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- 飯塚イズムで学ぶ 流れがわかる!感染症診療の歩きかた
商品情報
内容
「1冊持っていればローテートの際に即戦力となる書籍」をコンセプトとした1冊.感染症診療の基本を学べるよう,総論では、感染症診療の原則ならびに感染症の予防戦略に関して系統的に解説.さらに,各論では,研修医が各科をローテーションすることを意識して部門や診療科ごとに分けた紙面構成とし,臓器をまたいだ横断的な診療スキルを身につけるべく,各疾患のポイントをまとめている.
あわせて読む → 飯塚イズムで学ぶ 流れがわかる!呼吸器診療の歩きかた
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序文
はじめに
残念ながら日本では感染症診療の原則を系統的に学べる機会は多くはない.感染症は学問的に微生物学,臨床感染症学,疫学に大きく分けられるが,独立した臨床感染症学講座をもたない医学部もあるため,感染症に関する卒前教育には差がある.さらに,感染症専門医が在籍している病院も限られているため,卒後臨床研修でも系統的に学ぶ機会が少ない.たとえば,日本感染症学会は,300床以上の医療機関に最低1人の感染症専門医を配置する場合,3,000〜4,000人の専門医が必要であるという試算を出している.しかし,2021年4月時点での専門医数は1,622人に留まっており,その多くは大都市圏に偏在している.そのため,臨床感染症学を学ぶ環境は全国で均一化されていないのだ.そうなると,感染症診療における臨床推論や診療の筋道を系統的に独学する必要が出てくる.
また,世界に目を向けると,開発途上国の死因トップ10のなかに感染症が5疾患入っており,HIV,結核,マラリアを含めて感染症は世界の政策面においても重要な疾患であると位置づけられている.さらに,エボラウイルス病や新型コロナウイルス感染症をはじめとする動物由来の新興感染症の流行や,グローバル化に伴ったデング熱や麻疹の国内流行も起きている.今後も,人畜共通感染症,新興・再興感染症,薬剤耐性などヒトを取り巻く感染症の問題は途絶えることがないと考えられる.
このように感染症診療の独学の必要性や感染症への関心が高まりつつある時代のなかで,本書では,感染症診療の基本を学べるように,まず総論では,系統的に感染症診療の原則ならびに感染症の予防戦略(予防策やワクチン)に関する解説を行う.さらに,各論では,初期研修医や専攻医が各科をローテーションする際に使用できるよう部門や診療科ごとに分けた紙面構成としており,臓器をまたいだ横断的な診療スキルを身につけるべく,各疾患のポイントをまとめている.本書が少しでも感染症診療のボトムアップならびに抗微生物薬の適正使用推進の一助になることを心より願っている.
2022年冬
的野多加志
目次
第1部 総 論
Ⅰ.感染症とは
1 感染症診療とは
Ⅱ.感染症診療の原則
1 患者背景の把握
2 感染臓器の特定
3 原因微生物の推定
4 抗菌薬の選択
5 治療期間の決定
Ⅲ.感染症の予防
1 感染対策~病原微生物の水際対策~
2 ワクチン~備えあれば患いなし~
第2部 各論(状況別)
Ⅰ.救急科編
1 ERでの発熱の見方
2 咽頭炎・扁桃炎
3 インフルエンザ
4 感染性腸炎
5 HIV感染症
6 麻疹
7 風疹
Ⅱ.内科編
1 入院中の発熱の見方
2 カテーテル関連血流感染症
3 偽膜性腸炎
Ⅲ.外科編
1 術後の発熱の見方
2 急性虫垂炎
3 胆嚢炎・胆管炎
4 真菌感染症を疑うポイント~侵襲性カンジダ症~
Ⅳ.小児科編
1 小児の発熱の見方
2 水痘
3 流行性耳下腺炎
4 手足口病
5 パルボウイルスB19感染症
第3部 各論(臓器別)
Ⅰ.呼吸器内科・呼吸器外科編
1 肺炎
2 肺膿瘍・膿胸
3 結核
Ⅱ.循環器内科・心臓血管外科編
1 感染性心内膜炎
Ⅲ.消化器内科編
1 大腸憩室炎
2 肝膿瘍
Ⅳ.腎臓内科・泌尿器科編
1 腎盂腎炎
2 前立腺炎
3 腹膜透析関連腹膜炎
4 尿道炎:淋菌,クラミジア
5 梅毒
Ⅴ.産婦人科編
1 骨盤内炎症性疾患
Ⅵ.脳神経内科・脳神経外科編
1 細菌性髄膜炎:市中
2 細菌性髄膜炎:院内
3 脳膿瘍
Ⅶ.皮膚科編
1 蜂窩織炎
2 帯状疱疹
Ⅷ.整形外科・形成外科編
1 壊死性軟部組織感染症
2 化膿性筋炎
3 骨髄炎
4 化膿性脊椎炎
5 化膿性関節炎
6 人工関節感染症
Ⅸ.耳鼻咽喉科編
1 急性副鼻腔炎
2 急性中耳炎
3 深頸部感染症
Ⅹ.眼科編
1 細菌性眼内炎
XI.膠原病内科・血液内科編
1 免疫不全と感染症
2 好中球減少性発熱
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書籍情報
- ISBN:9784525163617
- ページ数:380頁
- 書籍発行日:2022年2月
- 電子版発売日:2022年4月20日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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