• ページ数 : 216頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年12月10日
3,850
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商品情報

内容

理学療法学会連合が策定した新たな指針となる徒手筋力検査法(学会版MMT)の手順や判定基準を解説するテキスト。
各項目は主動筋一覧,検査手技,主動筋触知法の順に解説している。
冒頭に主動筋一覧の表とイラストを掲載し,関節運動に関連する筋をイメージしやすい構成としている。検査手技はイラストでわかりやすく表現。加えて,主動筋の触知部位は写真とイラストを並べることで,体表からの解剖が理解しやすい。さらに徒手筋力計を用いた筋力測定についても推奨例を提示。MMTの新たなスタンダードを学べる一冊!

序文

発刊に寄せて


日本理学療法学会連合(藤澤宏幸理事長)監修による『日本理学療法学会連合版徒手筋力検査法』の発刊に際し,日本理学療法士協会を代表して心からお祝い申し上げます。

理学療法士は,国民の生活の質を向上させるために,正確な評価と適切な目標設定ならびに治療を提供することが求められています。そのなかでも,徒手筋力検査は身体機能の評価において極めて重要な役割を果たします。1960年代に理学療法士が誕生したわが国では,1940年代から世界で使用されてきたダニエルらの徒手筋力検査法が,筋力を評価するための標準的な評価法として理学療法士のなかで広く使用されています。2010年代に入り,本会内でダニエルらの徒手筋力検査法の9回に及ぶ改訂に伴う測定方法の変更による課題が議論されました。本書は,その課題の解決に向けた関係者の集大成となる1冊です。この場を借りて,執筆に携わり,知識と経験を惜しみなく提供された理学療法士の皆様に深く感謝申し上げます。

本書は,理学療法の各分野で活躍される理学療法士の方々が集結し,多岐にわたる視点から徒手筋力検査法を体系的にまとめ,理論と実践の両面から深く理解することができる内容となっています。13対象部位・関節43運動に対して,被検者体位,被検者初期姿勢,課題運動,検者の共通項目など,日常の臨床業務において本書を活用しやすく記載されている点が最たるものです。

さて,徒手筋力検査法はリハビリテーション医療の枠を超えて,保健・医療・福祉の幅広い現場で活用されるべき評価法です。本書が,理学療法士だけでなく,保健・医療・福祉にかかわるすべての関係者にとっても有益な書籍となり,多くの関係者が徒手筋力検査法の重要性を再認識していただければ幸いです。

『日本理学療法学会連合版徒手筋力検査法』が臨床における信頼できる書籍として役立つことを確信しています。理学療法士必携の1冊となり,全国の理学療法士の皆様に広く活用され,理学療法の発展に寄与することを心より願っております。

最後になりますが,『日本理学療法学会連合版徒手筋力検査法』の発刊を契機に,理学療法のさらなる発展と進化を遂げることを期待しています。本書が,理学療法士の皆様にとって日々の臨床実践における強力なサポートとなり,さらには国民の健康と幸福に寄与することを心より祈念しております。


2024年7月

日本理学療法士協会
会長 斉藤秀之



監修の序


理学療法学の発展は目覚しく,日本理学療法学会連合(以下,本会)の法人学会・研究会における会員の研究レベルも高水準になっています。また,学会・研究会におけるレジストリ研究も実施されるに至り,エビデンスの構築に関する意識が急速に高まっているのは間違いありません。一方,レジストリ研究などをこれまで以上に推進するためには,理学療法評価の標準化が欠かせない手続きであり,それは本会の責務です。

さて,本書(『日本理学療法学会連合版徒手筋力検査法』,以下,学会連合版徒手筋力検査法)は10年以上にわたる本会の取り組みの成果であり,基本的理学療法評価法の標準化として1つの試金石となるでしょう。本会の前身である日本理学療法士学会に理学療法基本評価検討委員会が設置されたのは2012年のことであり,小生が委員長を拝命し,ワーキンググループのもと徒手筋力検査法に関して具体的な検討が始まりました。2014年にはパブリックコメントを募集し,寄せられた意見をもとに2016年に報告書が作成されました。その後,関係諸団体との調整などを経て,今年度,本会理学療法標準化検討委員会のもとで発刊の運びとなりました。

歴史を振り返れば,抗重力運動を基準とした徒手筋力検査法を初めて体系化したのはポリオを専門としていたロベット(1916年)とライト(1912年)でした。ダニエルらの方法やMedical Research Council(MRC)も基本的にはこの系列にあります。一方,ケンダルが1949年に運動機能と筋力との関連性を明確にした徒手筋力検査法を提案し,重力を基準にすべきものと,そうでないものを分けました。今回の学会連合版徒手筋力検査法では,ケンダルの方法と同様に,段階づけに関しては重力を考慮すべきものとそうでないものを明確に分けました。また,徒手筋力検査法は順序尺度による評価方法であり,各グレードの間隔は一定ではありません。特に,機器を用いた筋力との対比ではグレード4とグレード5の間隔が大きく,臨床では変化を検出しにくいことが問題となります。そのため,徒手筋力計による標準的な検査方法を示すことも必要と考え,本書にはそれを盛り込みました。さらに,高齢者が多くなった現在の臨床現場では,腹臥位での検査はできないことも多いため,腹臥位での検査は採用しませんでした。加えて,最大筋力との関係が不明確である運動回数でのグレード判定も用いていません。

以上のように,学会連合版徒手筋力検査法は実際に臨床で使用している理学療法士の経験知と身体運動学的エビデンスを融合させたものであり,検査しやすく判断も明確にできるものとなっています。是非,臨床家の皆様にも本書を手に取っていただき,ご活用くださることを切に願ってやみません。


2024年7月

日本理学療法学会連合
理事長 藤澤宏幸

目次

1章 総論

イントロダクション

2章 検査法

頸部

No.1 頸部屈曲(GS1)

No.2 頸部伸展(GS1)

No.3 頸部回旋(GS2)

体幹

No.4 体幹屈曲(GS1*)

No.5 体幹伸展(GS1*)

No.6 体幹回旋(GS2)

肩甲帯

No.7 肩甲帯挙上(引き上げ)(GS1)

No.8 肩甲帯下制(引き下げ)(GS2)

No.9 肩甲帯屈曲(GS1)

No.10 肩甲帯伸展(GS2)

肩関節

No.11 肩関節屈曲(前方挙上)(GS1)

No.12 肩関節肩甲骨面挙上(GS1*)

No.13 肩関節伸展(GS1)

No.14 肩関節外転(GS1)

No.15 肩関節外旋(GS1)

No.16 肩関節内旋(GS1)

No.17 肩関節水平外転(GS1)

No.18 肩関節水平内転(GS1)

肘関節

No.19 肘関節屈曲(GS1)

No.20 肘関節伸展(GS1)

前腕

No.21 前腕回外(GS2)

No.22 前腕回内(GS2)

手関節

No.23 手関節掌屈(GS1)

No.24 手関節背屈(GS1)

手指

No.25 手指屈曲(GS2)

No.26 手指伸展(GS2)

No.27 手指外転(GS2)

No.28 手指内転(GS2)

母指・小指

No.29 母指・小指対立(GS2)

股関節

No.30 股関節屈曲(GS1)

No.31 股関節伸展(GS1*)

No.32 股関節外転(GS1)

No.33 股関節内転(GS1)

No.34 股関節外旋(GS1)

No.35 股関節内旋(GS1)

膝関節

No.36 膝関節屈曲(GS2)

No.37 膝関節伸展(GS1)

足関節・足部

No.38 足関節・足部底屈(GS1*)

No.39 足関節・足部背屈(GS1)

No.40 足関節・足部回内(GS1*)

No.41 足関節・足部回外(GS1*)

足趾(指)

No.42 足趾(指)屈曲(GS2)

No.43 足趾(指)伸展(GS2)

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書籍情報

  • ISBN:9784758322690
  • ページ数:216頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年12月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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