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- 新篇眼科プラクティス 17 眼科外来ハンドブック
商品情報
内容
検査も多数あり,外科処置も行わなければならない眼科外来の忙しさは,他科にも有名なほど.その合間に,病気のこと以外の「ちょっとした何か」を,素早く短時間で調べたいというニーズに答えた.診察室のレイアウトから,診療の進め方,法律まで,「疾患以外」のあらゆる眼科外来に必要な知識を網羅した,診察室に置いておくと便利な一冊.
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
序文
新篇眼科プラクティスシリーズ
序文
眼科学に数多くの書籍があれど,1992 年から2009 年までⅡ期にわたって刊行された「眼科プラクティスシリーズ」ほど,眼科医の書架を占拠した本はないでしょう.当初は隔月刊で,後に月刊となり,計131 巻が刊行されました(1992 年からの第Ⅰ期が101 巻,2005 年からの第Ⅱ期が30 巻).1 冊ごとにテーマが設定され,臨床に必要な知識が最新データとともに要領よくまとめられたもので,いわゆるムック本として多くの眼科医に愛されました.足掛け18 年にわたって刊行された同シリーズは,増え続ける眼科医療情報を,正確かつタイムリーにまとめ,日常臨床にすぐ応用できる形で提供することにより,眼科成書の歴史に名を残すベストセラーとなりました.
前シリーズ終了から13 年が経ち,令和時代の眼科に合った形でのプラクティスシリーズ復活を要望する声が寄せられていました.検査器機の進歩,デジタル化とネットワーク化,新たな薬剤の開発,治療法の多様化,再生医療の導入,遠隔診療やAI 診療に向けた動きなど,眼科学の進歩は以前に比べてさらに加速している感があります.情報の新陳代謝が一層活発になった現状を鑑みるに,最新知見を実践的に解説する分冊型シリーズの復刻が期待されるのは,故無きことではないと思われます.
2020 年に,9 年振りに大改訂を行った「眼科学 第3 版」を刊行しました.眼科学に関する基本的な知識を網羅した「眼科学 第3 版」の刊行を受け,編集に携わった大鹿哲郎,園田康平,近藤峰生,稲谷 大の4 名は,より臨床の現場に即した実際的な知識・技術,最新の情報を扱う「新篇眼科プラクティスシリーズ」の立ち上げを企画しました.前Ⅱシリーズのレガシーを尊重しつつ,かつ時代の要請に応えた編集方針としています.
新シリーズが目指す特徴の1 つは,“ ビジュアル化” です.正確で詳細な知識の提供も重要ですが,多種の情報が溢れる現代において,わかりやすく記憶に残るプレゼンテーションをすることも重要です.視覚に訴える紙面作りによって,忙しい臨床の先生方に手に取っていただきやすい教材とし,“ 読む教科書”であると同時に“ 視る教科書” を目指しました.
各巻の編集企画は,原案を複数回の編集会議で繰り返し検討し,徹底的にブラッシュアップしました.執筆は,第一線の現場で臨床に携わっておられる方々にお願いしています.そして,出来上がった校正刷りを元に編集会議でさらに議論し,内容の一層の充実を図りました.
この新シリーズが,忙しい眼科医および眼科関係者の一助となり,眼科医療に少しでも貢献することを願い,序文と致します.
シリーズ監修 大鹿哲郎
シリーズ編集 園田康平
近藤峰生
稲谷 大
「眼科外来ハンドブック」序文
眼科外来の忙しさは,全科のなかでも有名です.患者数が多いことに加えて,外来で行う自科検査が数多くあり,さらにその合間を縫って外科的処置も外来で行われます.仕事に追われる外来の合間に,ちょっとした何かを素早く,短時間で調べたい,と考えることはないでしょうか.診療や処置の手順から,書類の書き方,あるいは法律や届出のこと,薬のこと,リスクマネージメントのことなど,いろいろあります.これまで病気について解説した書籍は多くあれども,患者・家族との向き合い方から,外来診察室の配置・構造,診療の進め方,間連法規までを丁寧に解説した本はあまりありません.そこで今回,全国の眼科外来に1 冊ずつ置いてもらえるような便覧を作成しようと計画しました.
臨床医の役割は,単に疾患を診断し治療するだけにとどまりません.日々,患者やその家族と接するなかで,医学的知識や技術に加えて,優れた社会性と深い人間理解が求められます.古来より,良医の条件として「病のみでなく病人をも診る」ことが重視されてきましたが,この言葉の真意は今日においても変わりません.それは,患者の心理状態を十分に配慮し,その人の社会生活全体を視野に入れて疾患に向き合うことを意味します.
本書の総説では,外来診療における患者と家族の心理状態に焦点を当て,従来の成書では取り上げられることの少なかった視点から解説を試みています.具体的には,ドクターハラスメントやペイシェントハラスメントが生じる背景,待ち時間問題が患者満足度に与える影響,そして同僚や患者から嫌われる医師の特徴などについて,多角的に解説を行っています.これらの問題を深く理解し,適切に対応することは,現代の医療現場において極めて重要です.
続いて,視覚障害者に配慮した外来のあり方や診察室のセットアップ,診療の進め方から始まり,外来診療の実際,外来で行われる外科的処置などにも触れました.また,臨床眼科学の知識以外にも,医師法や医療法・刑法などの法的な規制,保険診療と混合診療,学校保健,各種職業における視覚基準,リスクマネージメント,医事紛争,臓器移植法,介護保険なども解説しました.これらの分野は,研修ガイドラインや認定試験出題基準にも記載されており,眼科専門医試験で取り上げられることも多くなってきています.
本書が眼科外来における実用書として活用されることを祈り,序といたします.
2024年11月
筑波大学眼科
大鹿哲郎
目次
【総論】
外来診療~転ばぬ先の杖~
【各論】
Ⅰ.外来のセットアップ
1.患者の動線を考慮した眼科施設
2.視力検査室
3.特殊検査室
4.診察室(大学病院)①
5.診察室(大学病院)②
6.診察室(眼科病院)
7.診察室(眼科クリニック)
8.視力障害者の誘導
9.外来処置室
10.常備薬
11.眼科電子カルテ
Ⅱ.診療の手順
1.医療面接・問診
2.屈折検査
3.視力検査
[A]ETDRSと対数視力(logMAR)
[A]その他の視機能検査
4.乳幼児の視力検査
[O]字ひとつ視力と字づまり視力
[O]調節除去法
5.外眼部の視診と触診
[O]入室した患者・患児の何を観察するか
6.乳幼児の診察
7.高齢者の診察
8.眼圧測定
9.前眼部検査
[O]ウイルス感染検査
[O]アレルギー性結膜炎検査
[O]Schirmer試験
[O]眼球突出度測定
10.隅角検査
11.眼底検査
12.眼底写真・造影検査
13.OCT・OCTA
[O]電気生理学的検査
14.医療機器の定期検査・メンテナンス
15.心因性視力障害・詐病
[O]院内の往診
[T]在宅医療
[A]遠隔医療
16.眼鏡処方と処方箋
[T]眼鏡作製技能士
17.コンタクトレンズの処方
[O]治療用コンタクトレンズ
18.オルソケラトロジーの処方
Ⅲ.外来処置の手順
1.睫毛抜去
2.結膜結石除去
3.角結膜異物除去
4.結膜下・テノン嚢下注射
5.涙道洗浄・涙道内視鏡
6.涙点プラグ
7.マイボーム腺処置
8.角膜熱化学損傷
9.Nd:YAGレーザー後囊切開
10.急性緑内障発作
11.硝子体注射(抗VEGF薬)
12.網膜中心動脈閉塞症
[O]網膜中心動脈閉塞症における脳卒中科との連携
Ⅳ.書類の書き方
1.同意説明文書
2.紹介状と返書
[A]英文での紹介状
[O]診療情報開示への対応
3.他科受診依頼
4.診断書
5.身体障害者手帳
[O]特殊診断書(障害年金・育成医療等)
Ⅴ.保険診療
1.医療保険と医療費助成
[T]包括評価制度
2.病名と保険請求
3.レセプト審査・再審査請求
[A]ロービジョン補助具と公的援助
4.労働者災害補償保険
[O]産業医
5.難病外来指導管理
6.母子保健
7.学校保健
8.成人・老人保健
9.医療品医療機器等法と医療機器
10.資格・職業と視覚基準
[O]目の愛護デー
[A]先進医療
11.保険外診療・混合診療
[O]セカンドオピニオン外来
12.医師法・医療法・刑法
[O]診療記録の保存
13.視能訓練士法
14.臓器の移植に関する法律
15.介護保険制度と眼科
Ⅵ.リスクマネージメント
1.院内感染対策
[O]ディスポと再滅菌の使い分け
[O]届出義務のある感染症
2.ショック
3.医事紛争の実態
4.インシデント・アクシデント報告
索引
Advanced Techniques=[A]
One Point Advice=[O]
Topics=[T]
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書籍情報
- ISBN:9784830656309
- ページ数:408頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年11月16日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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