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改訂版 日本救急医学会ICLS指導者ガイドブック
商品情報
内容
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序文
改訂版刊行にあたって
[本書の成り立ち]
本書を手に取っていただいているみなさんは,これからICLSコースの指導にかかわろうと思っている方や,すでにICLSコースで指導にあたっている方,もしくは指導者養成に携わっていただいている方だと思います.みなさんの力で日本中でICLSコースが開催され,多くの修了者が生まれています.みなさんのご協力に感謝いたします.
本書はICLSコースでの指導の一助となるように作成されたテキストで,初版は2011年に刊行されました.日本救急医学会では2003年からICLSコース(当時はACLS基礎コースと名付けられていました)およびICLS指導者養成ワークショップを開催してきました.当時はシミュレーショントレーニングという学習機会はまだ広くは知られておらず,その指導者を養成するためのファシリテーターも限られていました.翌2004年からはICLS指導者養成ワークショップの認定も始まりましたが,各地で開かれるワークショップの内容・形式は統一されたものではなく,開催回数も限られたものでした.数年後にシミュレーショントレーニングという学習形式が広まり,指導者を養成するファシリテーターも増えてきたことから,ICLS認定インストラクターになるためには日本救急医学会が認定する指導者養成ワークショップを受講することが望ましいとされ,ワークショップの内容,理論的背景,インストラクターとして成長するためのツール,ICLSコース開催時に役立つツールなどを盛り込んで,本書の初版が刊行されるに至りました.
[ICLS指導者養成ワークショップの広がり]
その後ICLS指導者養成ワークショップの開催が増えてきたことを受け,今後新しくインストラクターをめざす人は,日本救急医学会認定の指導者養成ワークショップを受講することが必須となり,本書も改訂されることとなりました.第1回の指導者養成ワークショップから19年,本書の初版刊行から11年が経ちますが,ワークショップ内で学ぶことは大きくは変わりません.ファシリテーションとは,振り返りとは,コーチングとは,ということを学びつつ,それをICLSコースのスキルステーション,シナリオステーションに活かすことができるようにワークショップは設計されています.本書ではそれらの内容を解説してワークショップのテキストとして使うことも想定しつつ,単なるワークショップでのテキストで終わるのではなく,指導者として成長していく段階でも常に役立つように編集しました.本書では標準的な指導者養成ワークショップのプログラムを掲載していますが,これは基本的なプログラムであり,地域ごとに従来行われていた内容を付加することも可能です.また,一部地域で行われてきた指導者ワークショップ,すなわち,すでにICLS認定インストラクター資格を持って活躍しているインストラクターが集まり,今一度指導方法や指導内容を振り返るためのワークショプも開催が広がれば,と思っています.指導者養成の場面だけではなく,指導者としての成長のためにも,本書を活用していただければ幸いです.
[ワークショップの構造と役割]
なお,ICLS指導者養成ワークショップでは,受講する人のことを「参加者」と呼び,指導する側の人のことを「ファシリテーター」と呼んでいます.これはワークショップのなかでシナリオロールプレイを行うときに,「ICLSコースの受講者役」,「ICLSコースの指導者役」を演じてもらうことがあるためです.「参加者」「ファシリテーター」という呼び方と,ロールプレイの中で「受講者役」「指導者役」を演じるという構造に慣れておいてください.
[各地のツールを共有し,さらなる広がりを]
本書ではICLSコース開催に役立つツールも資料として掲載しています.しかし各地ではさまざまなツールが開発されてきており,日々それらは更新されたり新たに開発されたりしています.これまでご提供いただいた各地のツールは本書の作成にも大いに役立てています.資料をご提供いただいたみなさんに感謝します.最新のツールや全国に紹介したいツールは,随時資料に追加し,日本全国で共有できるようにしたいと思っています.ご提供いただけるツールがあれば,ぜひ当該地域の地区担当委員までご連絡ください(https://www.icls-web.com/about/icls_list.html)!
日本救急医学会ICLS コース企画運営委員会
ICLS コース教材開発ワーキンググループ
目次
改訂版刊行にあたって
本書の願い(初版より)
用語について
ICLS指導者養成ワークショップの目標と認定基準
ICLSコースの学習目標と認定基準
コース指導時の心得
第1章 基礎編
1.指導の目的を考えよう
2.指導者としての基本
3.事前準備は確実に
4.指導の組み立て
5.ファシリテーション
6.コーチング
7.振り返り
第2章 ICLSコースでの指導
1.ICLSコースをなぜ開催するのか
2.ICLSコースの概要
3.指導者の役割
4.シナリオの作り方
5.チェックリストの使い方と作り方
6.コース受講者の役割分担
7.シナリオ進行例
8.振り返りのやり方
9.感染症蔓延期のコース開催
第3章 ICLS指導者養成ワークショップでの学び
1.ワークショップとは
2.ICLS指導者養成ワークショップに参加する前に
3.ICLS指導者養成ワークショップのコンテンツ
4.シナリオロールプレイの進行例
第4章 上級者編
1.蘇生率向上に向けた地域・組織への働きかけ
2.教育設計から見たICLSコースでの指導
3.コースコンセンサスの作り方
4.指導者として成長するために〜コンピテンシーで理解を深める
5.ICLSコース 指導者成長評価シート
第5章 資料編
1.ICLSコースコンセンサス
2.オペレーターの練習用シナリオ
3.受講者用チェックリスト
4.ICLSコースのためのインストラクター・スタッフ向けアンケートひな形
5.指導法 気づきシート
索引
編集・執筆者一覧
Advanced Tips
成人学習の特徴(P-MARGE)
マズローの欲求段階理論
「教えること」の現在(成人教育の視点から)
受講者が途中で帰っちゃった,泣きやまない
機器のよくあるトラブル
コーチングとティーチングのバランスが大切
「形成的評価」とは
プレゼンター vs プレゼンテーター
シナリオステーションにおけるプレゼンターの役割とは?
正統的周辺参加
シナリオシミュレーションで医療安全も実践
臨床現場に生きるトレーニングコース(ノンテクニカルスキルとは)
ターゲットを定めたワークショップ
非言語的メッセージ,準言語的メッセージ
学習目標分析と課題分析
成長評価シートとインストラクターの成長段階
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書籍情報
- ISBN:9784758123938
- ページ数:152頁
- 書籍発行日:2022年7月
- 電子版発売日:2022年8月3日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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