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レジデントノート増刊 Vol.26 No.14 いま身につけたい CKD患者を診るチカラ 腎機能を診るチカラ

  • ページ数 : 246頁
  • 書籍発行日 : 2024年11月
  • 電子版発売日 : 2024年11月26日
5,170
(税込)
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商品情報

内容

その患者,CKD併存かも.腎機能を意識した診療できてますか?
どの診療科でも必ず出会うCKD併存患者さん,きちんと診療できていますか?検査・薬剤投与・外来での管理・腎代替療法からACPや災害時・僻地での考え方までを,様々な現場・幅広い専門家の視点から学べる一冊.

序文

慢性腎臓病(CKD)を有する患者は心血管疾患(CVD)のハイリスクグループであり,糖尿病などの合併症も多いです.また腎臓は薬剤の主要な代謝排泄経路であるため,その障害に伴い投与量や投与方法に調整の必要なことがあり,なかには禁忌になる薬剤もあります.もちろんCKD が進行すれば透析や腎移植を考慮していく必要が出てきます.さらにCKD は腎臓内科だけでなくあらゆる診療の場面で遭遇します.CKD を日常臨床で当然のように見かけることは,本書を手にとっていただいた方には同意いただけると思います.

腎臓に限らず各診療科で身につけてほしい日進月歩の知識や技術,考え方は短い初期研修の期間だけで習得するのはとてもじゃないが不可能です.またセッティングによっては腎臓専門医のいない診療環境もあるでしょう.幸い,現代ではテキストブック的な知識は多くの教科書やウェブ上のリソースもあり,マウスでポチっとすれば簡単に入手できるものの,それだけでCKD 患者の診療にあたれるかといったらおそらく答えはNoでしょう.手元に教科書があってすべての疾患・病態に向き合えるのであれば苦労はしません.そのギャップを埋めるのに必要なものは生きた知識だったり経験であると私は考えます.

本書はCKD を罹患している患者の診療に関して,日常臨床で出会う「困りごと」に寄り添うために既存のテキストブックの枠にとらわれずにつくった「副読本」です.原稿の数だけ病棟の指導医の小噺やミニレクチャーを聞いてもらえる,そのようなイメージで構成し,それを語っていただける経験豊富な方々に執筆を依頼しました.医学に限らず新しい分野を勉強するには3 冊の本を読むようにというアドバイスを目にします.CKD を学ぶのであれば腎臓内科全体を俯瞰した分厚い本と白衣に入るハンドブック,そして本書が3 冊目になってもらえれば幸いです.

本書の構成についてその概略を少しご説明します.第1 章はまず腎機能障害を有する患者を診たときのfirst action と,その背景を探るためのCKD と原疾患の関係,尿所見と腎生検の関係で構成されています.第2 章ではしつこいくらいに日常臨床で頻繁に遭遇する腎不全と薬剤の問題についてとり上げました.腎機能に応じた薬剤の投与量のクックブックは世のなかに多くあり日常臨床において必携のグッズですが,それをどのように使うのか,腎不全の原因が薬剤にないのか? 根底にある考え方は? そのようなことにこの章では触れています.第3 章は「CKD 患者がER にやってきた,どうしよう?」からはじまり亜急性期から急性期,超急性期のセッティングを想定した項目をとり揃えました.打って変わって第4 章ではCKD 患者の日常診療,特に定期フォローに主眼を置いたものとしています.はじめて外来研修を行う初期研修医の先生,専門外来を任された専攻医の先生,腎臓内科医のいない環境でどこか心許なくCKD 診療にあたられている先生方等に読んでもらいたい章です.第5 章はCKD 患者の電解質(Na, K),酸塩基平衡の異常について述べています.執筆陣には特に「CKD に合併した」電解質・酸塩基平衡異常を意識してご執筆いただきました.第6 章は進行したCKD,つまり末期腎不全,透析導入についていつからそのアプローチをするのか,シャントのある患者についてどうアプローチするのか,緊急透析は? という項目からそのとき患者さんが抱えている心理的葛藤に至るまでをカバーしています.そして最後の第7 章にはここまでの章を科学的に下支えしているさまざまなエビデンスやガイドラインについてどのように向き合うのか,逆にエビデンスでは語るのが難しい災害や,地域医療におけるCKDへのアプローチについても触れています.

それぞれの章に他のCKD について書いた特集や本にはない独自の項目が含まれています.ぜひ手にとっていただき,読んだ後に皆様の視座が少しでも広がったり,新しい発見があったり,診療と患者さんのアウトカムが変わってくれれば,執筆陣にとってこれ以上ない喜びです.


2024年10月

昭和大学藤が丘病院 内科系診療センター 内科(腎臓)
Division of Nephrology, Department of Medicine, University of Illinois Chicago
西脇宏樹

目次

第1章 腎機能の悪い患者を診るときに知っておきたいこと

1.腎機能が悪化している患者をみたらはじめに何を評価するのか? 〜Primer on patients with renal dysfunction【鈴木泰平】

2.CKDのnatural courseと新しいエンドポイントeGFR slope ~ADPKDも含めて【塩入瑛梨子,鈴木 智】

3.健康診断で尿蛋白と尿潜血が陽性! 腎生検は必要ですか? 〜腎生検,やるべき状況とわかること【原 怜史】

第2章 腎機能の悪い患者に薬を使うときに知っておきたいこと

1.腎機能の悪い患者の肺炎,腎盂腎炎,蜂窩織炎.抗菌薬の投与量はどう決める?【永瀬裕一朗,石金正裕】

2.CKD患者にバンコマイシン投与,いつどうやってモニタリングする? AKIが起きたらどうする?【西脇宏樹】

Column バンコマイシンの投与方法【鈴木絢子】

3.腎機能の悪い患者の帯状疱疹,薬は何をどう使うのか?【稲永亮平】

4.CKD患者の心筋梗塞後,心房細動,血栓症治療 ~抗血小板薬と抗凝固薬は何に気をつけて使うのか?【柳澤侑哉,河原﨑宏雄】

5.腎機能の悪い患者の急性腹症,どうする造影剤? 〜最近の議論と現状でのdecision making【耒田善彦】

6.CKD患者の疼痛管理 ~悪性腫瘍を事例に【古庄正英】

第3章 CKD患者を救急外来で診るときに知っておきたいこと

1.CKD患者のうっ血性心不全管理のコツ 〜循環器内科の立場から【夜久英憲】

2.CKD患者のうっ血性心不全 〜腎臓内科の立場から【酒井雅史,谷澤雅彦】

3.CKD患者のトロポニン上昇【伊藤伸悟,木田圭亮】

4.初診のCKD患者が,とてもむくんでいる 〜利尿薬,何をどれだけ,どのくらい?【寺下真帆】

5.外科医から見たCKD患者の周術期管理 〜外科医のやっていること,腎臓内科医に任せたいこと【氏家直人】

6.CKD患者の集中治療【番場春衣,片桐大輔】

第4章 CKD患者を定期外来で診るときに知っておきたいこと

1.君たちはCKD患者をどう診ていくか?【谷口智基】

2.CKD患者の貧血管理 〜すべて腎性貧血でOK? 腎性貧血の治療のしかたは?【鈴木皓大,濱野高行】

3.CKD患者の糖尿病,何を使って治療する?【大庭悠貴,山内真之】

4.CKD患者の食事療法「ググったら低たんぱくと減塩と書いてありました!」~昨今の腎不全食事療法のPROs &CONs【宮島 功】

5.CKD患者のCaとP管理 〜いつ何のために何からはじめて何を注意してみていくのか?【笹井文彦,下川麻由,河西恵州】

第5章 CKD患者の電解質異常を診るときに知っておきたいこと

1.CKD患者の低ナトリウム血症【髙山 卓,冨永直人】

2.CKD患者の高カリウム血症【伊藤麻里江,高見礼示,曽根寧莉】

3.CKD患者の酸塩基平衡異常【志水英明】

第6章 末期腎不全の患者を診るときに知っておきたいこと

1.腎代替療法についていつ話すのか,いつ導入するのか?【祖父江 理】

2.シャントのある患者,注意すべきことは? ~この音って正常? シャントのところが赤いけど大丈夫?【伊藤英利,重松寛哉,山本真寛】

3.緊急透析の判断とカテーテル挿入の注意点【及川 愛,大城剛志,米村 耀】

4.CKD患者の心理的葛藤やACP 〜PROを活用した研究から【栗田宜明】

第7章 エビデンスで解決できること,エビデンスで解決できないこと

1.How to read CPG 〜CKDガイドラインでわかること・わからないこと【佐々木 彰】

2.CKD患者における災害時の留意点【矢尾 淳】

3.透析導入したら車で片道2時間の透析クリニックに通院!? プライマリ・ケア医の対CKD戦略【山並寛明,菅家智史】


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書籍情報

  • ISBN:9784758127264
  • ページ数:246頁
  • 書籍発行日:2024年11月
  • 電子版発売日:2024年11月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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