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- 栄養科学イラストレイテッド 臨床栄養学 基礎編 第3版
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内容
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序文
第3版の序
臨床栄養学は,傷病者・要介護者の栄養指導をその業とする管理栄養士の育成に重要な学問である.臨床栄養学を学ぶには,「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」の専門基礎科目群を履修し,さらに,臨床医学を履修し,疾病の原因,病態生理,症状,診断,治療法を学び,理解している必要がある.つまり,臨床栄養学は人体の構造と機能及び疾病の成り立ちを理解し,疾病に対して栄養学的にどのように対応するのかを明らかにする学問である.したがって,臨床栄養学の実践となる栄養食事療法,あるいは栄養食事療法への栄養指導には,食品学,栄養学,調理学,給食経営管理論の知識を疾病への治療と関連づけて理解することが望まれる.
『栄養科学イラストレイテッド 臨床栄養学』は,厚生労働省による「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)」をもとに,「基礎編」と「疾患別編」の2編により臨床栄養学の内容を網羅した.『第3 版』では,2019 年改定のガイドラインに沿った章立てへと全面的に変更を加えた.
本書(基礎編)では,管理栄養士の臨床現場での活動の流れに沿って項目を構成した.これにより,臨床のイメージトレーニングが叶い,学習への意欲が高まることを期待したい.また,臨地校外実習の事前学習として活用し,実践学としての臨床栄養学への理解を容易にする.
また,姉妹版の疾患別編では,疾患ごとの栄養管理に沿って項目を構成した.「臨床医学の復習」では,疾患の原因,症状,診断,治療,治療の指標を要約し,解説した.次に臨床栄養学の根幹となる「栄養食事療法」では,栄養評価,栄養基準,栄養補給を各疾患に関連した医学会による最新のガイドラインに整合して解説した.
そして,栄養科学イラストレイテッドシリーズの他科目と同様に,各章の冒頭には「Point」を呈示し,何を学ぶべきかの目標を明確にした.また,章末には「チェック問題」により学びを振り返る構成を配し,学習法を意図して本書に織り込んだ.改訂にあたり栄養管理に関連する診療報酬・介護報酬の改定への対応や,経腸栄養剤の一覧表の追加などを行い,臨床においても役立てることを狙った.さまざまな疾患を同一の項目で解説するための執筆には苦慮し,かつ,工夫が図られた.幸いにも,本書の執筆は,臨床栄養を現場で実践し,専門性を高めて活躍している管理栄養士の諸先生,あるいは管理栄養士養成校にて「臨床栄養学」の教育・研究にかかわり,当該疾患を専門の研究領域とする諸先生である.
本書で解説した内容を理解し,臨床栄養学に興味をもち,医学ならびに栄養学の日進月歩に感動し,臨床栄養学の知識や理論を実践されることを願っている.
2022年10月
本田佳子
曽根博仁
目次
第1章 臨床栄養学の基礎【本田佳子】
1 意義と目的
A.内部環境の恒常性と栄養支援
B.自然治癒の促進
C.傷病者や要支援・要介護者への栄養ケア
D.症状の悪化・再発の防止
E.症状の改善
F.摂食支援
G.社会的不利とノーマライゼーション
H.QOL(生活の質,人生の質)の向上
I.ターミナルケア(終末期医療)
2 疾患と栄養
A.疾患の成因としての栄養
B.生活習慣病
C.疾患の結果(病態)としての栄養障害
Advanced リスボン宣言に示された患者の権利
第2章 チーム医療,在宅医療【鞍田三貴(1〜2),清水扶美(3・4D・ 5D),井尻吉信・山東勤弥(4A〜C・5A〜C)】
1 チーム医療,栄養サポートチーム(NST)
A.さまざまなチーム医療
B.わが国の栄養サポートチーム(NST)
C.NSTにおける管理栄養士の役割
2 クリニカルパスと栄養ケア
A.クリニカルパスの意義と歴史
B.クリニカルパスの役割
3 医療保険制度
A.医療保険制度における入院時食事療養制度・栄養食事指導料
4 医療における倫理
A.生命倫理,医の倫理,守秘義務
B.患者・障害者の権利・心理
C.インフォームド・コンセント
D.リスクマネジメント
5 福祉・介護と在宅医療
A.国際疾病分類(ICD),国際障害分類(ICIDH),国際生活機能分類(ICF)
B.ノーマリゼーション
C.在宅医療,訪問看護
D.介護保険制度における基本食事サービス
Advanced 『かかりつけ医』と『病院』の連携
第3章 栄養ケアマネジメント【水元 芳・安武健一郎】
1 栄養ケアマネジメントの概要
A.栄養ケアマネジメントの必要性
B.栄養ケアマネジメントの定義
C.栄養管理プロセスの概要
2 栄養ケアマネジメントの過程
A.傷病者の栄養ケアマネジメントと栄養管理プロセス
B.要支援者・要介護者の栄養ケアマネジメントと栄養管理プロセス
Advanced 世界規模での低栄養の診断基準GLIM 基準
第4章 栄養アセスメント【竹内真理】
1 栄養アセスメントの意義と目的
A.傷病者の栄養アセスメント
B.要支援者・要介護者の栄養アセスメント
2 栄養スクリーニング
A.栄養スクリーニングの意義
B.栄養スクリーニングの方法
3 フィジカルアセスメント
A.主観的評価
B.包括的評価
C.臨床診査(自他覚症状の観察)
D.病歴聴取〔主訴・現病歴(現症)・既往歴・家族歴・生活歴〕
4 臨床検査
A.栄養状態の評価指標
B.病態の評価指標
5 身体計測
A.計測項目
B.エネルギーの貯蔵状態のアセスメント
C.体たんぱく質の貯蔵状態のアセスメント
6 食生活状況の把握
A.調査方法
B.評価方法
C.外来患者への調査
D.入院患者への調査
E.その他の評価方法
7 栄養アセスメント
A.エネルギーのアセスメント
B.たんぱく質のアセスメント
C.脂質のアセスメント
D.炭水化物のアセスメント
E.水分のアセスメント
F.ビタミンのアセスメント
G.無機質(ミネラル)のアセスメント
H.総合的な栄養のアセスメント(健康・栄養問題の決定)
Advanced 施設における栄養アセスメント
第5章 栄養ケア計画のプロセス【佐藤敏子・宮本佳代子】
1 栄養ケアの目標設定
2 栄養ケア計画
A.必要栄養量の設定
B.栄養補給法の選択
3 栄養ケアの実施内容
A.治療における栄養食事療法の意義
B.病院における栄養補給法の種類
C.保健機能食品と特別用途食品の活用
Advanced 加工食品の食塩相当量の表示
第6章 栄養・食事療法,栄養補給法の方法【金胎芳子(1〜2)・鎌田由香(3〜4)】
1 食事療法と栄養補給
A.栄養・食事療法と栄養補給法の歴史と特徴
B.食事療法と栄養療法の特徴
C.栄養補給法の選択
2 経口栄養補給法
A.目的
B.治療食と介護食
C.治療食の種類
D.治療食の疾患別分類と主成分別分類
E.一般治療食(常食,軟食,半固形食,流動食)
F.特別治療食
G.食品選択と献立作成
3 経腸栄養補給法
A.目的
B.適応疾患と禁忌
C.投与方法・経路
D.経腸栄養剤の種類と成分
E.投与方法
F.経腸栄養補給に必要な器具・機械
G.モニタリングと再評価
H.経腸栄養の合併症と対策
I.在宅経腸栄養管理
4 経静脈栄養補給法
A.目的
B.適応疾患
C.投与方法・経路
D.経静脈栄養剤の種類と成分
E.栄養補給量の算定方法
F.栄養補給に必要な器具・機械
G.モニタリングと再評価
H.経静脈栄養の合併症と対策
I.在宅静脈栄養管理
Advanced 疾患別の診療・治療ガイドライン
第7章 薬と栄養・食物の相互作用【中島 啓】
1 薬と栄養・食物の相互作用を学ぶ意義
2 栄養・食物が医薬品に及ぼす影響
A.薬物動態学的相互作用
B.薬理学(薬力学)的相互作用
3 医薬品が栄養・食事に及ぼす影響
A.味覚,食欲,栄養素の消化・吸収・代謝・排泄に及ぼす薬物の作用
B.水・電解質に及ぼす薬物の作用
Advanced NSAIDs の副作用が主作用!?
第8章 栄養ケアの記録【久保ちづる】
1 栄養ケアの記録
2 問題志向型システム(POS)の活用
A.問題(problem)
B.志向(oriented)
C.システム(system)
3 SOAPに基づく記録
A.S(subjective data,主観的情報)
B.O(objective data,客観的情報)
C.A(assessment,評価)〔D(diagnosis,診断)〕
D.P(plan,計画)
Advanced 管理栄養士として現場で何を求められているか
第9章 栄養教育の実施【土江節子】
1 栄養教育(栄養食事指導)
A.栄養教育(栄養食事指導)の意義と目的
B.栄養食事指導の方法
C.栄養食事指導の流れ
D.栄養食事指導の媒体
E.栄養食事指導の要点
F.栄養食事指導結果の記録と報告
G.医療チームによる指導(カンファレンスへの参加)
H.栄養食事指導システムのアセスメント
2 要支援者・要介護者への栄養食事指導
A.介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設における栄養食事指導
B.居宅者への栄養食事指導
3 行動科学理論とカウンセリングの応用
A.行動科学理論
B.認知行動療法
C.カウンセリングの応用
Advanced 栄養教育(栄養食事指導)の上達には
第10章 モニタリングと再評価,栄養ケアの修正【清水 亮】
1 臨床症状や栄養状態のモニタリング
A.モニタリング項目
B.期間
C.情報源
2 再評価と修正
A.食事・栄養摂取量
B.食事・栄養摂取量以外の項目
3 栄養投与量と栄養補給法の再評価・修正
A.再評価・修正の具体例
B.医師と連携した栄養ケアのポイント
4 栄養ケア・マネジメントの評価
Advanced 数値だけを見るのではなく,病態に臨む
付録1 臨床で役立つ医学用語一覧【監修/本田佳子・曽根博仁】
付録2 診療報酬・介護報酬の栄養関連の詳細一覧【清水扶美】
付録3 臨床検査の基準範囲一覧【竹内真理】
付録4 栄養診断および栄養介入のコードと用語一覧【竹内真理】
付録5 経腸栄養剤一覧【鎌田由香】
文献一覧
索引
Column
診療報酬の改定とは?
管理栄養士の仕事場って?
CONUT栄養評価法
居宅サービスにおける栄養改善サービス
地域連携栄養ケア体制の強化
体重の増減を考える
定期的なアセスメントによる必要栄養量の調整
間接熱量測定法による呼吸商(RQ=VCO2/VO2)のアセスメント
食事療法の先駆者 〜高木兼寛たかきかねひろ
治療食の変革
食事・経腸栄養・経静脈栄養の栄養投与量を
計算するための基礎
食品,栄養素の“副作用”
医師からの依頼と,管理栄養士による
栄養食事療法計画が異なる例
問題点とその原因をとらえよう
再指導はどのように行う?
糖尿病療養指導士
行動療法とカウンセリングの人間観
症例報告のススメ
ニュートンに学ぶ
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書籍情報
- ISBN:9784758113694
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2022年11月
- 電子版発売日:2022年12月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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