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イラストレイテッド免疫学 原書3版
Thao Doan , Fabio Lievano , Michelle Swanson-Mungerson , Susan Viselli (著) / 矢田 純一 , 高橋 秀実 , 藤尾 圭志 (監訳) / 丸善出版
商品情報
内容
視覚的に理解できる豊富なイラスト、簡潔な文章、ポイントとなる臨床テーマの理解を深める「臨床応用」が特徴。
第I編で「免疫システム」の意義について概説。第II編で「自然免疫系」の実体を、第III編で「獲得/適応免疫系」の役割を具体的に示し、免疫系の2大柱である「自然免疫」と「獲得/適応免疫」の基本的な事項が学べる。第IV編で「免疫システム」の臨床との具体的な関与を症例を示しながら解説。それぞれの編を有機的につなげ、複雑な免疫システムをわかりやすく解説する。COVID-19についても記述。
各章末の「章の要約」とさらに充実した「学習問題」で章ごとに、巻末の「復習問題」で全体を通しての理解度を確認できる。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
原書3版 監訳のことば
私たちの体内には,「疫」すなわち体内に侵入した病原微生物によって引きおこされた「流行性伝染病」に一度罹ると,その病原体を記憶し同一あるいは類似の病原微生物の再度の侵入に対する抵抗性が形成される.このシステムを「疫」から「免れる」システム,すなわち「免疫」と呼び,これまで多くの研究者が,その実体の解明に取り組んできた.さらに,近年の多くの研究成果は,この「免疫」が外部から取り込んだ異物や侵入した病原微生物のみならず,体内に発生した腫瘍に対しても認識応答し,それらを制御できることを明らかにしてきた.また,一方において,これらの免疫反応が,ウイルスや細菌など体内に侵入した病原微生物を排除するために惹起され,発熱や痛みを引き起こし,侵入異物の増殖を抑制する機序も明らかとなってきた.換言すれば,従来医療が対象としてきた様々な症状は,異物を排除し生体の恒常性を維持するための「免疫システムの応答性」に起因することが明らかとなってきたのである.そのため,解熱鎮痛剤やステロイド剤,あるいは種々の抗体医薬など「免疫システムの応答性」を抑制する薬剤群が多用される時代を迎えたのが現代である.
このような状況下において,医学や医療に直結した「免疫システム」の概要やメカニズムを学習・理解することの重要性が指摘され,医師・歯科医師をはじめ薬剤師や看護師・臨床検査技師など実際の医療・医学に携わる人々のための「免疫学」のテキストが切望されていた.本書はまさにそのような人々を対象に書き上げられた医学に直結した「免疫学」の教科書であり,読者の視覚に訴えることで難解な免疫学への理解を助けるように編集された,定評あるLippincottシリーズ“ Lippincott® Illustrated Reviews”の1冊である.内容を一読すれば分かるように,本邦を代表する先生方のご尽力により,それぞれの専門分野を中心に原文に忠実かつ分かりやすく翻訳して頂くことができた.2009年1月に『リッピンコットシリーズ イラストレイテッド免疫学』の初版が発刊され,2013年10月にさらに発展を遂げた「免疫学」の内容を取り込んだ第2版を刊行し,多くの方にご活用いただいた.
それからさらに10年の歳月を経て次々と新事実が見つかる状況下で,様々な疾患や症候を理解するために「免疫学」が最も重要かつ必須の学問であることが明らかとなってきた事実に鑑み,最新の内容を取り込んだ「現代免疫学のテキスト」がこの第3版である.
本書の特徴は,人体の「免疫システム」に対する理解を助けるため,第2版にならい全体をIV編に分け,それぞれの編を有機的につなげ,最終的に「免疫システム」と具体的な病態との関連を,個々の疾病事例を挙げて示していることである.「免疫学」は「血清学」より発展したため,当初は血清中のタンパク質の構造や機能解明に研究の主体がおかれたが,近年は異物の侵入部位である皮膚・粘膜などの体表面の感染防御システムの解明に主眼がおかれるようになってきた.その結果,私たちに内在する「免疫システム」は,体表面局所から侵入してきた異物の情報を選別し体内の防御システムに伝達する「自然免疫(Innate Immunity)」と,侵入した異物に対する記憶と特異性を獲得し,全身に配置され異物の再度の侵入に備える「獲得/ 適応免疫(Acquired/AdaptiveImmunity)」から構成されていることが明らかとなってきた.
本書では,こうした新たな潮流に基づき,第I編では異物である非自己と自己とを識別する「免疫システム」の意義について概説し,第II編では侵入異物を認識するバリアを形成する「自然免疫系」の実体を示した.それに続く第III編では異物に対する情報を獲得・保持するための「獲得/適応免疫系」を,それらを担う細胞群,特に抗体産生を中心としたBリンパ球による(体)液性免疫と感染細胞制御を担うTリンパ球群による細胞性免疫の役割を具体的に示した.そしてそれに続く第Ⅳ編において,実際の医療の現場における具体的な「免疫システム」の関与を,アレルギー,免疫不全,自己免疫,移植,免疫治療,腫瘍免疫などに焦点を合わせ,具体的な症例提示などを含め概説した.以上の「免疫システム」は,タンパク質を認識し活性化するαβ型T細胞を主体としたものであるが,最終第Ⅳ編13章では,ウイルス感染ならびに腫瘍の制御に重要役割を演じることが期待される脂質群によって活性化されるγδ型T細胞について若干の説明を加えた.以上,「免疫学」が医学・医療の様々な領域を統括する学問として注目されている現在,本書は,医療関係者のみならず,多くの免疫学に関心をもつ人々にとって理想的な教科書となることを確信している.
最後に,この素晴らしい書物の刊行にご協力をいただいた第一線で活躍されている先生方,ならびにきめ細かくサポートをされた丸善出版の糠塚さやか氏にこの場をお借りして心より感謝を申し述べる次第である.
本書が医歯薬系学部の学生や大学院生のみならず,すでに医療現場で活躍をされている人々にとって,難解な「免疫学」を理解するための一助となれば望外の喜びである.
2023年2月
日本医科大学名誉教授 高橋 秀実
東京医科歯科大学名誉教授 矢田 純一
東京大学大学院教授 藤尾 圭志
目次
略号表
I:存在するということ:自己および自己/非自己を認識するという概念
1:自己認識の必要性
2:抗原とレセプター
II:自然免疫系
3:感染に対するバリア
4:自然免疫系を構成する細胞群
5:自然免疫の働き
III:獲得免疫系
6:獲得免疫に関与する分子
7:細胞と臓器
8:免疫多様性の形成:リンパ球抗原レセプター
9:リンパ球の分化
10:リンパ球の活性化
11:リンパ球の機能
12:獲得免疫応答の制御
IV:臨床面からみた免疫
13:健康の維持:自然免疫と獲得免疫による健康管理
14:過敏反応
15:免疫不全
16:自己免疫
17:移 植
18:免疫薬物治療
19:腫瘍免疫
20:免疫機能の測定
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書籍情報
- ISBN:9784621308011
- ページ数:382頁
- 書籍発行日:2023年3月
- 電子版発売日:2023年3月24日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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