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- 股関節学 第2版
商品情報
内容
2014年に出版された股関節学のバイブルが10年ぶりに改訂。根拠に基づく記述を基本とし、基礎的事項から臨床的事項まで、股関節に関するあらゆる知識を網羅している。今回の第2版では日本股関節学会が監修し、股関節分野に精通する国内屈指のスペシャリストが執筆した。 今回の改訂では、1版出版後のエビデンスを精査し、1000以上の新規文献を採用(文献総数 約4,400)、図表点数も大幅に増加(総数 約1,300点)、製品一覧を更新し200以上の製品写真を掲載している。 臨床面で大きく変化があった、特発性大腿骨頭壊死症と人工股関節の分野では、「特発性大腿骨頭壊死症診療ガイドライン2019」、「変形性股関節症診療ガイドライン2024 改訂第3 版」の内容を反映させた。また、「大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版)」,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015 年版)」,「関節リウマチ診療ガイドライン2024 改訂」など、各種ガイドラインの最新情報も取り入れている。 股関節分野の臨床・研究・教育に携わるすべての方々にとって座右の書である。
序文
第2版の巻頭言
股関節学(久保俊一編著)が2014年に上梓されてから10年の歳月が流れた.お陰様で1000ページを超える大著でありながら,好評を得て各所で活用いただいている.
股関節は,骨盤と下肢を連結し身体の支持を行いながら,歩行という基本的な動作はもちろん労働やスポーツにおける多彩な動きを可能にし,日常の活動(ADL)や生活の質(QOL)に深く関係している.人体において重要な役目を持つ股関節の専門書として発刊された本書(初版)では,根拠にもとづく記述を大切にし,基礎から臨床まで股関節に関連するあらゆる専門的な事項を詳しく解説している.
改訂にあたっては前版の内容を継承しつつ,その時代に即した記述を加えた.基礎科学,診断学,治療学,手術進入法,小児の股関節疾患,成人の股関節疾患,人工股関節・人工骨頭治療学,知悉便覧というⅠ編からⅧ編の枠組みは堅持した.そして,10年の股関節学の進歩に照らして,専門的な見地から各項目の再点検を行い必要に応じて記述内容を入れ替えた.Ⅷ編の「知悉便覧」では,日常診療や臨床研究で役立つ「分類・基準・指標・計測値」,「日本で使用可能な人工股関節の一覧」を最も新しいものにするとともに,「日本における股関節データベース研究」と「股関節におけるリハビリテーション医学・医療の活用」の項目を追加した.
大幅に内容が改訂されたのは,特発性大腿骨頭壊死症と人工股関節の分野であり,「特発性大腿骨頭壊死症診療ガイドライン2019」,「変形性股関節症診療ガイドライン2024改訂第3版」の内容を反映させた.また,「大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版)」,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015年版)」,「関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂」などの各種ガイドラインの最新情報も取り入れた.
人工股関節では,高度クロスリンクポリエチレンとセラミックの活用により長期予後が良好になっている.大きな骨頭径の選択による安定性の向上は,高い活動性につながり,スポーツや芸術活動の許容度も重要なテーマとなっている.これらに関しては,近年の長期成績を示し,スポーツ・芸術活動をどこまで推奨できるかについて記述を加えた.また,手術成績を向上させるテクノロジーに関しては,特にナビゲーションやロボットの進歩について解説内容を更新した.
「知悉便覧」に新設した「日本における股関節データベース研究」では,日本整形外科学会の「Japanese Orthopaedic Association National Registry(JOANR)」だけでなく,股関節学会が中心となっている「骨切り術や関節鏡手術などの関節温存術」,厚生労働省指定難病研究班が中心になっている「特発性大腿骨頭壊死症」,などのデータベースに関しても概説した.欧米に負けないデータベースからすぐれた疫学的研究成果が生まれていることを知っていただきたい.
初版の出版計画をたてた2012年頃は専門医教育が注目され,専門性の意義が追究された時であった.翻って,現在は急激な少子高齢化のもと,複数の疾患や障害・病態が併存する重複障害が大きな課題になっている.専門性に加え総合力が問われ,医療に加えて介護や福祉の知識が必要とされる時代に移行しつつある.医療・介護・福祉のインフラストラクチャとされる「リハビリテーション医学・医療」に関する項目を「知悉便覧」に加えたのはそのためである.最良のADLやQOLを目指すリハビリテーション医学・医療のエッセンスを是非学んで欲しい.
本書の改訂に当たっては,日本股関節学会の監修のもと,菅野と久保が総編集者となり,編集者の稲葉,神野,杉山,中島とともに編集作業を行った.原稿作成は,股関節の分野に精通している先生方にお願いした.多忙にもかかわらずご尽力いただいたことに深く感謝する.また,将来の改訂も見据えて,各執筆者には日本股関節学会へ著作権を譲渡していただき,本書の著作権を日本股関節学会が保有することに承諾いただいたことにも深謝する.作画とイラストレーション編集に関しては,初版と同様に徳永大作先生に大変お世話になった.近年,1000ページを超える書物を出版するのはきわめて難しい中,サイズの小型化,ハードカバー導入,手際のよい制作業務などを行ってもらった出版社の金芳堂にお礼を申し上げる.
改訂された本書が,従前以上に活用され,股関節分野の臨床,研究,教育に携わるすべての方々に役立つことを心から願っている.
2024年10月
総編集者 菅野伸彦・久保俊一
目次
Ⅰ編 基礎科学
Ⅱ編 診断学
Ⅲ編 治療学
Ⅳ編 手術進入法
Ⅴ編 小児の股関節疾患
Ⅵ編 成人の股関節疾患
Ⅶ編 人工股関節・人工骨頭治療学
Ⅷ編 知悉便覧
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書籍情報
- ISBN:9784765320122
- ページ数:1270頁
- 書籍発行日:2024年10月
- 電子版発売日:2024年10月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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