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- 脳卒中エキスパート 抗血栓療法を究める
商品情報
内容
脳卒中診療における特に重要なテーマについて、各領域の専門家がテーマ毎に1冊で理解できるように詳説するシリーズ第一弾。抗血栓療法に焦点を合わせ、コモンな病型から特殊な病態、高リスクな脳梗塞まで抗血栓療法の奥義をエキスパートが伝授する。力強い内容で、幅広くかつ深く掘り下げられた解説は、病態についての理解を深め、治療や予防にあたって最良の選択をする手助けとなる。
あわせて読む → 「脳卒中エキスパート」シリーズ
序文
序
脳卒中の治療法は,超急性期の血栓溶解療法から慢性期のリスク管理に至るまで多くの治療法が開発され,その有用性についてのエビデンスが日々報告されています.脳卒中専門医はじめ脳卒中の臨床に携わる医師は,病態についての深い理解とともにエビデンスに基づいた最良の治療を施すという難題に取り組まなければなりません.
こうした中でシリーズ「脳卒中エキスパート」が刊行されることとなり,本巻「抗血栓療法を究める」はその第1巻目にあたります.抗血栓療法は虚血性脳卒中の一次予防および再発予防において最も重要な治療法であり,この治療法をきわめることで様々なリスクを負っている患者さんが脳卒中に陥ってしまうことを力強く抑制することが可能となります.そこで,今後続々と発刊されるシリーズ集大成の中で先陣を切って発刊されるこの巻は,切れ味鋭く混沌とした臨床現場に切り込んでいくような力強い内容をイメージして編集にあたりました.
構成としては,まず第I章において脳梗塞のコモンな病型を取り上げ,病態に応じた抗血栓療法のあり方をクローズアップしました.続く第II章では治療法の各論として抗血栓療法の二輪である抗血小板療法と抗凝固療法の詳細を掘り下げました.さらに第III章では,特殊な病態や高い出血リスクを合併する脳梗塞における抗血栓療法を取り上げました.
こうしてエビデンスの豊富なコモンな病態から希少で治療に迷う疾患まで,幅広くかつ深く,執筆者の先生方から「奥義を究めた」抗血栓療法を伝授いただくこととなりました.本書は難題の多い脳梗塞予防の現場において,必ずお役に立てていただけるものと確信いたしております.
最後に,本書の企画を監修いただいた慶應義塾大学医学部神経内科名誉教授でいらっしゃる鈴木則宏先生に心より感謝申し上げます.
2018年10月吉日
大阪市立大学大学院医学研究科神経内科
伊藤 義彰
目次
I.脳梗塞の病態に応じて抗血栓療法を究める
1 アテローム血栓症の病態と抗血栓療法
1.抗血栓療法からみたアテローム血栓症の病態
2.アテローム血栓症の障害血管と抗血栓療法の選択
3.アテローム血栓症急性期の抗血栓療法
4.アテローム血栓症慢性期の抗血栓療法
2 心原性脳塞栓症の病態と抗血栓療法
1.心原性脳塞栓症の原因疾患
2.心房細動の病態と抗血栓薬の選択
3.心房細動を伴わない弁膜症と人工弁
4.その他の心疾患
3 小血管病:古典的ラクナ梗塞と分枝粥腫病(branch atheromatous disease)
1.ラクナ梗塞とは
2.ラクナ梗塞の臨床症状
3.ラクナ梗塞の定義と臨床診断
4.ラクナ梗塞の危険因子
5.ラクナ梗塞の発症機序
6.分枝粥腫病(BAD)とは
7.分枝粥腫病の定義と診断
8.分枝粥腫病の疫学
9.分枝粥腫病の臨床症状の特徴
10.分枝粥腫病の危険因子
11.分枝粥腫病の病態と画像診断
12.ラクナ梗塞および分枝粥腫病の急性期治療
13.ラクナ梗塞および分枝粥腫病の慢性期再発治療と転帰
4 脳動脈解離と抗血栓療法
1.脳動脈解離とは
2.脳動脈解離の症状
3.脳動脈解離の診断
4.脳動脈解離の治療
5.脳動脈解離に対する抗血栓療法
5 無症候性脳梗塞,無症候性頸部・頭蓋内脳動脈狭窄・閉塞
1.無症候性脳梗塞の診断および臨床的意義
2.無症候性脳梗塞に対する治療方針
3.無症候性頸動脈狭窄・閉塞の臨床的意義とその診断
4.無症候性頸動脈狭窄・閉塞に対する治療方針
5.無症候性頭蓋内動脈狭窄・閉塞の臨床的意義とその診断
6.無症候性頭蓋内動脈狭窄・閉塞に対する治療方針
III.抗血小板療法・抗凝固療法を究める
1 抗血小板薬の特徴と使い分け
1.抗血小板薬の作用機序
2.脳梗塞治療における抗血小板療法
2 DAPTの有効性と安全性
1.アスピリンの効果と限界
2.急性期の強化抗血栓療法
3.抗血小板薬併用療法
4.抗血小板薬併用療法と単剤療法の比較:メタ解析
5.急性期DAPTの積極的適応
3 ワルファリンおよびDOACの特徴と使い分け
1.経口抗凝固薬の適応
2.各種経口抗凝固薬の特徴
3.ワルファリンとDOACの使い分け
4.抗凝固療法の基本
4 抗凝固療法と抗血小板療法の併用
1.血栓止血学的にみた,抗凝固療法と抗血小板療法の併用
2.併用する場合の両治療法の投与設定は?
IV. 特殊な状況・疾患における抗血栓療法を究める
1 抗血栓療法中の出血性事象への対処法
1.抗血栓療法中脳内出血の治療と抗血栓薬再開のめど
2.観血的処置のための抗血栓薬の一時中断や中和,またその再開について
3.脳梗塞超急性期アルテプラーゼ・機械的血栓除去術のための抗凝固薬の中和について
2 脳微小出血,アミロイド血管症を合併した症例での抗血栓療法
1.脳微小出血とは?
2.脳微小出血と脳血管障害発症リスク
3.血栓溶解療法との関連
4.脳微小出血と抗血栓療法
3 透析患者における抗血栓療法
1.透析症例の一般予後
2.透析患者における抗血栓療法
4 Trousseau症候群に対する抗血栓療法
1.概念の変遷
2.Trousseau症候群の定義
3.検査所見
4.担がん患者における脳梗塞発症機序
5.脳梗塞を発症しやすい悪性腫瘍
6.担がん患者における凝固能亢進機序
7.凝固能亢進(DIC)に対する治療
8.脳梗塞再発予防のための治療
9.VTE再発予防のための治療
5 抗リン脂質抗体症候群,高ホモシステイン血症,先天性血栓性素因への抗血栓療法
1.抗リン脂質抗体症候群
2.高ホモシステイン血症
3.先天性血栓性素因
6 脳静脈・静脈洞閉塞症への抗血栓療法
1.脳静脈洞血栓症の病態
2.脳静脈洞血栓症の症候
3.脳静脈洞血栓症の臨床検査
4.脳静脈洞血栓症の画像診断
5.脳静脈洞血栓症の抗血栓療法
6.脳静脈洞血栓症の血管内治療,開頭血腫除去術
7 CADASIL,CARASIL,もやもや病への抗血栓療法
1.CADASIL,CARASILへの抗血栓療法
2.もやもや病への抗血栓療法
8 ESUS,奇異性脳塞栓症への抗血栓療法
1.ESUS
2.奇異性脳塞栓症
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書籍情報
- ISBN:9784498328228
- ページ数:244頁
- 書籍発行日:2019年1月
- 電子版発売日:2019年2月20日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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