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そこが知りたかった!精神科薬物療法のエキスパートコンセンサス

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年8月1日
4,840
(税込)
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商品情報

内容

61の臨床上の疑問に専門医はこう答えた!

精神科医療のベースにして最重要ともいえる薬物療法だが、日々の臨床において多くの医師が処方や治療の困難に悩まされているのではないだろうか。
本書はそのような悩みに応えるべく、治療に戸惑う場面でありながらも、良質なエビデンスが不足している61の臨床場面について日本臨床精神神経薬理学会が専門医に対して行った調査結果を示すとともに そのような結果に至った理由などを含めた詳細な分析や先行するガイドライン、メタ解析なども紹介している。

具体的には、
・多くの医師が遭遇し、治療の難しさを感じやすいと思われるうつ病23、双極性障害19、統合失調症19 の計61に及ぶCQの設定
・9段階のリッカート尺度により各選択肢がエキスパートにどのような評価がされているかを 一目でわかりやすいグラフのかたちで提示。それに対する分析・解説も付している
・各CQについて先行するガイドラインなどではどのような意見が記載されているかを示し標準とされる処方例や今回の調査結果との差異も理解できる
といった点が本書の特長となるだろう。

経験豊富な多数の専門医たちの実処方に直接触れることができるのは何にも増して心強さを感じられるはずである。
自身の処方と同じなのか、あるいは違いがあるのか、本書を読み解きながら多くを学んでいただき、今後の臨床に役立つ1冊としてほしい。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文

はじめに


本書は日本臨床精神神経薬理学会医学教育委員会が発刊するシリーズ第1弾です.

一般社団法人日本臨床精神神経薬理学会は「臨床精神神経薬理学を発展させ,精神科薬物療法を向上させる」という目的を掲げ,1991年11月10日,福島県立医科大学にて「第1回臨床精神神経薬理研究会」としてスタートしました.1994年に「臨床精神神経薬理学会」に,1995年には「日本臨床精神神経薬理学会」へと名称変更され,2010年には一般社団法人となり,現在会員数は1,500名を超えています.また,多くの精神医学分野の教授,多数の優秀な研究者も輩出していますし,なにより,エネルギッシュな若い世代が着実に育っております.

臨床精神神経薬理学は「精神神経系領域の臨床薬理学,すなわち,適切な対象群に適切な薬剤を適切な量および方法で投与する合理的薬物療法のあり方を科学的に追及する学問領域」です.精神科薬物療法をbrushupするために本学会で扱われるtopicsは,精神科薬物療法に関連する薬物動態学,薬力学,genome薬理学,薬物療法アルゴリズム,薬物相互作用,有害事象,向精神薬の開発治験などさまざまです.

臨床で遭遇する精神科薬物療法で迷う場面においては良質なエビデンスが不足しているために,通常の診療ガイドラインでは対応できない臨床疑問に対して,日本臨床精神神経薬理学会の薬物療法の専門医(日本臨床精神神経薬理学会専門医)のエキスパートの意見を取りまとめて答えることを目的として,エキスパートコンセンサスを取りまとめています.なお今回は,グラクソ・スミスクライン株式会社の助成を得て作成されました.

当コンセンサスは,日本臨床精神神経薬理学会専門医が,うつ病,統合失調症,双極性障害のさまざまな難しい臨床場面における治療選択肢について,9段階のリッカート尺度により,それぞれの選択肢に同意できる程度を最高値9~最低値1で回答した調査結果を集計しました.さらに経験豊富な執筆陣がこの調査結果を専門家の視点で解説しています.

本書がみなさまの日々の臨床にお役立ていただければ幸甚です.


日本臨床精神神経薬理学会 医学教育委員会
古郡規雄

目次

はじめに

本書のご使用にあたって

精神科チーム医療における治療計画策定 ―エキスパートコンセンサスを踏まえて―(鈴木健文)

今回のエキスパートコンセンサスの作り方(櫻井 準)

第1章 うつ病

エビデンスで証明されていること,いないこと―うつ病(菊地俊暁)

CQ1 初発うつ病の中等症~重症例にどの薬剤を選びますか?

CQ2 初発うつ病の軽症例にどの薬剤を選びますか?

CQ3 初発うつ病で不安が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ4 初発うつ病で激越や著しい焦燥が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ5 初発うつ病で不眠が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ6 初発うつ病で興味・関心の喪失が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ7 初発うつ病で食思不振が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ8 初発うつ病で希死念慮を認める場合,どの薬剤を選びますか?

CQ9 初発うつ病の高齢者例にどの薬剤を選びますか?

CQ10 抗うつ薬単剤による十分期間の治療で治療反応がほとんど認められず,有効用量ではあるが最大用量ではない場合,どのような選択をしますか?

CQ11 SSRI単剤による十分量,十分期間の治療で中等症以上の抑うつ症状が残存する(治療反応が得られていない)場合,どのような選択をしますか?

CQ12 SSRI単剤による十分量,十分期間の治療で改善はしているが寛解していない場合(部分反応),どのような選択をしますか?

CQ13 SNRI単剤による十分量,十分期間の治療で中等症以上の抑うつ症状が残存する(治療反応が得られていない)場合,どのような選択をしますか?

CQ14 SNRI単剤による十分量,十分期間の治療で改善はしているが寛解していない場合(部分反応),どのような選択をしますか?

CQ15 ミルタザピン単剤による十分量,十分期間の治療で中等症以上の抑うつ症状が残存する(治療反応が得られていない)場合,どのような選択をしますか?

CQ16 ミルタザピン単剤による十分量,十分期間の治療で改善はしているが寛解していない場合(部分反応),どのような選択をしますか?

CQ17 適応障害,身体症状症等の神経症圏の抑うつ症状にどの薬剤を選びますか?

CQ18 ボーダーライン型パーソナリティ障害の抑うつ症状にどの薬剤を選びますか?

CQ19 初発うつ病例でベンゾジアゼピン系抗不安薬をどのくらいの期間併用しますか?

CQ20 電気けいれん療法(ECT)施行時に,以下の薬剤を減量・中止しますか?

CQ21/CQ22 初発エピソードの治療で抗うつ薬に別の向精神薬を追加する増強療法が奏効した場合,追加した向精神薬はいつ減量・中止しますか? 複数回エピソードの治療で抗うつ薬に別の向精神薬を追加する増強療法が奏効した場合,追加した向精神薬はいつ減量・中止しますか?

CQ23 抗うつ薬を中止する場合,以下のどの要素を考慮して中止を検討しますか?

コラム

第2章 双極性障害

エビデンスで証明されていること,いないこと―双極性障害(加藤正樹)

CQ1 双極Ⅰ型障害の躁病エピソードに対して,どのような薬物療法を選びますか?

CQ2 双極Ⅱ型障害の軽躁病エピソードに対して,どのような薬物療法を行いますか?

CQ3 高齢者の躁病エピソードに対してどのような薬物療法を行いますか?

CQ4 双極Ⅰ型障害の抑うつエピソードに対して,どのような薬物療法を行いますか?

CQ5 双極Ⅱ型障害の抑うつエピソードに対して,どのような薬物療法を行いますか?

CQ6 高齢者の抑うつエピソードに対してどのような薬物療法を行いますか?

CQ7 双極Ⅰ型障害の混合性の特徴を伴う抑うつエピソードに対して,どのような薬物療法を行いますか?

CQ8 双極Ⅱ型障害の混合性の特徴を伴う抑うつエピソードに対して,どのような薬物療法を行いますか?

CQ9 双極Ⅰ型障害の抑うつエピソードに対して抗うつ薬を用いますか?

CQ10 双極Ⅱ型障害の抑うつエピソードに対して抗うつ薬を用いますか?

CQ11 双極Ⅰ型障害の抑うつエピソードが持続し,気分安定薬に加えて抗うつ薬を併用する場合,どの薬剤を選びますか?

CQ12 双極Ⅱ型障害の抑うつエピソードが持続し,抗うつ薬を使用する場合(抗うつ薬のみ,もしくは気分安定薬との併用を含め),どの薬剤を選びますか?

CQ13 双極Ⅰ型障害の維持期において,どのような薬物療法を行いますか?

CQ14 双極Ⅱ型障害の維持期において,どのような薬物療法を行いますか?

CQ15 急速交代型の維持期においてどのような薬物療法を行いますか?

CQ16 リチウムを用いて同一用量で1 年以上治療を続け,特に副作用がなく経過している患者を診るとき,血液検査はどの程度の頻度で行いますか?

CQ17 リチウムで治療を続ける際,血液検査でどの項目を重視しますか?

CQ18 双極性障害例にベンゾジアゼピン系抗不安薬をどのくらいの期間併用しますか?

CQ19 双極性障害において気分安定薬を中止する場合,以下のどの要素を考慮して中止を検討しますか?

コラム

第3章 統合失調症

エビデンスで証明されていること,いないこと―統合失調症(内田裕之)

CQ1 陽性症状が前景となる場合,どの薬剤を選びますか? 

CQ2 陰性症状が前景となる場合,どの薬剤を選びますか? 

CQ3 抑うつ・不安症状が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ4 興奮・攻撃性が前景となる場合,どの薬剤を選びますか?

CQ5 目立った症状がなく,再発予防が目的の場合,どの薬剤を用いますか?

CQ6 目立った症状がなく,社会復帰を目標にしている場合,どの薬剤を用いますか?

CQ7 高齢者に対してどの薬剤を選びますか?

CQ8 錐体外路系副作用が出やすい場合,どの薬剤を用いますか?

CQ9 持効性注射剤をどの時点で導入しますか?

CQ10 陽性症状が前景となる場合,どの持効性注射剤を用いますか?

CQ11 陰性症状が前景となる場合,どの持効性注射剤を用いますか?

CQ12 急性期治療において抗精神病薬の単剤治療で興奮の鎮静が不十分な場合,どの治療方法を併用しますか?

CQ13 興奮・焦燥症状が一時的に強くなった際,どのような薬剤を頓服として使用しますか?

CQ14 抑うつ・不安症状に,抗精神病薬に加えてどの薬を併用しますか?

CQ15 強迫症状に,抗精神病薬に加えてどの薬を併用しますか?

CQ16 治療抵抗性統合失調症の治療において,次のどの治療法を選択しますか?

CQ17 統合失調症例にベンゾジアゼピン系抗不安薬をどのくらいの期間併用しますか?

CQ18 統合失調症において抗精神病薬を減量する場合,以下のどの要素を考慮して減量を検討しますか?

CQ19 統合失調症において抗精神病薬を中止する場合,以下のどの要素を考慮して中止を検討しますか?

コラム

事項索引

薬剤名索引

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書籍情報

  • ISBN:9784880028910
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2022年7月
  • 電子版発売日:2022年8月1日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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