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- モダトレ X線、CT、心電図、エコー、MRI・MRAで薬物治療に強くなる!
商品情報
内容
●的確な効果判定のために薬剤師が知っておきたいモダリティ
難しい理論なしですぐに使えるモダリティ(医用画像機器)の知識と薬物治療に活かすポイントをわかりやすく解説します。モダリティには心電図、エコー、X線、MRA・MRIなどの多くのデータがあり、血液検査のデータとともにカルテに記載されています。薬剤師が正確に病態を把握し適切な薬物治療を提案するために、これらのデータを活用しない手はありません。モダリティトレーニングをとおして生理検査や画像検査を理解した薬剤師を目指しましょう。
序文
はじめに
近年薬剤師の業務は多様化しています。平成22 年4 月30 日に発出された厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」において,薬剤師は主体的な薬物療法への参加が求められ,そして,平成24 年の病棟薬剤業務実施加算の新設により,薬剤師はより臨床的な場面での薬物治療への貢献が期待されるようになりました。これらの変化に伴い,皆様が実臨床の現場で他職種から期待されていることの一つとして,選択している薬物治療が有効か否かの評価があるのではないでしょうか?
ここで言う評価には,副作用の評価だけでなく,純粋な意味で現在の病態に対して薬物治療が有効か否かの評価も含まれています。そのためには,まず正確な病態を把握することが重要です。そして,それに基づいて変動する病態の変化が選択した薬物治療により期待されているものなのかを日々判断していかなければなりません。このように文章として書くと,薬剤師としては当たり前のことのように感じます。しかし,実際にこれらを業務で行う上において,戸惑いを感じている方が少なからずいるのではないでしょうか?
皆様が薬物治療評価をする際の客観的データとして身近なものと感じているのは,採血,尿検査データ,バイタルサイン等と思います。一部の施設ではフィジカルアセスメントを導入しているかもしれません。
もちろんこれらは重要な情報です。しかし,医師が病態把握,薬物治療の選択,フォローアップにおいて利用している情報はそれだけではありません。その中には各種画像検査,心電図等の生理検査等のモダリティ(医用画像機器)による評価があります。これらは当然ですが,意味もなく検査されているわけではなく,採血,バイタル検査と同様に総合的な臨床判断を行うための一つの必須のツールとして検査されています。
これを我々薬剤師が利用しない手はないかと思います。逆にモダリティを利用しないという選択肢は,程度が違いますが,あえて採血データをみないで,薬物治療の評価を行っていくということと同様ではないでしょうか? ここに先程申し上げました,戸惑いの要因の一つが隠れているのではないかと私は思います。
イメージがつきにくいかもしれませんので,例を挙げると,薬学教育の中でも登場するシシリアンガンビット分類は心エコーや心電図で得た情報,評価を大前提とした各薬剤選択の基準となる必須な情報が記載されています。これらの評価がないままで,この分類を利用して薬物治療貢献を!というのは無理があります。
もっと身近な例では,貯留した胸水に対して,利尿薬を使用した際の効果判定としての胸部X線の活用です。胸部X 線を確認すれば一目瞭然である場合が多いのですが,これを活用しないとなると,胸水の評価は途端にハードルが高いものとなります。このように,多くの領域において,画像,生理検査が薬物治療への貢献のために必須となる場面があります。
本書では各領域において,モダリティを実際に薬物治療へどのように活かすのか,正確な病態評価にどのように活かすのかについて例を挙げて解説しています。
学習していく上で,一点注意していただきたいのは,これらの評価はあくまで薬物治療への貢献のために利用するという薬剤師としての目標が大前提にあるということです。このことを忘れると,自身の職種が一体何かを見失う可能性が高くなります。筆者として皆様にはこの大前提を絶対に忘れることないよう,是非お願いしたいことであります。
本書をきっかけとして,各種モダリティが採血データ等と同様に薬剤師の総合的な薬物治療への評価の一つとして利用され,少しでも皆様の業務の充実に貢献できるのであれば,このうえない幸せです。
最後に私事で恐縮ですが,本書のきっかけをつくってくださいました,JCHO大阪病院循環器内科 大八木 秀和先生への感謝と,多大なる負担をかけた家族への感謝,そして,薬剤師として,医療人として,本領域の必要性も含め,薬剤師の臨床業務とは何かを気づかせてくれた,わが子「太智」への生涯通じて一時も忘れることのない感謝の念をここで述べさせていただきます。
ありがとう太智。お父さん,約束通り頑張っているよ!
2019年7月
梶原 洋文
目次
第1章・胸部編
・Question 01
胸部X線で利尿薬の効果をみる
胸水がある胸部X線はどちらでしょうか?
・Question 02
胸部CTで胸水を確認する
胸水がある胸部CTはどちらでしょうか?
・Question 03
胸部X線で心臓の大きさをみる
心臓が拡大している胸部X線はどちらでしょうか?
・Question 04
グラフトレンドで心拍数の変動をみる
不整脈発症が推定される心拍数グラフトレンドはどれでしょうか?
・Question 05
モニター心電図で心房細動を確認する
心房細動のモニター心電図はどれでしょうか?
・Question 06
心拍数グラフトレンドとモニター心電図をあわせて確認する
発作性心房細動を引き起こしたと考えられる心拍数グラフトレンドはどれでしょうか?
・Question 07
心エコーで左室駆出率を確認する
ベラパミル注射剤投与時にリスクがある心エコーはどちらでしょうか?
・Question 08
心エコーで左室拡張能を確認する
左室拡張機能障害の可能性が示唆される心エコーはどちらでしょうか?
・Question 09
心エコーで弁膜症を確認する ①大動脈弁狭窄症(AS)
利尿薬使用時に特に注意が必要な心エコーはどちらでしょうか?
・Question 10
心エコーで弁膜症を確認する ②僧房弁閉鎖不全症(MR)、僧帽弁狭窄症(MS)
僧帽弁閉鎖不全症の重症度が高い心エコーはどちらでしょうか?
・Question 11
心エコーでIVCを確認する
右心負荷が推測される心エコーはどちらでしょうか?
・Question 12
心エコーで弁膜症を確認する ③大動脈弁閉鎖不全症(AR)
大動脈弁閉鎖不全症の重症度が高い心エコーはどちらでしょうか?
・Question 13
心電図でQT延長症候群を確認する
QT延長症候群が引き起こされている心電図はどれでしょうか?
・Question 14
胸部X線とCTで肺水腫を確認する
肺水腫が確認される胸部X線はどちらでしょうか?
・Question 15
胸部X線とCTで肺炎を確認する ①肺胞性肺炎
肺胞性肺炎が示唆される胸部X線はどちらでしょうか?
・Question 16
胸部X線とCTで肺炎を確認する ②間質性肺疾患
間質性肺疾患が示唆される胸部X線、CTはどれでしょうか?
・Question 17
胸部X線とCTで急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を確認する
ARDSが示唆される胸部CTはどれでしょうか?
第2章・胸部以外の臓器編
・Question 18
腹部CTで腹水を確認する
腹水が認められる腹部CTはどちらでしょうか?
・Question! 19
腹部CTで胆道炎を確認する
胆嚢炎が示唆される腹部CTはどちらでしょうか?
・Question 20
腹部エコーで腹水、胆道炎を確認する
腹水が貯留している腹部エコーはどちらでしょうか?
・Question! 21
腹部CTで腎盂腎炎、尿管結石を確認する
腎盂腎炎が示唆される腹部CTはどちらでしょうか?
・Question 22
腹部CTで膵炎を確認する
膵炎の重症度が高い腹部造影CTはどちらでしょうか?
・Question 23
腹部X線とCTで腸疾患を確認する
イレウスが示唆される腹部CTはどちらでしょうか?
・Question 24
腎エコーで腎盂腎炎、水腎症を、膀胱エコーで残尿を確認する
水腎症の可能性がある腎エコーはどちらでしょうか?
・Question 25
頸部エコーで甲状腺疾患を確認する
正常な甲状腺の頸部エコーはどちらでしょうか?
・Question 26
関節X線で偽痛風を、関節X線とMRIで特発性大腿骨頭壊死症を確認する
結晶誘発性関節炎が示唆される関節X線はどちらでしょうか?
・Question 27
頭部CTとMRIで脳血管障害を確認する
くも膜下出血が示唆される頭部CTはどれでしょうか?
・Question 28
頭部MRAとMRIで脳梗塞を、頸部エコーでプラークを確認する
塞栓性脳梗塞の可能性が高い頭部MRI(DWI)、MRAはどちらでしょうか?
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書籍情報
- ISBN:9784840752039
- ページ数:256頁
- 書籍発行日:2019年7月
- 電子版発売日:2024年11月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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