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子どもを診る,高齢者を診る 耳鼻咽喉科外来臨床マニュアル〈ENT臨床フロンティア〉

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2014年4月
  • 電子版発売日 : 2021年12月10日
14,300
(税込)
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商品情報

内容

耳鼻咽喉科医師必携の小児・高齢者外来診療ガイド.小児に特有の先天性疾患やアレルギー性疾患,重複障害,音声・言語障害,自閉症関連障害児などの特徴と診察のポイント,高齢者に多くみられる聴覚障害や平衡障害,嚥下障害などへの対応,耳鼻咽喉科在宅医療の現状などを解説.耳鼻咽喉科外来診療に役立つ実践的指南書.

あわせて読む → 「ENT臨床フロンティア」シリーズ

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序文

本邦では少子高齢化が進み,2005 年に出生数が110 万人を切って以降,出生数は110 万人を切り続けている.平成23 年時の統計では,年少人口(0~14 歳)は1,670 万5 千人(13.1%)で前年に比べ13 万4 千人の減少,生産年齢人口(15~64 歳)は8,134 万2 千人(63.6%)で39 万3 千人の減少となったのに対し,老年人口(65 歳以上)は2,975 万2 千人(23.3%)で26 万8 千人の増加となり,うち75 歳以上人口は1,470 万8 千人(11.5%)で51万4 千人の増加となっている.このような背景から,耳鼻咽喉科医が高齢者を診る機会はますます増加し,高齢者特有の疾患や予防・介入に関する知識が求められるようになってきている.本書では高齢者診療のコツと注意点(薬物投与等),在宅医療,高齢者によく見られる感覚障害,音声・嚥下障害などについて取り上げた.

小児については,急性・滲出性中耳炎,副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎,アデノイド増殖症,扁桃炎・肥大,気道異物など,診察の機会が多く十分な臨床経験が得られる疾患についてはエビデンスに基づく治療として,診療ガイドライン等を中心に解説した.また小児診療においてとくに大きく変わったものは難聴児に対する対応であり,重点的に取り上げた.乳幼児の難聴は他覚的聴力検査の登場以前には的確な診断そのものが困難であったが,他覚的聴力検査の導入以降も耳鼻咽喉科医の関与は難聴の有無・鑑別診断・重症度診断に留まりがちで,診断後の対応,すなわち補聴器装用から療育については聴覚特別支援学校(聾学校)や難聴幼児通園施設に依存する傾向にある.この結果,難聴児が診断後どのような療育を受け,どのような経過をたどるかの情報を得る機会は限られ,難聴児をめぐる社会的諸問題はもとより医学的問題について深く経験することも困難な現状にある.小児高度難聴児に対する医療は人工内耳登場により劇的に変化し,適切な対応をすれば聴覚を十分に活用したコミュニケーション能力を獲得することが可能となっている.とくに早期装用の効果は広く認識され,日本耳鼻咽喉科学会福祉医療委員会は2014 年に人工内耳適応基準を改定し,適応年齢を原則1 歳以上(体重8kg 以上)と引き下げた.また両耳装用についても明確な態度を示してこなかったが,今回の改定では,「音声を用いてさまざまな学習を行う小児に対する補聴の基本は両耳聴であり,両耳聴の実現のために人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない」という文言も追加された.

このような背景から耳鼻咽喉科医が小児難聴により積極的に参加する事が求められており,小児難聴や人工内耳に関する理解を深めるため,先天性難聴を来たす重要な疾患,一側聾の取り扱い,重複障害の影響,人工内耳の適応評価と成績など,難聴に関する多くの項目を取り入れることにした.

本書では,診断から治療に至る考え方につきフローチャートでまとめ,診療の流れにより反映しやすいように工夫を加えた.豊富な臨床経験に基づき,実臨床に役立つ実践的な内容の御執筆を頂いた各専門領域の著者の先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げたい.

本書が小児および高齢者の耳鼻咽喉科診療において役立つことを祈っている.


2014年3月

東京大学耳鼻咽喉科学教室
山岨達也

目次

第1章 小児に特有な耳鼻咽喉科疾患の診療

小児の診療の進め方

 小児の診察のコツと注意点 (工藤典代)

  小児の耳鼻咽喉科診療の手順

  小児耳鼻咽喉科診療における注意点

 小児の治療上の注意点 (坂田英明)

  喘鳴(吸気性)への対応

  鼻・咽頭疾患の予後と対応

  滲出性中耳炎の治療

  めまい症例の特徴とカクテル療法

外耳

 小耳症・耳介奇形−手術と保存的治療 (成島三長,飯田拓也,光嶋 勲)

  正常な耳の解剖

  先天奇形の種類・分類

  埋没耳

  副耳

  スタール耳

  耳垂裂

  扁平耳

  小耳症

 先天性耳瘻孔 (三塚沙希,守本倫子)

  先天性耳瘻孔とは

  病因・病態

  症状

  治療

  鑑別

  疾患

 外耳道狭窄・閉鎖 (坂本幸士)

  先天性外耳道狭窄症

  先天性外耳道閉鎖症

中耳

 急性中耳炎 (上出洋介)

  急性中耳炎について

  診断の手順

  治療のアルゴリズム

 滲出性中耳炎 (飯野ゆき子)

  滲出性中耳炎の自然治癒

  滲出性中耳炎の診断手順

  滲出性中耳炎の急性期,亜急性期の治療

  滲出性中耳炎の治療アルゴリズム

  保存的治療

  手術的治療

 先天性真珠腫 (土井勝美)

  定義

  症状

  発症機序と組織型

  病期分類

  治療と予後

 耳小骨奇形 (欠畑誠治,古川孝俊)

  耳小骨の発生

  耳小骨奇形の分類

  耳小骨奇形の診断法

  手術時期

  手術上の注意点

 小児の顔面神経麻痺 (馬場信太郎,近藤健二)

  小児における顔面神経麻痺の分類

  麻痺の評価と検査

  電気生理学的検査と予後について

  ステロイド,抗ウイルス薬使用の是非について

  ハント症候群のは発症予防は可能か─ワクチン接種について

内耳・その他

 一側聾 (伊藤 健)

  一側聾について

  症候・症状

  病因・鑑別診断

  治療

  予防

  聴覚障害に対する対応

 先天性高度感音難聴−遺伝性難聴 (工 穣,宇佐美真一)

  先天性難聴児の診断フローチャート

  遺伝子検査とカウンセリング

  日本人難聴患者に高頻度に見いだされる難聴遺伝子

 先天性高度感音難聴−胎生期感染症 (浅沼 聡)

  先天性サイトメガロウイルス感染症

  先天性風疹症候群(CRS)

 先天性高度感音難聴−内耳奇形 (岸本逸平,内藤 泰)

  内耳奇形とは

  診断

  治療

 重複障害 (内山 勉)

  先天性難聴児の早期発見・早期療育効果

  先天性難聴と他障害の合併

  難聴と知的障害の合併

  難聴と脳性麻痺・運動機能障害との合併

  難聴と視覚障害の合併

  難聴と重度知的障害と重度運動障害の合併

  難聴と軽度発達障害の合併

 補聴器装用のコツ (福島邦博)

  小児における補聴器

  装用指導

  補聴器にかかわる各種の制度について

  情報補償

 人工内耳の適応評価と成績 (樫尾明憲)

  難聴の診断から人工内耳手術まで

  聴力評価の方法

  聴覚活用・言語発達の評価

  画像的評価・平衡機能評価

  難聴原因の検索

  術側の決定

  人工内耳の総合的適応評価

  人工内耳の成績・限界

 小児にみられるめまい (矢部多加夫)

  小児にみられるめまいの診察

  小児にみられるめまいの検査

  小児にみられるめまいの診断

  小児にみられるめまいの治療・予後

鼻・副鼻腔

 小児のアレルギー性鼻炎 (大久保公裕)

  AR・花粉症の疫学調査

  小児AR のQOL

  小児AR の診断と治療

 小児の鼻・副鼻腔炎 (清水猛史)

  鼻・副鼻腔炎の病態と起炎菌

  小児の鼻・副鼻腔炎の特徴

  鼻・副鼻腔炎の診断

  急性鼻・副鼻腔炎の治療

  急性鼻・副鼻腔炎の合併症とその対策

  慢性鼻・副鼻腔炎とマクロライド療法

  鼻・副鼻腔炎に対する手術療法

 鼻出血 (杉本太郎)

  小児の鼻出血の原因

  小児の鼻出血の対応

 先天性後鼻孔閉鎖 (金谷佳織,近藤健二)

  症状

  診断手順

  治療

口腔

 アデノイド増殖症・口蓋扁桃肥大・慢性扁桃炎 (高野賢一,氷見徹夫)

  アデノイド増殖症・口蓋扁桃肥大

  慢性扁桃炎・反復性扁桃炎

  手術の実際

のど・気道

 小児の呼吸困難 (仲野敦子)

  症状の特徴

  年齢別の特徴

  診断方法

  治療

  呼吸困難をきたす疾患

 気道の奇形 (田山二朗)

  気道の奇形

  診断の手順

  疾患

 小児気道異物 (阪本浩一)

  上気道異物

  気管・気管支異物

 頸部先天性嚢胞・瘻疾患 (市村恵一)

  正中頸嚢胞

  側頸嚢胞・瘻

 小児の唾液腺疾患 (吉原俊雄)

  小児唾液腺疾患の診断手順

  代表的疾患

  治療法の要点

音声・言語

 小児の音声・言語障害 (熊田政信)

  小児の音声言語障害:概論

  小児の発声障害

 構音障害 (大塚満美子)

  子どもの構音障害

  口蓋裂

  機能性構音障害

  構音訓練

 吃音 (友永朋美)

  吃音とは

  吃音の概要

  吃音の症状

  吃音の評価

  自然回復

  吃音の治療

  診察の手順

  経過観察とする場合の注意点

  診察の際のポイント

 言語発達障害 (下嶋哲也)

  言語発達障害とは

  聴覚障害によることばの遅れ

  知的発達の障害

  社会性の障害によるコミュニケーション障害

  言語領域に特化した高次脳機能の発達障害

第2章 高齢者に特有な耳鼻咽喉科疾患の診療

高齢者の診療の進め方

 高齢者の診察のコツと注意点 (木村百合香)

  高齢者福祉医療三原則

  高齢者の診療のコツと注意点

 高齢者における治療上の注意点−薬物投与を中心に (神崎 晶)

  高齢者に対する薬物治療の注意

  高齢者に対する全身麻痺下手術とその周術期管理の注意

耳・めまい

 老人性難聴・耳鳴 (内田育恵,杉浦彩子,植田広海)

  老人性難聴

  耳鳴

 加齢による(高齢者の)耳管機能障害 (山口展正)

  耳管の発達と退行変性(高齢者・老化)

  耳管開放症

  滲出性中耳炎

  いわゆる耳管狭窄症

  環境圧変化にともなう気圧外傷

 老人性平衡障害 (橋本 誠,山下裕司)

  加齢と平衡障害

  加齢と平衡機能検査

  老人性平衡障害とは

  老人性平衡障害の診断

  老人性平衡障害に関する検査

  転倒と平衡障害

  老人性平衡障害への対応,アンチエイジング

 椎骨脳底動脈循環不全 (山中敏彰)

  概念と定義

  原因・病因

  診断基準

  臨床症状

  VBI診断のための検査

  予後

  治療

鼻・口腔

 加齢性嗅覚障害 (三輪高喜)

  嗅覚の加齢変化

  嗅覚障害の病態と原因

  加齢性嗅覚障害の診断

  嗅覚障害による日常生活の支障度

  嗅覚障害の予防と対策

 加齢性味覚障害 (坂口明子,阪上雅史)

  加齢による味覚機能の生理的変化

  加齢による味覚障害の原因

  高齢者の味覚障害

  高齢者での味覚障害治療

  高齢者の味覚障害の治療経過

  高齢者の味覚障害への予防と対策

 口腔乾燥症・舌痛症 (石本晋一)

  口腔乾燥症

  舌痛症

のど・気道

 老人性音声障害 (山内彰人)

  老人性音声障害の疫学

  老人性音声障害の診断

  老人性音声障害の治療

 胃食道逆流症 (平林秀樹)

  概念

  臨床症状

  診断

  治療

 誤嚥性肺炎・嚥下障害 (大前由紀雄)

  高齢者の誤嚥性肺炎

  高齢者の誤嚥性肺炎の特徴

  摂食・嚥下のとらえ方

  高齢者の嚥下機能の変化

  嚥下障害の診断

  誤嚥の生じる嚥下機能を評価する

  ガイドラインに基づいた対応

  高齢者における対応の留意点

付録 診察に役立つ資料集

高齢者に対してとくに慎重な投与を要する薬物のリスト

高齢者に多い合併症と使用を控えるべき薬剤

学校健診に関する資料−耳鼻咽喉科保健調査票

 市立幼稚園用

 小学校用

 中学校・中等教育学校・高等学校用

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書籍情報

  • ISBN:9784521734675
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2014年4月
  • 電子版発売日:2021年12月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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