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腎臓病診療がわかる現場の教科書 診るロジックと薬の使い方

  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2024年4月17日
5,500
(税込)
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商品情報

内容

●腎臓病の診断・検査・治療、薬の使い方が丸ごとわかる!
●CKD診療ガイドライン2023を踏まえた新しい内容!
●研修医、薬剤師、非専門医にやさしい解説!


日本で慢性腎臓病(CKD)患者は1,000万人以上、透析患者は34万人以上と、腎臓病で苦しむ患者は多数います。薬剤性腎障害や脱水で急性腎臓病(AKI)に陥るケースも少なくありません。そんな腎臓病のメカニズム、診断・治療、薬の使い方を丸ごと1冊にまとめたのが本書です。研修医などの初学者を意識して書かれた解説はわかりやすく、具体的です。この1冊があれば基礎体力は十分身につき、いろんな場面に役立つはず。研修医、薬剤師問わず、臨床現場で使える内容が詰まっています!

序文

編集のことば

慢性腎臓病(chronic kidney disease)の概念が提唱され早20年となり、腎臓を専門としない専門医の先生方や研修医の方々にも日常診療において腎機能に対する意識が広まってきた。2018年に「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」が日本腎臓学会から出版され、今年はその改訂版も上梓された。その間、各種の腎疾患に関する診療ガイドラインが改訂・出版され、広く腎臓病診療の標準化が進んできている。

一方で、わが国のCKD患者は約1,300万人程度と推定され、高齢化によりさらに増加していると考えられている。CKDが進行し、透析導入が必要となる患者も増加しており、2021年末の慢性透析患者数は35万人に迫る。医学的のみならず社会的にも、CKDの重症化予防と新規透析導入患者の減少に向けた取り組みはわが国の重要な政策課題となっている。その課題解決のためには、CKD診療の大部分を担っている非専門医の先生方の協力が重要であり、そのために本書は最新の教科書的な内容を含みつつ、ガイドラインよりも具体的かつ実務的にお役に立てるように企画したつもりである。また、これから腎臓病の患者さんを診療する研修医の先生たちにとってもベッドサイドですぐに使えるような内容を盛り込んでいる。

本書では、まず総論の第1章で腎臓病診療の全体を俯瞰しており、次いで第2章においてCKDの代表的疾患や症候について紹介している。ここでは腎代替療法についても述べている。そして後半の第3章や第4章では、CKD患者などへの薬物療法のポイントを、各種疾患に用いる薬剤ごとに具体的に解説し、それら薬物使用の注意点で終えている。

本書が腎臓病診療に関わる若手の医師および非専門医の先生方の知識の整理と実務にお役に立てれば幸いである。


2023年8月

日本医科大学腎臓内科
柏木 哲也
酒井 行直


監修のことば

医療関係者の努力にもかかわらず腎不全による死亡率は依然として高く,近年はむしろ増加しているように思われます〔死亡率(人口10万対):2000年13.7,2010年 18.8,2022年 25.2〕。その要因の一つとして,慢性腎臓病(CKD)の認知度や診断率の低いことが指摘されています。

CKDの進展は末期腎不全や透析の原因となるだけでなく,脳血管障害,心血管障害および認知症の危険因子にもなります。さらに,透析患者数の増加にも歯止めがかかっておらず,特に糖尿病性腎症が原因の透析患者が増えています。今後,高齢化が進展するとともに,これらの状況が悪化することが懸念され,早急に対策を講じることが求められています。

近年,生命科学の進歩に伴って腎疾患に対する新たな治療法が開発されるようになりました。現在,腎疾患の治療薬として数多くの薬物が臨床の場で用いられているため,処方の際に戸惑いを覚える医師も多いと思いますが,このような状況を鑑み,医師や薬剤師が腎疾患の現状を理解し,さらに薬物を適正に使用するために必要な知識を習得することを目的として本書を企画しました。本書の編集は日本医科大学腎臓内科臨床教授 柏木哲也先生,および日本医科大学腎臓内科准教授 酒井行直先生にお願いしました。

本書は4章からなり,第1章では腎疾患診療の基本的項目,第2章では代表的腎疾患の病態生理と診断,第3章では腎疾患の基本的治療薬の特徴と使い方,さらに第4章では薬物による腎障害を取り上げました。それぞれのカテゴリーにおいて専門の先生方に解説していただきました。

本書によって腎疾患治療薬の選択が適切に行われ,薬物が適正に使用されることを願っています。最後に,本書の企画・編集にご協力いただきましたじほう編集部の吉岡陽一様にお礼申し上げます。


2023年8月

自治医科大学 名誉教授
藤村 昭夫

目次

第1章 総論

1 腎臓病診療の鉄則・心得

2 これだけは押さえたい腎臓の構造と機能(腎生理)

3 これだけは押さえたい腎疾患の症候と検査

4 これだけは押さえたい腎炎のとらえ方

5 これだけは押さえたい透析治療

第2章 症候と疾患編

1 代表的な疾患

 A 急性糸球体腎炎

 B IgA腎症

 C ネフローゼ症候群

 D 急速進行性糸球体腎炎

 E 糖尿病性腎症

 F 腎硬化症

 G 多発性嚢胞腎

2 急性腎障害(AKI)

3 慢性腎臓病(CKD)

4 末期腎不全(透析導入)

5 電解質・酸塩基平衡異常

 A ナトリウム異常

 B カリウム異常

 C カルシウム異常

 D マグネシウム異常

 E 酸塩基平衡異常

6 COVID-19関連腎疾患

第3章 薬剤編

1 腎炎に対する治療薬

 A ステロイド

 B 免疫抑制薬

 C 抗血小板薬・抗凝固薬

2 保存期腎不全に対する治療薬

 A 降圧薬

 B 利尿薬

 C 糖尿病治療薬

 D 脂質異常症治療薬

 E 球形吸着炭

 F アシドーシス治療薬

3 末期腎不全・透析期に用いる治療薬

 A 高カリウム血症治療薬

 B 高リン血症治療薬

 C 腎性貧血治療薬

 D 活性型ビタミンD製剤

 E カルシウム感知受容体刺激薬

 F 透析中に用いる抗凝固薬

第4章 薬剤と腎臓編

1 薬剤性腎障害

2 注意すべき主な薬剤

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書籍情報

  • ISBN:9784840755276
  • ページ数:384頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2024年4月17日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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