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- 遺伝性腫瘍ケーススタディー100
商品情報
内容
ゲノム医療の時代ともいえる近年,遺伝性腫瘍診療の知識の重要性もますます高まっています。そのニーズを受け本書は,「実践から学ぶ」べく日本遺伝性腫瘍学会の監修のもと誕生しました。
【本書の特徴】
ケースから学ぶ,その数なんと100!
臨床に生かせる実践的な遺伝性腫瘍のケース,典型的なケースから臨床で押さえておきたいケースまで,100ケースを家系図とともに解説しています。診療経験豊富な執筆陣からの臨床的知識が満載の本書は,診療時の手引きとして活用いただけます。
知識と実践を関連づけて学べる!
100ケースで取り上げる各疾患について,「疾患の解説」パートで基礎知識から血縁者への対応までを詳述しています。本書を通し,臨床に役立つ基礎知識と実践的知識が関連づけて学べます。
遺伝性腫瘍にかかわるすべての職種に!
本書は,遺伝性腫瘍診療に携わる医師のみに限らず,遺伝性腫瘍にかかわる幅広い職種を読者対象として監修されています。各ケースには「血縁者への対応」についての実際も記載されていますので,遺伝看護専門看護師・認定遺伝カウンセラー®など,遺伝性腫瘍の患者・家族にかかわるすべての職種の学びに役立てていただけます。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文
発刊に寄せて
松尾芭蕉が俳諧の理念として提唱した「不易流行(ふえきりゅうこう)」こそ,遺伝性腫瘍にかかわる医療関係者,研究者が目指す道であるという思いを馳せ,2021年秋に本書「遺伝性腫瘍ケーススタデイ100選」を上梓することを一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会の定例理事会で提案しました。「不易流行」とはいつまでも変わらないことを指す「不易」と,時代に応じて変化することを示す「流行」という一見すると相反する概念が,根元においては統合すべきとの概念を表す言葉です。私の思いは誰にも打ち明けてきませんでしたが,本学会の理事・監事・評議員・一般会員の方々のご理解・ご尽力を得て,きわめて迅速に編集作業を進めることができました。ここに謹んで御礼申し上げます。また,このような企画は以前にも理事会で提案されたことがありましたが,諸般の事情で実現できませんでした。学会運営事務局が2021年4月より株式会社へるす出版事業部に移行し,同社の多大なご理解とご協力のもとで,本学会の新たな一歩の証が得られたことをこの場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。
遺伝性腫瘍はすべての腫瘍の5~10%を占めると推定されており,日常診療のなかで私たち医療関係者は多くの遺伝性腫瘍の患者の診療に携わっています。しかし,その大部分の患者については,その事実を知らないままに非遺伝性腫瘍の患者と同様の医学的管理を提供してきたと言っても過言でありません。遺伝性腫瘍に関する書籍は繰り返し出版され,知識の整理にきわめて有用でした。また,近年ではいくつかの遺伝性腫瘍に関する診療ガイドラインも公開されており,実地臨床における一定の指針が示されてきています。しかしながら,遺伝性腫瘍の診療の根幹ともいうべき①診断,②治療,③サーベイランス,④血縁者への対応などについて,さまざまなケース・家系を通して学ぶことができる書籍は今までなかったと思います。本書は,第Ⅰ章で遺伝性腫瘍を学ぶうえでの臨床遺伝学,臨床腫瘍学の基礎知識を整理・確認する,Ⅱ章では実地臨床で遭遇し得る遺伝性腫瘍の知識や臨床的対応法を理解する,Ⅲ章で遺伝性腫瘍あるいは類縁ないし鑑別を要するケースを通して,診療現場を時間的・空間的見地から疑似体験する,の3部構成としています。Ⅲ章の100ケースについては,実際に遺伝性腫瘍にかかわり,当該疾患に造詣の深い本学会会員の方々から執筆いただきました。遺伝性腫瘍のさまざまな特殊性から,臨床情報や家系情報の一部は事実と異なる点があることをあらかじめご了解いただきたいと思います。
遺伝性腫瘍やがんゲノム医療に携わる医療者や,遺伝性腫瘍を学ぶ学生諸兄におかれましては,本書を常に手元に置いていただくことで,わが国の遺伝性腫瘍に対する診療レベルの向上と,ひいては遺伝性腫瘍の患者と家族の方々の健康増進に役立つことを願ってやみません。
2022年6月吉日
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会 第4代理事長
埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科/ゲノム診療科 教授
石田秀行
目次
Ⅰ 総論
1 遺伝性腫瘍の概要
2 遺伝性腫瘍の診断とバリアントの解釈
3 遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリング
4 がんゲノム医療と遺伝性腫瘍に対する薬物療法
Ⅱ 疾患の解説
1 遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer,HBOC)
2 Lynch症候群(Lynch syndrome)
3 家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis,FAP)
4 遺伝性過誤腫性ポリポーシス:Peutz-Jeghers症候群,若年性ポリポーシス症候群,Cowden症候群/PTEN 過誤腫症候群
5 遺伝性びまん性胃癌(hereditary diffuse gastric cancer,HDGC)
6 多発性内分泌腫瘍症1型/2型:MEN1/MEN2
7 Li-Fraumeni症候群(Li-Fraumeni syndrome,LFS)
8 von Hippel-Lindau病:VHL病(von Hippel-Lindau disease)
9 神経線維腫症1型(neurofibromatosis 1:NF1,Recklinghausen disease), 神経線維腫症2型(neurofibromatosis 2:NF2)
10 結節性硬化症(tuberous sclerosis complex,TSC)
11 遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ症候群 (hereditary pheochromocytoma-paraganglioma syndrome,HPPS)
12 遺伝性網膜芽細胞腫(hereditary retinoblastoma)
13 家族性膵癌・遺伝性膵癌(familial pancreatic cancer/hereditary pancreatic cancer)
Ⅲ ケースシリーズ
遺伝性乳癌卵巣癌:HBOC
001 乳癌,RRSO(BRCA1)
002 乳癌,RRSO,CRRM(BRCA2)
003 同時性両側乳癌(BRCA1)
004 乳癌,BRRM(BRCA1)
005 乳癌卵巣癌,BRCA1バリアント(VUS)への対応
006 BRCA1病的バリアント
007 血縁者診断で病的バリアント確定→ MRI サーベイランス→乳癌発見
008 MGPTで診断,RRSO,CRRM
009 左乳癌,BRCA1バリアント(VUS)への対応
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)関連乳癌・卵巣癌
010 広義のHBOC を疑ってMGPT→PALB2に病的バリアント
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)関連乳癌
011 広義のHBOCを疑ってMGPT→ATM に病的バリアント
遺伝性乳癌卵巣癌:HBOC
012 男性乳癌(BRCA2)
013 BRCA1/2遺伝学的検査(コンパニオン診断)
014 左乳癌典型例(BRCA1)
015 卵巣癌→乳腺のサーベイランス
016 卵巣癌,BRRM
017 腹膜癌(BRCA1)
018 RRSO+BRRM 同時実施(BRCA2)
019 異時性乳癌・卵巣癌を契機にHBOC 診断
020 RRSO →オカルト癌→卵管癌根治手術(BRCA2)
021 Lynch症候群との鑑別
022 肺癌に対するCGP→BRCA2バリアント同定
023 転移性去勢抵抗性前立腺癌(BRCA2)
家族性膵癌
024 サーベイランス
膵癌遺伝性リスク保有者(膵炎症例)
025 家族歴からBRCA1/2遺伝学的検査
遺伝性膵癌
026 コンパニオン診断ケース
家族性大腸腺腫症:FAP
027 予防的大腸全摘・回腸囊肛門吻合術
028 結腸全摘・回腸直腸吻合術後の残存直腸癌
029 甲状腺癌
030 デスモイド腫瘍
031 十二指腸多発腺腫・粘膜内癌
032 attenuated FAP(AFAP),外科治療
033 attenuated FAP(AFAP),長期内視鏡サーベイランス
034 大腸腺腫:積極的摘除
035 早期胃癌
036 乳頭部腺腫(内視鏡的切除)
体細胞 APC モザイク
037 末梢血・大腸粘膜・ポリープから同一バリアント検出
MUTYH 関連ポリポーシス
038 孤発例
若年性ポリポーシス症候群:JPS
039 小児例
040 大腸型(BMPR1A)
041 全消化管(胃・腸管)型(SMAD4)
Peutz-Jeghers症候群:PJS
042 小児例に対する小腸内視鏡
043 子宮頸部腺癌・十二指腸癌など悪性腫瘍多発家系
044 肝内胆管癌
Cowden症候群/PTEN過誤腫症候群:CS/PHTS
045 大腸癌,子宮内膜癌合併
046 重症持続型気管支喘息合併
047 両側乳癌の術後に腎細胞癌発症
048 出血をきたした巨大胃ポリープ
049 多発動静脈奇形
胃腺癌および近位胃ポリポーシス:GAPPS
050 APC promotor 1B に病的バリアント
遺伝性びまん性胃癌:HDGC
051 典型例
052 乳腺小葉癌合併家系
Lynch症候群
053 高齢者異時性多発大腸癌(MSH2)
054 結腸癌(EPCAM)
055 脂腺系腫瘍,Muir-Torre症候群
056 創始者バリアントと推測される1家系:MLH1欠損
057 胆道癌
058 尿管癌
059 胃癌
060 十二指腸癌
061 子宮内膜癌→結腸癌(結腸全摘術)(MSH2)
062 子宮内膜癌(MSH6)
063 卵巣癌
064 脳腫瘍に対するCGP で診断(MSH2)
065 子宮癌・大腸癌(MSH6)
066 結腸癌(PMS2)
067 多数の関連腫瘍に対する治療・サーベイランス(MLH1)
068 子宮内膜癌,MLH1のVUS
Lynch症候群類縁疾患
069 MLH1 germline epimutation
Lynch-like症候群:LLS
070 結腸癌
071 子宮内膜癌
先天性ミスマッチ修復欠損症:CMMRD
072 両アレルに病的バリアント(MSH6)
家族性大腸癌タイプ X:FCCTX
073 左側結腸癌好発家系
多発性内分泌腫瘍症1型:MEN1
074 若年発症の原発性副甲状腺機能亢進症・インスリノーマ
075 膵・消化管神経内分泌腫瘍
076 胸腺神経内分泌腫瘍
077 プロラクチノーマ,原発性副甲状腺機能亢進症
078 臨床的MEN1(バリアント未検出)
多発性内分泌腫瘍症2型:MEN2
079 甲状腺髄様癌,両側褐色細胞腫(MEN2A)
080 甲状腺髄様癌,若年褐色細胞腫(MEN2A,妊娠中)
081 甲状腺髄様癌(familial medullary thyroid carcinoma, FMTC)
082 甲状腺髄様癌,両側褐色細胞腫,舌粘膜神経腫,巨大結腸症(MEN2B)
083 小児MEN2A に対する早期甲状腺全摘術
von Hippel-Lindau病:VHL病
084 腎腫瘍への治療介入
085 副腎褐色細胞腫・膵神経内分泌腫瘍のマネジメント
086 小脳・脊髄多発血管芽腫
結節性硬化症:TSC
087 脳室内腫瘍に対する内視鏡治療
088 腎腫瘍と脳腫瘍を併発してアフィニトール® を投与した1ケース
遺伝性網膜芽細胞腫:RB
089 両側性RB,副鼻腔肉腫
090 RB1全欠失
遺伝性パラガングリオーマ
091 SDHB病的バリアント
遺伝性褐色細胞腫
092 高齢者両側発生(TMEM127)
Li-Fraumeni症候群:LFS
093 Chompret の基準合致例
094 脈絡叢腫瘍,髄芽腫,de novoのケース
095 既往歴・家族歴から遺伝学的検査で確定
096 後腹膜脂肪肉腫,CGPで診断
097 乳癌発症を契機に診断
神経線維腫症1型:NF1
098 毛様細胞性星細胞腫に対する集学的治療
神経線維腫症2型:NF2
099 両側聴神経腫瘍
100 脳神経鞘腫術後に発生した聴神経腫瘍
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書籍情報
- ISBN:9784867190425
- ページ数:216頁
- 書籍発行日:2022年6月
- 電子版発売日:2022年6月29日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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