現場の疑問に答える 周産期医療Q&A

  • ページ数 : 314頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年7月6日
5,720
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商品情報

内容

外来診療も産科救急も!

標準治療指針・ガイドラインの推奨だけでは対処できない実臨床で使える,現実的な診療の技を学び,臨床力をUPしよう.外来診療も産科救急も! 臨床で実際に生じる疑問に答えた現場で本当に役立つ1冊.一歩踏み込んだガイドラインを補完する知識を,具体的な症例と共にエキスパートが伝授!

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序文

本書の発刊に寄せて

わが国の周産期診療に,ガイドラインやevidence based medicine(EBM)の概念が広く根付いて久しくなりました.今や,時代に即したコンセンサスに基づく標準治療を行うことが診療のゴールデンスタンダードとなっています.しかし,病棟や外来における日常診療の現場では,治療方針の判断に迷う症例に遭遇することをしばしば経験します.多様な臨床的背景を勘案して,標準治療を参照しつつ現実的な治療方法を選択することが求められることが少なくありません.実際,ガイドラインなどにおいても複数の指針が併記されている場合も稀ではありません.

本書は,臨床現場で経験される事象でいわば「ガイドラインの隙間」となり,必ずしも明確な指針が示されていないテーマあるいは施設として取り組みが必要なテーマなど36のテーマを選びました.そして,シンプルに,第1章「産科外来における疑問」,第2章「産科救急についての疑問」,第3章「児の長期予後についての疑問」に分類して,臨床の第一線で活躍されている気鋭の医師の皆様に執筆して頂きました.

執筆者の皆様には可能な限り具体的な症例の提示をお願いし,現場の医師の皆様へのメッセージを稿末に記載して頂きました.本書が周産期医療を学ぶ若手医師の皆様,あるいは周産期医療の第一線で活躍されている皆様のお役に立てることを祈念致しております.


2022年6月

浜松医科大学産婦人科 教授
伊東 宏晃

目次

第1章 産科外来における疑問

Q1 高血圧を合併し妊娠を希望する女性に,妊娠の可否やリスクを問われた場合の対応を教えてください 〈吉松 淳〉

Q2 VTE既往があり妊娠を希望する女性に,妊娠の可否を問われた際や,リスク時の対応を教えてください 〈杉村 基〉

Q3 重症の妊娠高血圧症候群の既往がある妊婦の取り扱いを教えてください 〈渡辺員支〉

Q4 SGA児の出産の既往がある妊婦の取り扱いを教えてください 〈小谷友美〉

Q5 常位胎盤早期剝離の既往がある妊婦の取り扱いを教えてください 〈栗谷佳宏,石井桂介〉

Q6 妊婦初期検査においてトキソプラズマ抗体陽性であった妊婦の取り扱いを教えてください 〈谷村憲司,山田秀人〉

Q7 重篤な妊娠悪阻の場合に推奨される検査,鑑別と対応を教えてください 〈古川誠志〉

Q8 妊娠初期に膜性診断されていない双胎妊娠の取り扱いを教えてください 〈村越 毅〉

Q9 付属器に腫瘤を認める妊婦の取り扱いを教えてください 〈藤田恭之〉

Q10 子宮頸管が妊娠中期に短縮した症例の取り扱いを教えてください 〈大槻克文〉

Q11 妊娠中期・後期になり尿蛋白が(2+)程度持続的に陽性となるも血圧が正常である妊婦の取り扱いを教えてください 〈藤田太輔,大道正英〉

Q12 妊婦への無症候性細菌尿のscreeningについて教えてください 〈川合健太〉

Q13 34週以降の早産であるlate preterm birthの既往がある妊婦の取り扱いを教えてください 〈谷垣伸治,浅野史男,佐藤泰紀〉

Q14 妊娠中期に性器出血を主訴に受診した妊婦の対応を教えてください 〈杉原弥香,下屋浩一郎〉

Q15 妊娠初期中期に新型コロナウイルスに感染した妊婦の取り扱いを教えてください 〈芹沢麻里子〉

Q16 帝王切開創部の極端な菲薄化を認めた妊婦の取り扱いを教えてください 〈亀井良政〉

Q17 妊娠37週以降の正期産期の羊水過少に対する対応について,分娩誘発の適応や留意点を教えてください 〈森川 守〉

第2章 産科救急についての疑問

Q1 超緊急帝王切開にそなえた施設としての準備や他の診療科との連携を教えてください 〈幸村友季子〉

Q2 分娩進行中に妊婦に痙攣発作を認めた場合の鑑別と対応を教えてください 〈大野泰正〉

Q3 分娩時の血圧上昇に対して,降圧薬と硫酸マグネシウムのそれぞれの適応,使い分け,具体的な使用方法を教えてください 〈松原圭一〉

Q4 陣痛発来で来院した妊婦に新型コロナウイルス感染症が疑われる場合の対応を教えてください 〈倉澤健太郎〉

Q5 産科危機的出血における子宮内バルーンタンポナーデの適応について教えてください.また,バルーンの使用法を教えてください 〈近藤英治〉

Q6 危機的産科出血におけるIVR治療の適応と実際を教えてください 〈棚橋裕吉,五島 聡〉

Q7 羊水塞栓症の診断と対処方法について,とりわけ消費性凝固障害の視点から教えてください 〈小田智昭〉

Q8 産科危機的出血におけるフィブリノゲン製剤やクリオプレシピテートの実際とノボセブンの適応との違いを教えてください 〈牧野真太郎〉

Q9 産科救急における複数診療科の連携につき,施設としての取り組みを教えてください 〈成?勝彦,竹田善紀,赤坂珠理晃〉

Q10 死戦期帝王切開に備えた施設としての準備や院内の連携を教えてください 〈荻田和秀〉

Q11 母体死亡があった場合の適切な対応を教えてください 〈長谷川潤一〉

Q12 硬膜外無痛分娩における局所麻酔薬中毒や全脊椎麻酔の診断のポイントや適切な対応を教えてください 〈朝羽 瞳〉

Q13 妊婦の敗血症についての診断と治療のポイントを教えてください 〈早田英二郎,中田雅彦〉

Q14 母体救命のスキルアップについて教えてください 〈橋井康二〉

第3章 児の長期予後についての疑問

Q1 神経性やせ症などによる重度のやせ妊婦の取り扱いを教えてください.また,子どもの将来の健康について教えてください 〈春日義史〉

Q2 高度肥満(BMI 35以上)の取り扱いを教えてください.また子どもの将来の健康について教えてください 〈増山 寿〉

Q3 妊娠中に投与された抗菌薬や妊婦の食事と母や児の腸内細菌叢との関連について教えてください 〈原田美由紀〉

Q4 妊娠糖尿病の妊婦より出生した児の長期予後について教えてください.また,妊娠糖尿病を発症した妊婦の将来の2型糖尿病発症リスクを教えてください 〈横山真紀,杉山 隆〉

Q5 妊娠中の向精神薬や抗てんかん薬の内服は生まれた子どもに影響しますか.教えてください 〈宇野千晶,八鍬奈穂,村島温子〉

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784498160361
  • ページ数:314頁
  • 書籍発行日:2022年7月
  • 電子版発売日:2022年7月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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