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- 泌尿器科薬剤の考え方,使いかた 改訂2版
商品情報
内容
排尿障害・腫瘍・感染症を1冊で網羅した好評書に新規承認薬が加わりアップデート.フローチャートと表で適応,用法・用量,処方の注意点や評価項目,推奨グレードや薬剤選択の順序がひと目でわかる! 数あるガイドラインの薬剤の部分をかみ砕いてまとめた泌尿器科医だけでなくプライマリケアやクリニック,研修医にも役立つ必携書!
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序文
第2版序文
第1版が2020年9月に出版されてから2年も経過していませんが,今回,最新の情報を提供するためのアップデートを行い,ここに第2版を出版いたしました.本書で取り上げている排尿障害,泌尿器科腫瘍,尿路・性器感染症の領域においては,診断・治療の進歩は日進月歩であり,薬物治療においても新規薬剤の導入,新しい逐次療法の考え方の開発が相次いでいます.本来であれば,診療ガイドラインが新規エビデンスにもとづいて適宜改訂される必要がありますが,ガイドラインの改訂には多大な労力を必要とすることもあり,現実的には本邦の多くのガイドラインの改訂には数年を要しており,診療ガイドラインが最新の情報を提示できているとは限らない状況にあります.本書は,「泌尿器科領域の日常よく遭遇する疾患について,1冊を外来の手元においておけば,適切な薬物治療が症例ごとに簡潔に調べられるような参考書」というコンセプトで編集されましたが,最新の情報を提供することも重要なポイントであると考えています.
第2版では,初版と同じく私が排尿障害,西山博之先生(筑波大学腎泌尿器外科学教授)が泌尿器科腫瘍,山本新吾先生(兵庫医科大学泌尿器科学教授)が尿路・性器感染症の編集を行い,第一線の臨床で活躍されている先生に,これらの領域における最新情報のアップデートを含めて執筆をお願いいたしました.本書は,日常臨床,特に外来診療での薬物治療において,薬剤の選択,適応,用法・用量,投与時・投与中の注意点や評価項目を一目でわかるように記載し,ガイドラインを補完するクオリティを備え,さらに最新の情報を提供する臨床医にとって有用な書と自負しています.本書を泌尿器科日常診療の現場に常備して頂き,診療にお役立て頂きましたら,編者,執筆者の望外の喜びです.
最後に,ご好評をいただいているおかげでこのような短期間で改訂を迎えられましたこと,心より感謝申し上げます.
2022年5月
編者を代表して
後藤百万
目次
第1章 排尿障害(下部尿路機能障害)
A.前立腺肥大症〈後藤百万〉
1.総論
2.α₁遮断薬
COLUMN 術中虹彩緊張低下症候群
3.PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬
4.5α還元酵素阻害薬
5.併用薬物療法
COLUMN 併用療法後の単剤治療への変更は可能か
6.その他の薬剤(前立腺肥大症に保険適用のある)
B.過活動膀胱〈橘田岳也〉
1.総論
2.β₃作動薬
COLUMN β₃作動薬と排尿機能
3.抗コリン薬
4.併用薬物療法
COLUMN ポリファーマシー
5.その他の薬剤
C.夜間頻尿〈吉田正貴〉
1.総論
2.β₃作動薬
3.抗コリン薬
4.α₁遮断薬
5.PDE5阻害薬
6.利尿薬
7.デスモプレシン
8.その他の薬剤
D.その他の日常よく遭遇する下部尿路機能障害〈後藤百万〉
1.間質性膀胱炎・膀胱痛症候群での薬の使い方
2.糖尿病による神経因性膀胱での薬の使い方
3.脳血管障害による神経因性膀胱での薬の使い方
4.排尿筋低活動での薬の使い方
5.小児夜尿症での薬の使い方
第2章 泌尿器腫瘍
A.前立腺がん
1.総論〈宮澤慶行 鈴木和浩〉
2.LHRHアゴニスト,GnRHアンタゴニスト〈宮澤慶行 鈴木和浩〉
3.抗アンドロゲン薬〈宮澤慶行 鈴木和浩〉
4.CYP17阻害薬(アビラテロン)〈宮澤慶行 鈴木和浩〉
5.RI治療薬〔塩化ラジウム(ゾーフィゴ®)〕〈内海孝信 神谷直人 鈴木啓悦〉
6.PARP阻害薬(オラパリブ)〈内海孝信 神谷直人 鈴木啓悦〉
7.Taxane系抗がん剤(ドセタキセルとカバジタキセル)〈内海孝信 神谷直人 鈴木啓悦〉
8.対症療法・その他前立腺がんに関する薬物療法〈内海孝信 神谷直人 鈴木啓悦〉
9.その他前立腺がんに関する薬物療法〈内海孝信 神谷直人 鈴木啓悦〉
B.尿路上皮がん
1.総論〈北村 寛〉
2.抗がん剤膀胱内注入療法〈北村 寛〉
3.BCG膀胱内注入療法〈北村 寛〉
4.GC(ゲムシタビン/シスプラチン)療法〈湯浅 健〉
5.MVAC療法とその他全身化学療法〈湯浅 健〉
6.PD-1/PD-L1阻害薬〈湯浅 健〉
7.エンホルツマブ ベドチン〈湯浅 健〉
C.腎がん
1.総論〈大澤崇宏〉
2.TKI〈大澤崇宏〉
3.mTOR阻害薬〈大澤崇宏〉
4.免疫チェックポイント阻害薬〈後藤駿介 江藤正俊〉
5.免疫チェックポイント阻害薬+チロシンキナーゼ阻害薬〈後藤駿介 江藤正俊〉
6.サイトカイン療法〈後藤駿介 江藤正俊〉
第3章 尿路感染症・性器感染症
A.膀胱炎〈速見浩士〉
1.総論
2.βラクタム系経口抗菌薬(BLI配合ペニシリン系・セフェム系)
3.キノロン系経口抗菌薬
4.ESBL産生菌に有効な経口抗菌薬
5.その他の経口抗菌薬
COLUMN 再発予防
COLUMN 複雑性膀胱炎(カテーテル非留置症例)の治療
COLUMN 無症候性細菌尿
B.腎盂腎炎〈石川清仁〉
1.総論
2.βラクタム系経口抗菌薬(セフェム系・BLI配合ペニシリン系)
3.キノロン系経口抗菌薬
4.βラクタム系注射抗菌薬(セフェム系・BLI配合セフェム系・BLI配合ペニシリン系)
5.カルバペネム系注射抗菌薬
6.キノロン系注射抗菌薬
7.その他の注射抗菌薬(アミノグリコシドなど)
COLUMN 尿路閉塞を伴う腎盂腎炎の治療
COLUMN 重症度分類
C.細菌性前立腺炎〈和田耕一郎〉
1.総論
2.βラクタム系経口抗菌薬
3.キノロン系経口抗菌薬
4.βラクタム系注射抗菌薬
5.カルバペネム系注射抗菌薬
6.キノロン系注射抗菌薬
7.その他の抗菌薬
COLUMN 尿閉患者に対する排尿管理は膀胱瘻か? それとも尿道カテーテルか?
COLUMN 泌尿器科的な外科的介入は必要か?
COLUMN 経直腸的前立腺生検における予防抗菌薬, 生検後前立腺炎に対する治療は?
D.精巣上体炎〈和田耕一郎〉
1.総論
2.βラクタム系経口抗菌薬
3.キノロン系経口抗菌薬
4.テトラサイクリン系抗菌薬(経口/注射)
5.βラクタム系注射薬(カルバペネム系を除く)
6.カルバペネム系注射抗菌薬
7.キノロン系注射抗菌薬
8.その他の抗菌薬
COLUMN 細菌性前立腺炎を合併している症例に対する対処は?
COLUMN 治癒判定はどのように行うか? 硬結が消えるまで治療が必要か?
E.慢性前立腺炎〈市原浩司 高橋 聡〉
1.総論
COLUMN 慢性前立腺炎の分類
2.抗菌薬
3.α₁遮断薬
4.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)・その他解熱鎮痛剤
5.セルニチンポーレンエキス
6.その他の併用可能な薬剤(筋弛緩薬,消炎酵素薬など)
COLUMN 2グラステストは必須か?
COLUMN 前立腺マッサージの有用性
COLUMN 治療における留意点
COLUMN 治療効果判定について
F.淋菌性尿道炎〈濱砂良一〉
1.総論
2.薬剤の種類と実際の用法
COLUMN アジスロマイシン(ジスロマック®:AZM)
COLUMN 淋菌の性器外感染と治療
G.非淋菌性尿道炎〈濱砂良一〉
1.総論
2.非淋菌性尿道炎としての第1選択薬
3.マクロライド系抗菌薬
4.ニューキノロン系抗菌薬
COLUMN Mollicutes網に属する細菌の病原性
H.梅毒〈濱砂良一〉
1.総論
2.薬剤の種類と実際の用法
COLUMN 梅毒患者数の増加
I.性器ヘルペス〈濱砂良一〉
1.総論
2.薬剤の種類と実際の用法
J.尖圭コンジローマ〈濱砂良一〉
1.総論
2.薬剤の種類と実際の用法
3.その他の治療法
K.尿路性器結核〈安田 満〉
1.総論
COLUMN 感染尿の取扱い,患者隔離の必要性
COLUMN 結核発見の遅れ(Total delay)
COLUMN 外科的切除との併用療法
COLUMN 服薬コンプライアンスを向上させる工夫
COLUMN BCG感染時の化学療法
2.リファンピシン
3.イソニアジド
COLUMN 減感作療法
4.ピラジナミド
5.ストレプトマイシン
6.エタンブトール
7.キノロン系経口抗菌薬
COLUMN 多剤耐性結核に対する併用療法
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書籍情報
- ISBN:9784498064379
- ページ数:308頁
- 書籍発行日:2022年7月
- 電子版発売日:2022年6月30日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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