• m3.com 電子書籍
  • 実験医学別冊 新世代フローサイトメトリー活用スタンダード~生物学・医学・創薬研究で定量・多色解析を活かす! 基本原理の理解と実践プロトコール

実験医学別冊 新世代フローサイトメトリー活用スタンダード~生物学・医学・創薬研究で定量・多色解析を活かす! 基本原理の理解と実践プロトコール

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2021年12月
  • 電子版発売日 : 2021年12月15日
7,480
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 136pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

ハイパラメーター(多色)化した機器のポテンシャルを活かし,測りにくいものも測る,分けにくいものも分ける!論文やマニュアルに載らないユーザー目線の情報や,がん・免疫研究やシングルセル解析の実例を満載.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

はじめに


サイトメトリー(Cytometry)という用語は,ギリシャ語でKytos(= cyto)とMetria(= metry)に由来し,元来一つひとつの細胞を測定するという意味となる.しかしながらこれまでは,例えば複雑な異なる細胞の混ざりのなかから,一つひとつの細胞を区別して独立した単一細胞として定義するためには,ハードウェア・ソフトウェア・ツールのいかなる側面からも十分ではなかった.それゆえ,これまでのサイトメトリーを用いた多くの解析が,ある程度の共通した特徴を持つ細胞集団を定義するに留まっていた.しかしながら近年のハードウェア・ソフトウェア・実験試薬等の急速な進化により,フローサイトメトリーの間口が広がると同時に,レーザー・蛍光色素・データ処理に次々と新しい技術が導入され,ハイエンドではパラメーター数のデータを処理するために機械学習との融合が急速に進んでいる.このような絶え間ない技術革新により,本来のサイトメトリーの主旨に合致するような,単一細胞レベルでの解析基盤が次々と整備されており,膨大なフローサイトメトリーの応用範囲が,基礎科学だけでなく創薬や臨床の現場へと確実に広がっている.

このような目まぐるしい進化を遂げているフローサイトメトリーをとり巻く現状を正確に把握するため,本書では従来型の入門から始まり要素を積み上げていくような一般的な展開とは一線を画し,まずは2021年現在における最先端研究の現在地を紹介し,そこに至るまでの思考構築と実験的ノウハウを説明するところから第1章を始めることとした.その上で,これら技術の具体的な応用例を第2章以降で示していくことで,改めてフローサイトメトリーの可能性を追求できる内容となるよう編集を試みた.

本書はフローサイトメトリーの最前線の活用方法が,多くの研究者にとってスタンダードとなることを目指して企画されたが,企画・執筆・編集は100年に一度と言われるパンデミックの真っ只中で行われた.この人類共通の脅威に対し,これまでにない速さで新規のワクチンが開発され,その有効性と安全性を臨床試験で検証し,接種まで展開できた背景には,マルチカラー・フローサイトメトリーによるヒト免疫系の迅速かつ詳細な解析が大きく貢献していることは疑う余地はない.実際にアメリカでその陣頭指揮を取るNIHVaccine Research CenterのMario Roederer博士より推薦の言葉を寄せていただいたことは,望外の喜びであると共に私たち編者を叱咤激励するものであった.ぜひ本書を手に取る読者の皆様にも,最前線のフローサイトメトリー解析の可能性を感じていただきたい.

最後に本書の趣旨を共有し,貴重なアプリケーションを公開していただいた執筆者の皆様と,一つの本にまとめていただいた羊土社の関係者各位に深く感謝したい.


2021年11月

清田 純,山本拓也

目次

はじめに[清田 純,山本拓也]

推薦の言葉 ―フローサイトメトリー:過去,現在,そして未来[Mario Roederer]


第1章 フローサイトメトリーを知る

1 ハイパラメーターフローサイトメーターの特徴について ~フローサイトメーター装置の理解[田中 聡]

2 蛍光色素と蛍光補正[菅原ゆうこ]

3 抗体パネルのデザイン[嘉陽啓之,菅原ゆうこ]

4 目的に応じたパネル最適化 ~対象分子の生物学的特性の知識の必要性[髙濱正吉,東口公哉]

第2章 フローサイトメトリーを使う

Ⅰ 基礎科学研究・細胞内

1 Fucciを用いた細胞周期解析[阪上‒ 沢野朝子,太田和健之,俣賀宣子,宮脇敦史]

2 細胞内染色法を用いたサイトカイン産生の解析[金丸由美,渋谷和子]

3 培養細胞のリソソーム活性測定法 ~Lysosomal-METRIQ プローブを用いた蛍光比率によるリソソーム活性測定[石井俊輔,板倉英祐]

4 マスサイトメトリーを用いたヒストン修飾・細胞内シグナル伝達の解析[森嶋達也,清田章文,滝澤 仁]

Ⅱ 基礎科学研究・細胞外

1 造血幹細胞のクローンソートとMoFlo,Index sorting[石塚幹太郎,山崎祐治, Hans Jiro Becker,山﨑 聡]

2 ヒトがん細胞のソーティング[保仙直毅]

3 がん異種移植マウスモデルを用いた転移がん細胞の分離[下野洋平]

4 間葉系幹細胞のソーティング[吉川倫太郎,陶山隆史,松崎有未]

5 iPS 細胞からの血球細胞分化誘導とフローサイトメトリー解析[増田喬子,河本 宏]

6 末梢組織に局在するさまざまな免疫担当細胞の表現型および機能解析[飯島則文]

Ⅲ トランスレーショナル研究

1 マスサイトメトリーによる腫瘍浸潤リンパ球のマルチカラー解析[杉山大介,西川博嘉]

2 創薬における薬剤スクリーニングのためのフローサイトメーターを用いた細胞内シグナル分子解析[升田雄士,長束佑太,野木森拓人]

3 造血器腫瘍におけるマルチカラーフローサイトメトリー検査の有用性[米澤賢二]

4 MAIT細胞解析[千葉麻子,三宅幸子]

5 T 細胞のミトコンドリアとPD-1 染色[隅川(元)舞子,波多江龍亮,茶本健司]

6 脳内免疫細胞のフローサイトメトリー解析[伊藤美菜子,金子竜晟]

7 外科手術後がん組織検体を用いたがん微小環境の多重染色ハイパラメーター解析[村上弘大,秋田裕史]

8 非臨床試験における非ヒト霊長類検体を用いた免疫学的解析[野木森拓人]

第3章 フローサイトメトリーの未来

1 BD FACSymphony S6を用いた抗原特異的B 細胞ソーティング[森山彩野,高橋宜聖]

2 Cytek Auroraを用いた抗原特異的T細胞表現型解析[森田 元,岩本弥生,Edmond Chua,上野英樹]

3 ゴーストサイトメトリー[太田禎生]

4 スペクトル型セルアナライザー[黒山絢香,林 義治]

5 フローサイトメーターを用いたエクソソームの解析[吉田孟史,華山力成]

6 機械学習を用いたFCMデータ解析 ~次元圧縮手法の原理と事例[芳村美佳,林 哲太郎,二階堂 愛]


座談会

コアラボマネージャーに訊くFCMの落とし穴と成功のコツ[清田 純,石井有実子,與座法子]

索引

執筆者一覧

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:15.5MB以上(インストール時:38.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:62.2MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:15.5MB以上(インストール時:38.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:62.2MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758122542
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2021年12月
  • 電子版発売日:2021年12月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。