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- 頭頸部癌診療ガイドライン 2022年版
商品情報
内容
頭頸部癌診療の指針となる診療ガイドラインの改訂第4版。化学放射線療法、センチネルリンパ節生検、術後の放射線治療に併用するシスプラチンの投与法、再発転移例へのfirst lineの薬物療法など、近年の重要な臨床試験結果や、遺伝子情報に基づく個別化治療の知見について対応している。新項目として治療各論に「嗅神経芽細胞腫」、CQに「緩和ケア」が追加された。解説項目、CQともにさらに充実した、実臨床を強くサポートする1冊。
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序文
2022年版 序(第4版)
『頭頸部癌診療ガイドライン』は2009年に初版、2013年、2018年に改訂版を出版し、今回の2022年版は4年ぶりの改訂となる。『TNM悪性腫瘍の分類 第8版』(2017年)、『頭頸部癌取扱い規約 第6版』(2018年)で口腔癌のT分類、N分類にN3bの概念の導入、そしてHPV関連中咽頭癌が従来の中咽頭癌から独立するなど大幅な変更があったため臨床現場は混乱したが、その後、数年経ち、新たな分類での知見も得られてきた。また、化学放射線療法、センチネルリンパ節生検、術後放射線治療に併用するシスプラチンの投与法、再発転移例へのfirst lineの薬物療法などの重要な臨床試験の結果が発表され、実際、日常臨床も大きく変化している。また、近年、遺伝子情報に基づくがんの個別化治療も日常臨床にも導入されはじめ、そのような最新の知見についても言及した。
今回の改訂は、コロナ禍のため対面での委員会はほとんど行えず、主にメールで審議を繰り返し行った。この文を書くために数えたところ、1700回以上のやり取りをしていた。私からの次から次へのメールに対応し、莫大な時間を今回の改訂に費やしていただいた頭頸部癌診療ガイドライン作成委員会の先生方に心よりお礼申し上げます。
さいごに、本ガイドラインは頭頸部癌の診療に携わる医師および歯科医師などの医療従事者、さらに、患者やその家族を含めた方が頭頸部癌に対する理解を深めるために利用することを想定して書かれています。以前に増して複雑になってきた頭頸部癌の診療の一助となれば幸甚です。
2022年5月
日本頭頸部癌学会診療ガイドライン委員会 委員長
本間 明宏
目次
ICQ・推奨一覧
I.ガイドラインについて
II.診断
III.治療
III-A.治療総論
III-A-1.手術
III-A-2.がん薬物療法
III-A-3.放射線治療
III-A-4.支持療法
III-A-5.頭頸部癌患者に対するがんリハビリテーション
III-A-6.緩和ケア
III-B.治療各論
III-B-1.口腔癌(舌癌)
III-B-2.上顎洞癌
III-B-3.上咽頭癌
III-B-4.中咽頭癌
III-B-5.下咽頭癌
III-B-6.喉頭癌
III-B-7.甲状腺癌
III-B-8.唾液腺癌(耳下腺癌)
III-B-9.原発不明癌-頸部リンパ節
III-B-10.嗅神経芽細胞腫
IV.クリニカルクエスチョン(CQ)
IV-1.診断
CQ1-1 頭頸部癌のT病期診断においてMRIは有用か?
CQ1-2 頭頸部腫瘍の良悪の鑑別に穿刺吸引細胞診は推奨されるか?
CQ1-3 頭頸部癌の病期診断においてFDG-PETは有用か?
CQ1-4 頭頸部癌治療後の経過観察に画像検査は有用か?
CQ1-5 頭頸部癌治療後の経過観察で再発・転移の検索に血液検査は有用か?
IV-2.口腔癌(舌癌)
CQ2-1 舌癌の深達度をどのようにして測定するべきか?
CQ2-2 舌癌に対する密封小線源治療の適応は?
CQ2-3 早期舌癌においてセンチネルリンパ節生検は有用か?
CQ2-4 舌扁平上皮癌I・II期症例に対して予防的頸部郭清術を行うことは、生存率の向上に寄与するか?
CQ2-5 舌・口腔癌のN1(レベルI)症例に対する肩甲舌骨筋上頸部郭清術(supraomohyoid neck dissection:SOHND)は許容されるか?
CQ2-6 局所進行舌癌に対して術前化学療法は有用か?
CQ2-7 舌半側切除に対する再建は有用か?
CQ2-8 舌亜全摘出以上の症例において、隆起型の舌再建は術後機能の保持に有用か?
IV-3.上顎洞癌
CQ3-1 上顎洞扁平上皮癌眼窩壁浸潤症例において、眼球温存は可能か?
CQ3-2 粒子線治療、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)は、視力温存に寄与するか?
IV-4.上咽頭癌
CQ4-1 上咽頭癌の放射線治療において、強度変調放射線治療は推奨されるか?
CQ4-2 IIIおよびIVA期の上咽頭癌に対して、放射線治療に化学療法を同時に併用することは推奨されるか?
CQ4-3 IIIおよびIVA期の上咽頭癌に対して、同時併用化学放射線療法に導入化学療法ないしは補助化学療法を追加することは推奨されるか?
CQ4-4 II期の上咽頭癌に対して、放射線治療に化学療法を併用することは推奨されるか?
IV-5.中咽頭癌
CQ5-1 HPV関連中咽頭癌の初回治療として放射線治療あるいは化学放射線療法を行う場合、線量を低減することは推奨されるか?
CQ5-2 HPV関連中咽頭癌の初回治療として化学放射線療法を行う場合、薬物療法の薬剤を変更することは推奨されるか?
CQ5-3 中咽頭癌に対して経口的切除術は有用か?
IV-6.下咽頭癌
CQ6-1 早期下咽頭癌において喉頭を温存する治療方針は推奨されるか?
CQ6-2 下咽頭癌に対して経口的切除は有用か?
IV-7.喉頭癌
CQ7-1 T2喉頭癌に対して化学放射線療法は適応となるか?
CQ7-2 早期喉頭癌の放射線治療後再発に対して喉頭温存手術は適応となるか?
CQ7-3 早期喉頭癌(声門癌)に対して加速照射法(寡分割照射)は有用か?
IV-8.甲状腺癌
CQ8-1 甲状腺微小乳頭癌(1 cm以下)に対して経過観察をすることは許容されるか?
CQ8-2 甲状腺癌の手術例において、予防的中央区域郭清は推奨されるか?
CQ8-3 片葉の甲状腺乳頭癌に対して甲状腺全摘術は甲状腺葉峡部切除術に比較して推奨されるか?
CQ8-4 甲状腺全摘術を施行後の甲状腺分化癌に術後補助療法として放射性ヨウ素内用療法を行うことは推奨されるか?
CQ8-5 切除不能・再発甲状腺癌に対して分子標的薬は推奨されるか?
CQ8-6 甲状腺分化癌の術後に補助療法としてTSH抑制療法は推奨されるか?
CQ8-7 標準的薬物療法に不応となった甲状腺癌に対してがん遺伝子パネル検査は有用か?
IV-9.唾液腺癌(主に耳下腺癌)
CQ9-1 唾液腺癌に対して術前の細胞診、組織診、術中迅速病理診断は有用か?
CQ9-2 耳下腺癌で顔面神経麻痺がない場合、顔面神経の温存は推奨されるか?
CQ9-3 耳下腺癌手術症例において顔面神経再建は有用か?
CQ9-4 唾液腺癌に対して予防的頸部郭清は有効か?
CQ9-5 唾液腺癌に対する放射線治療は有効か?
CQ9-6 唾液腺癌の診断に分子病理診断は有用か?
CQ9-7 再発・転移唾液腺癌に対して薬物療法は有効か?
IV-10.原発不明癌-頸部リンパ節
CQ10-1 原発不明癌-頸部リンパ節の原発巣検索にFDG-PETを追加することで正診率は向上するか?
CQ10-2 原発不明癌-頸部リンパ節に対して口蓋扁桃摘出術は原発巣検索に有用か?
CQ10-3 原発不明癌-頸部リンパ節に対して頸部郭清術を行うことは推奨されるか?
CQ10-4 原発不明癌-頸部リンパ節に対して頸部郭清術後に術後放射線治療を行うことは、生存率の向上に寄与するか?
IV-11.がん薬物療法
CQ11-1 喉頭全摘が適応となる切除可能喉頭癌・下咽頭癌に対する喉頭温存療法として、導入化学療法は推奨されるか?
CQ11-2 切除不能局所進行頭頸部扁平上皮癌に対してTPF療法(ドセタキセル+シスプラチン+5-FU)による導入化学療法は推奨されるか?
CQ11-3 術後化学放射線療法において、適切なシスプラチン投与法は何か?
CQ11-4 プラチナ製剤感受性再発・転移頭頸部扁平上皮癌の治療選択において免疫組織化学染色でPD-L1発現(combined positive score:CPS)を確認することは有用か?
CQ11-5 プラチナ製剤感受性の再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対する初回治療として、免疫チェックポイント阻害薬による治療は推奨されるか?
CQ11-6 プラチナ製剤抵抗性の再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対して免疫チェックポイント阻害薬は有用か?
CQ11-7 頭頸部癌に対する超選択的動注化学放射線療法は臓器機能温存に寄与するか?
IV-12.放射線治療
CQ12-1 頭頸部扁平上皮癌術後において術後化学放射線療法は推奨されるか?
CQ12-2 化学放射線療法後の救済手術は有効か?
CQ12-3 頭頸部扁平上皮癌放射線治療あるいは化学放射線療法後の局所再発に対し再照射は推奨されるか?
CQ12-4 小児の頭頸部悪性腫瘍に対し、陽子線治療は推奨されるか?
CQ12-5 口腔・咽喉頭扁平上皮癌に対し、陽子線治療は推奨されるか?
CQ12-6 膠原病患者における頭頸部悪性腫瘍に対し、放射線治療は推奨されるか?
IV-13.緩和ケア
CQ13-1 頭頸部癌終末期では致命的出血に関する事前説明は必要か?
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書籍情報
- ISBN:9784307204576
- ページ数:240頁
- 書籍発行日:2022年5月
- 電子版発売日:2022年5月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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