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- 臨床栄養141巻7号 体組成評価の最前線―歴史的変遷と意義,栄養管理への臨床応用
商品情報
内容
体組成分析の歴史的変遷と評価法
骨格筋評価の3つの指標
メタボリック症候群と体組成
ほか
*都合により、電子版では紙版と異なりp.1017,p.1018の図は未収載となっております。
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序文
特集にあたって
なぜBMI(body mass index)や体重ではなく体組成が必要か.体格の評価として,身長と体重およびこれらより算出されるBMI が古くから用いられてきた.現在でも多くの臨床現場での栄養評価は体重やBMI,四肢周囲長や腹囲などの身体測定,血液検査が中心であり,今後もこれらの項目の重要性は揺るぎのないものである.しかし,栄養評価としての身体測定や血液検査には限界がある.体組成が正確に評価できないことである.ヒトの構成要素を分子レベルでみると,水分65%,蛋白質20%,脂質12%,その他3%となっている.また,栄養療法でもっとも重要なのは水分管理であり,かつ体蛋白質を保持することは,栄養管理の中心的テーマである.体内窒素が30%以上失われると生命維持が困難となるが,骨格筋や内臓蛋白を喪失することによるサルコペニアや臓器障害等の臨床的ダメージは計り知れない.
そこで期待されるのが体組成分析である.体組成分析法には,生体電気インピーダンス法(bioelectrical impedance analysis:BIA)や二重エネルギーX線吸収法(dual-energy X-ray absorptiometry:DXA),MRI,CT,エコー,体密度法等がある.このうちBIA は,組織の生物学的特性による電気伝導性の差異を利用して身体構成を予測する方法である.体液や骨格筋量の評価は身体測定や血液検査では限界があったが,BIA の登場でこれらの問題が解決された.最近の研究では,骨格筋量はBMI より有用な死亡予測因子であるとされており,BMI や身体測定の限界と体組成分析の有用性がすでに指摘されはじめている.体液や骨格筋量,皮下脂肪,内臓脂肪などの項目を経時的に評価しながら栄養療法を進めることが,これからのスタンダードとなっていくのは間違いないと思われる.最近では,家庭用の体重計でも体組成を測定できる機器が普及してきた.体重計という言葉はそのうち死語になるかもしれない.
本特集は「体組成評価の最前線」というテーマで,この領域における臨床や研究の第一線で活躍する先生方にご執筆いただいた挑戦的な企画である.栄養管理における体組成分析の可能性について,今後の栄養管理のさらなる発展へのスプリングボードとなれば幸いである.
熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター
吉村芳弘
目次
特集にあたって 吉村芳弘
体組成分析の歴史的変遷と評価法 吉村芳弘
骨格筋評価の3つの指標 山田 実
メタボリック症候群と体組成 杉本 研
フレイル・サルコペニアと体組成 真田樹義
骨粗鬆症,サルコペニア,オステオサルコペニアの疫学─地域住民コホートROADスタディから 吉村典子
悪液質診療における体組成評価の意義 森 直治
急性期病院における体組成評価 宮澤 靖
リハビリテーション診療における体組成評価 井上達朗
巻頭カラー
サカナももっている免疫系―進化的側面と養殖現場での応用 田角聡志
活動レポート 栄養ケア・ステーション
ななクラブ 認定栄養ケア・ステーション 水野和代
スポット
脳の健康管理指標BHQ 根本清貴
訪問介護における栄養・嚥下状態 田中春日・他
ズームアップ
メニエール病に対する水分摂取療法(Hydration Therapy)のメカニズムと有用性 長沼英明
連載
Case Reportに学ぶ 摂食嚥下障害の栄養アセスメントと介入のコツ③
私にも書ける? 症例報告の書き方 園井みか・他
宮島流 ! 病棟栄養士のためのケースカンファレンス活用術
CASE 12 敗血症 宮島 功
ビタミン栄養学UPDATE―新たな臨床的意義の確立に向けて⑫〈最終回〉
ビタミンの臨床栄養学と今後の展望 田中 清・他
Medical Nutritionist養成講座60
経腸栄養投与経路の管理(4)―新しい接続部:ENFitの管理 井上善文
『日本食品標準成分表』の活用でもっと深まる 食品と調理のキソ知識㊹
し好飲料類3 渡邊智子
ORIGAMI ART―食に活かすおりがみ/ 食の教養
カリフラワー 西田良子・上田浩史
こんだてじまん
じまんの一品料理 つくね田楽
JA秋田厚生連 雄勝中央病院 石山 香
News&Information
日本栄養士会医療職域
第36回臨床栄養学術セミナー・オンライン報告 石岡拓得1076 自治体病院 市立千歳市民病院栄養管理科の取り組み 安永 類
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書籍情報
- ISBN:9784006414107
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2022年12月
- 電子版発売日:2022年12月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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