対象疾患の動向
2.神経理学療法としての変遷
1 米国理学療法協会における3つの会議
2 課題志向型アプローチと運動学習理論
3 脳の可塑性と運動療法のエビデンス
3. 症候障害学に基づく神経疾患の理解
1.神経疾患の治療に求められること
2.理学療法の臨床思考過程と症候障害学
1 症候障害学の枠組み
2 動作のみかた
3 動作の観察・分析と解釈の流れ
3.治療の総体・相乗効果を目指して
第II章 神経疾患の治療と理学療法
1. 脳血管障害〈総論〉
A 疫学と病態生理,臨床症候
1.疫学
1 脳卒中死亡率
2 脳卒中受療率
2.脳血管障害の分類
1 病型分類
2 急性期脳卒中の臨床病型の分布・重症度について
3.臨床徴候─血管支配領域と臨床徴候─
1 前大脳動脈領域の梗塞
2 中大脳動脈(内頸動脈)領域の梗塞
3 後大脳動脈領域の梗塞
4 脳底動脈閉塞症
4.脳血管障害における病態生理(脳循環代謝)
B 高次脳機能障害の臨床症候
Ⅰ 失語
1.概念
2.診断
3.臨床症状と診断分類
1 失語症の症状
2 失語症のタイプ分類
3 失語症古典的分類と病巣部位
4.治療
II 失行
1 肢節運動失行
2 観念運動性失行
3 観念性失行
4 構成失行
5 着衣失行
III 失認
1 半側空間無視
2 病態失認
3 視覚失認
4 その他の失認
IV その他の高次脳機能障害
1 ゲルストマン症候群
2 バリント症候群
Ⅴ 理学療法時の注意事項
C 理学療法
①脳血管障害の評価と治療
1.病態の理解
2.理学療法評価
1 目的
2 スクリーニング
3 各項目の実際
3.症候障害学的な解釈
1 統合と解釈の全般的な流れ
2 基本的動作能力を基軸とした症候障害学的な統合と解釈の具体的な展開
4.治療
1 基本的な考え
2 流れ
3 運動療法の実際
4 認知・情緒
5 活動・参加
6 再発予防
5.主治医との連携
1 処方内容の理解と徹底
2 理学療法における処方の特異性
3 安全管理
4 治療の総体・相乗効果
②理学療法からみた脳障害の捉えかた
1.病態の理解
1 運動障害
2 体性感覚障害
3 視覚障害
4 失語症
5 高次脳機能障害
6 情動障害
7 疼痛
2.症候障害学的な解釈
1 小脳ネットワーク
2 基底核ネットワーク
3 その他の大脳の神経回路
4 脳幹と運動
5 歩行障害の理解
3.主治医との連携
1. 脳血管障害〈各論〉/急性期
A 病態と治療
①虚血性脳血管障害
1.疾患概念,病態生理,分類
1 一過性脳虚血性発作(TIA)
2 ラクナ梗塞
3 アテローム血栓性脳梗塞
4 心原性脳塞栓症
2.臨床症候
1 一過性脳虚血性発作(TIA)
2 ラクナ梗塞
3 アテローム血栓性脳梗塞
4 心原性脳塞栓症
3.診断
4.治療
1 プライマリケア
2 脳梗塞急性期治療
3 疾患ごとの治療
4 脳梗塞超急性期の呼吸・循環・代謝管理
5 脳梗塞急性期の合併症
5.理学療法処方の目的と期待
②虚血性脳血管障害(急性期血行再建術)
1.急性期血行再建術発展の経緯
1 rt-PA静注療法承認前後まで
2 急性期血行再建術の再評価
3 ステントリーバーの登場4ADAPT
2.急性期血行再建術の現状
1 急性期血行再建術の適応について
2 急性期血行再建術の実際
3.症例
4.これからの急性期血行再建術と脳卒中治療
③出血性血管障害
1.疾患概念,分類
1 高血圧性脳出血
2 くも膜下出血
3 高血圧以外の原因による脳出血
2.臨床症候
3.診断
4.治療
1ICHの急性期治療
2SAHの治療
5.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
1 急性期脳卒中における理学療法
2.理学療法評価
1 事前情報の確認
2 ベッド上での理学療法評価
3.症候障害学的な解釈
1 急性期脳卒中患者にみられる現象
2 急性期脳卒中の姿勢と動作―構えからの解釈―
3 急性期脳卒中の姿勢と動作―体位からの運動力学的解釈―
4 環境への適応やADL
4.治療
1 背臥位での練習
2 寝返り練習
3 座位・起立着座練習
4 立位練習
5.主治医との連携
1 脳卒中急性期のリハビリテーション処方箋
2 治療決定過程での意見調整
C 理学療法(自宅への退院)
1.病態の理解
1 画像所見
2 注意すべき病態
2.理学療法評価
1 初期評価時
2 中間評価
3 退院時評価・退院後評価
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 上肢機能
2 下肢機能
3 退院時指導
5.主治医との連携
1. 脳血管障害〈各論〉/回復期
A 病態と治療
1.概念
2.病態生理とリハビリテーション
3.臨床症候および診断と治療
1 疼痛
2 痙縮
3 嚥下障害
4 排尿障害
5 せん妄状態,抑うつ状態
6 症候性てんかん
4.理学療法処方の目的と期待
1 目標をチームで共有すること
2 早期より積極的なリハビリテーションを展開すること
3 エビデンスを意識し,治療前後での評価を定期的に行うこと
4 脳卒中の病巣部位について,画像で確認をしておくこと
5 リスク管理を理解し実践すること
B 理学療法
①回復期リハ病棟
1.病態の理解
1 理学療法士に求められること
2 リハビリテーションを阻害する因子
2.理学療法評価
1 脳卒中リハビリテーションにおける理学療法評価の目的
2 脳卒中治療ガイドラインによる評価スケール項目
3 理学療法診療ガイドラインによる評価スケール項目
4 動作分析
3.症候障害学的な解釈
1 脳卒中患者の予後予測
2 ADL評価を用いた予後予測
4.治療
1 病棟生活における介入
2 退院前訪問
3 患者・家族教育(指導)
5.主治医との連携
②復職・復学
1.病態の理解
1 復職・復学における病態の問題点
2 復職・復学に重要な動作
2.理学療法評価
1 移動
2 排泄
3.症候障害学的な解釈
1 歩行での問題の解釈
2 解釈
4.治療
1 各動作でのポイント
2 症例に実施した歩行速度を上げる理学療法の実際
3 指導
5.主治医との連携
1 処方箋に明記いただきたい内容
2 支援
1. 脳血管障害〈各論〉/慢性期・維持期
A 病態と治療
1.慢性期脳血管障害患者のリハビリテーション
2.基礎疾患の管理
1 高血圧症
2 糖尿病
3 脂質異常症
4 飲酒・喫煙
5 肥満,メタボリックシンドローム
3.治療
1 脳梗塞再発予防のための抗血小板療法
2 心原性脳塞栓症に対する抗凝固療法
3 その他
4.リハビリテーションの目的と期待
B 病態と治療/血行再建術(CEA,CAS)
1.CEA
1 症候性CSに対するCEAのエビデンス
2 無症候性CSに対するCEAのエビデンス
2.CAS
3.CSに対するテーラーメイド治療
4.バイパス手術
C 理学療法
1.病態の理解
2.理学療法評価
3.症候障害学的な解釈
4.治療
5.主治医との連携
2. パーキンソン病
A 病態と治療
1.疾患概念
2.臨床症候
1 PDの運動症候
2 非運動症候
3.診断
1 臨床診断に有用な検査
2 鑑別すべき疾患
4.治療
1PDの薬物療法
5.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
2.理学療法評価
1 評価条件
2 患者背景と重症度,臨床症状の評価
3.症候障害学的な解釈
1 バランス障害
2 歩行障害
3 姿勢異常
4.治療
1 理学療法の病期分類と目標
2 リスク管理
3 重症度による理学療法
5.主治医との連携
3. 脊髄小脳変性症
A 病態と治療
1.脊髄小脳変性症における疾患概念
2.遺伝性脊髄小脳変性症の概念および分類
1優性遺伝性SCD(ADSCD)
2劣性遺伝性SCD(ARSCD)
3.孤発性脊髄小脳変性症
4.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
1 脊髄小脳変性症の障害構造
2 小脳性運動失調が動作に及ぼす影響
3 協調性運動障害と運動の自由度
4 運動失調によるバランス障害の特徴
2.理学療法評価
1 健康状態に関する情報
2 機能障害の評価
3 活動制限の評価
4 参加制約の評価
3.症候障害学的な解釈
1 バランス障害と機能障害および動作障害との関連性
2 SCD患者の機能障害と動作障害との関連性
4.治療
1 運動失調またはバランス障害に対する基本的な運動療法
2 運動失調に対するその他の理学療法介入
3 歩行障害の進行に応じた理学療法
5.主治医との連携
1 患者の病態,治療方針,治療内容に関わる情報交換
2 理学療法実施中の主治医との連携
4. 脱髄性疾患
A 病態と治療
1.疾患概念,病態生理,分類
1 疾患概念
2 病態生理
3 疫学
4 遺伝要因・環境要因
5 分類
6 代表的な類縁疾患:視神経脊髄炎
2.臨床症候
1 NMOの特徴的症状
3.診断
1 MSの診断
2 MRI
3 髄液検査
4 NMOの診断
4.治療
1 急性期治療
2 慢性期予防治療
3 NMOの治療
4 対症療法
5.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
2.理学療法評価
1 機能(機能障害)の評価
2 疾患特有の症状の評価(カルテからの情報収集)
3 姿勢・動作の評価
3.症候障害学的な解釈
1 立位姿勢
2 床上動作
3 歩行
4.治療
1 総合障害評価尺度(EDSS)でのグレード別にみた治療指針を決定する
2 具体的なアプローチ戦略
5.主治医との連携
5. 運動ニューロン病
A 病態と治療
1.疾患概念,病態生理,分類
1 筋萎縮性側索硬化症
2 脊髄性筋萎縮症
3 球脊髄性筋萎縮症
4 原発性側索硬化症
2.臨床症候
1 筋萎縮性側索硬化症
2 脊髄性筋萎縮症
3 球脊髄性筋萎縮症
4 原発性側索硬化症
3.診断
4.治療
1 痙性,有痛性筋痙攣
2 流涎
3 不眠
4 強制笑い,強制泣き,制御できない欠伸
5 構音障害・コミュニケーション障害
6 嚥下障害・栄養管理
7 呼吸管理
8 緩和ケア
5.理学療法処方の目的と期待
1 理学療法士に理解しておいてほしい内容
2 報告・相談すべき事項(症状の変化,経過など)
B 理学療法
1.病態の理解
1 重症度分類
2 神経所見と症候
2.理学療法評価
1 動作からの観察・評価
2 検査・測定の実施
3.症候障害学的な解釈
1 ALSにおける症候障害学的な筋力と歩行のみかた
4.治療
1 介入と指導の目的
2 筋力増強運動について
5.主治医との連携
1 処方箋に明記してほしい内容
2 病状の進行を見据えた意見調整
6. 末梢神経障害
A 病態と治療
1.疾患概念,病態生理,分類
1 末梢神経の構造と障害
2 末梢神経障害の分類
2.臨床症候
1 運動神経障害
2 感覚神経障害
3 自律神経障害
3.診断
4.治療
1 原疾患に対する治療
2 運動障害への治療
3 感覚障害への治療
4 自律神経障害への治療
5.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
1 電気生理学的所見(筋電図検査)にみる末梢神経障害と筋力
2 呼吸不全の病態
3 疲労と過用性筋力低下
4 自律神経障害
5 痛み
2.理学療法評価
1 関節可動域
2 筋力
3 感覚検査
4 協調性の評価
5 呼吸機能
6 動作分析
7 ADL評価
8 QOL評価
9 疲労の評価
3.症候障害学的な解釈
1 症候分析
2 障害分析
4.治療
1 呼吸理学療法
2 関節可動域練習,拘縮予防
3 運動負荷(筋力増強練習,全身持久力トレーニングなど)
4 痛みへの対応
5 GBSに残存する疲労への対応
5.主治医との連携
1 処方に明記していただきたい内容
2 治療決定過程での情報提供,意見調整が必要な内容
7. 筋疾患
A 病態と治療
1.疾患概念,病態生理,分類
1 筋の機能,分類
2 筋疾患の概念
3 筋疾患の分類,病態生理
2.筋疾患の診断(総論)
1 症状
2 血液検査
3 生理検査
4 画像検査,筋生検
3.筋疾患各論
1 遺伝性筋疾患
2 後天性疾患
4.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
1.病態の理解
2.理学療法評価
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 歩行可能期〜機能障害度ステージI〜IV
2 車いすが必要になる時期〜機能障害度ステージV〜VII
3 呼吸管理の適応になる時期〜機能障害度ステージVIII
5.主治医との連携
8. 神経外傷
A 病態と治療
Ⅰ頭部外傷
1.疾患概念,病態生理,分類
1 頭部外傷の疫学
2 病態生理
3 頭部外傷の分類
2.臨床症候
1 頭蓋骨損傷
2 局所損傷
3 びまん性脳損傷
3.診断
1 プライマリー・サーベイ
2 セカンダリー・サーベイ
4.頭部外傷の治療
1 初期治療
2 重症頭部外傷の管理
3 外傷性てんかん
4 低体温療法
5.理学療法処方の目的と期待
II脊椎・脊髄外傷
1.疾患概念,病態生理,分類
1 疫学
2 脊髄損傷を引き起こす外傷の種類
3 分類
2.臨床症候
1 高位診断
2 完全脊髄損傷
3 不完全脊髄損傷
3.診断
4.脊椎・脊髄損傷の治療
5.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
1.病態の理解
1 発生機序
2 病理的診断
3 病態生理の捉え方
4 病期の捉え方
2.理学療法評価
1 重症度の判断指標
2 運動障害の把握
3 感覚障害の把握
4 廃用症候群の把握
5 姿勢アライメントとバランスの評価
6 ADLと移動能力の評価
7 高次脳機能障害の把握
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 意識障害期の理学療法
2 混乱期の理学療法
3 覚醒期の理学療法
5.主治医との連携
9. 脳腫瘍
A 病態と治療
1.疾患概念,病態生理,分類
1 疾患概念
2 分類
3 病態生理:悪性腫瘍と良性腫瘍
4 上位10種類の腫瘍
5 上位10種類の脳腫瘍詳細
2.臨床症候
1 頭蓋内圧亢進症状
2 脳腫瘍の局在と巣症状(局所症状)
3 てんかん発作
3.診断
4.治療
5.理学療法処方の目的と期待
1 主治医としての目的や目標
2 理学療法士に理解してほしい内容や主治医への報告・相談すべき事項
B 理学療法
1.病態の理解
1 脳腫瘍の症状の特徴
2 治療
3 悪液質(カヘキシア)
4 二次性サルコペニア
5 栄養状態
2.理学療法評価
1 脳腫瘍の機能障害
3.症候障害学的な解釈
1 理学療法の実施時期別の目的
2 理学療法施行時の注意点
4.治療
1 介入時期別の理学療法の特徴
2 装具や福祉用具・自助具の検討
3 高次脳機能障害に対する理学療法
4 感覚障害に対する理学療法
5 チームアプローチ
6 身体面と精神面への注意点
7 栄養管理
8 病状進行に伴うリスク管理
9 治療上のリスク管理(有害事象)
10 特殊なリスク管理(化学療法の職業性曝露)
5.主治医との連携
10. 認知症
A 病態と治療
1.認知症とは,認知症の定義
2.認知症の診断基準
3.軽度認知障害
4.認知症の行動と心理症状
5.認知症をきたす疾患
1 アルツハイマー型認知症
2 非アルツハイマー型認知障害性疾患
3 その他:治療可能な認知機能障害性疾患:特発性正常圧水頭症
6.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
①総論
1.病態の理解
1 内省能力 (メタ認知)の障害
2 知的作業能力の障害
3 病感の保持
4 理学療法士が対応すべき病態
2.理学療法評価
1 基本情報 (生物学的情報)
2 生活歴・個人因子
3 現在の生活障害
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 基本原則
2 身体障害をもち認知症を合併する患者の身体機能の治療
3 認知症自体に対する治療
4 対象者本人と介護者双方のQOL向上
5.主治医との連携
1 治療可能な認知症を見逃さない
2 薬物療法と非薬物療法の併用
3 チームアプローチの提供
②各論
1.病態の理解
2.理学療法評価
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 認知症に対する理学療法
2 認知症に対するケア
5.主治医との連携
1 認知症の診断
2 薬物療法
3 治療対象
11. 小児神経疾患
A 病態と治療
Ⅰ 脳性麻痺
1.疾患概念,病態生理,分類
2.臨床症候
3.診断
4.治療
5.理学療法処方の目的と期待
II てんかん
1.疾患概念,病態生理,分類および診断
2.臨床症候および治療
1 大田原症候群
2 West症候群
3 熱性痙攣
3.理学療法処方の目的と期待
III 発達障害
1.疾患概念,病態生理,分類および診断
2.臨床症候および治療
1 自閉症スペクトラム障害
2 注意欠如・多動性障害
3 限定的学習障害
4 発達性協調運動障害
3.理学療法処方の目的と期待
IV 先天異常
1.疾患概念,病態生理,分類,臨床症候,診断および治療
1 トリプレットリピート病
2 ミトコンドリア病
3 ゲノムインプリンティング
4 染色体異常
2.理学療法処方の目的と期待
V 神経系の先天奇形
1.疾患概念,病態生理,分類,臨床症候および治療
1 脊髄髄膜瘤
2 全前脳胞症
3 脳梁欠損
2.理学療法処方の目的と期待
VI 遺伝性ニューロパチー
1.疾患概念,病態生理,分類,臨床症候,診断および治療
2.理学療法処方の目的と期待
VII 先天代謝異常
1.疾患概念,病態生理,分類,臨床症候,診断および治療
2.理学療法処方の目的と期待
B 理学療法
①新生児
1.病態の理解
1 胎児の発達
2 脳性麻痺の理学療法に必要な病態理解
3 神経疾患をもつ新生児の母子関係について
2.理学療法評価
1 新生児の神経学的評価法
3.症候障害学的な解釈
4.治療
5.主治医との連携
②小児
1.病態の理解
1 運動障害
2 感覚・知覚障害
3 知的能力障害と認知障害
4 発達障害
5 合併症と一次的・二次的障害
6 重症度
7 発達の遅れと理学療法の目標
2.理学療法評価
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 全般的な治療の方向性
2 ハンドリングとポジショニング
3 ライフスパンからみた治療の推移
5.主治医との連携
12. 前庭疾患
A 病態と治療
1.めまい治療におけるリハビリ
2.末梢前庭性めまいの病態と眼振検査の見方
1 良性発作性頭位めまい症
2 メニエール病
3 前庭神経炎
4 めまいを伴う突発性難聴
5 ラムゼイハント症候群に伴うめまい
3.めまいリハビリ
1 内容と実践
2 効果,根拠
3 施行
4 理学療法士への期待
B 理学療法
1.病態の理解
2.理学療法評価
1 問診
2 眼振の評価
3 前庭動眼反射の評価
4 姿勢安定性の評価
5 質問紙法
6 その他
3.症候障害学的な解釈
4.治療
1 半規管の障害
2 前庭機能障害
5.主治医との連携
第III章 病態・障害の理解
1. 脳画像検査
1 頭部横断像での一番上のスライス
2 外側溝の観察
3 大脳を内側面から観察
4 大脳を外側から観察
5 大脳基底核レベル:横断像
6 脳幹
7 頭蓋内の血管,血管支配
8 脊髄
9 代表的疾患
2. 神経疾患の理解に必要な検査
1.髄液検査
1 目的
2 方法・手技
3 検査項目
2.神経生理学的検査
1 脳波検査
2 誘発電位
3 筋電図検査
4 神経伝導検査
5 瞬目反射
3.血液検査
1 血液・凝固系検査
2 生化学検査
3 免疫学的検査
4 免疫性神経疾患にみられる免疫異常・自己抗体
3. 脳の可塑性
1.脳の可塑性と神経ネットワークの再構築
1 脳の可塑性とは
2 脳卒中の機能回復と神経可塑性
2.基礎研究からみた脳卒中に対する運動療法の効果
1 歩行およびランニング運動
2 アクロバット運動課題
3 リーチ運動および麻痺肢の強制使用
4 豊かな環境
3.脳の可塑性を基盤とした臨床の実際
1 TMSと半球間抑制
2 課題志向型アプローチと脳の可塑性
4. 神経疾患に必要な動作・運動解析
1.中枢神経疾患の動作評価─Timed task の重要性─
2.疾患別の重症度と運動指標
1 疾患別の重症度指標
2 重症度と関連する運動指標─疾患個別の問題点─
3.脳卒中後片麻痺患者における運動の非対称性
1 臨床的な運動学的指標
2 非対称性の意義
4.パーキンソン病患者における運動緩慢
1 臨床的な運動学的指標
2 運動範囲の狭小化の意義
5.小脳失調患者における運動の不安定性
1 臨床的な運動学的指標
2 歩行変動性の意義
6.中枢神経疾患の運動障害からみた疾患特性と今後の展望
索 引
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書籍情報
- ISBN:9784830645365
- ページ数:482頁
- 書籍発行日:2016年5月
- 電子版発売日:2020年8月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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