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- 救急・集中治療(34巻2号) 徹底ガイド DICのすべて 2022-’23
商品情報
内容
DIC学の現在
II 疫学と基礎疾患
DICの疫学と基礎疾患
ほか
>救急・集中治療バックナンバー
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序文
はじめに
「徹底ガイド DICのすべて」は,2010年の初版以来改訂を重ね,2014-’15,2019-’20を経てこの度「徹底ガイド DICのすべて2022-’23」を上梓する運びとなりました.この様に版を重ねる事が出来ましたのは偏に読者の皆様,そして執筆の労をおとりいただいた皆様のお陰であり,ここに心から御礼を申し上げます.
本書を紐解いていただければお分かりの様に,内容は基礎から臨床を含みページ数も500ページを超す大部となりました.これはDICの既知の事実を深く掘り下げたのみならず,DICの最新情報を皆様に届けるべく多くの新知見を網羅したためです.さらに重要な点は,本書がDICは臨床の一疾患に止まらず,DIC学とも言える学問体系を構築している病態であることを示し得た事でしょう.DICを学ぶ為には血液・血栓止血学のみならず,DIC発症の基本的病態生理と考えられる自然免疫学の知識も必要となり,血液凝固線溶反応に加えて,自然免疫炎症反応の基本を押さえることが肝要です.DICが多臓器機能障害の結果ではなく,その主要な原因の一つであることは周知ですが,何故DICにより多臓器機能障害が起こるのかを論じ,何故DICが症例の予後を大きく規定するのかを理解する為に,是非本書に収載したDIC学の基本を学んでいただきたいと思います.
その昔ショック学の泰斗が,「ショックは寝転んで学べない」と書いていたのを読んだ記憶があります.深く賛同し,「DICは寝転んで学べない」のですが,それでは本書の意味がありません.本書をお読みいただければ,様々な分野を代表するDIC学の研究者が,DICの基礎から臨床までを,医学生,研修医,専攻医,そして活躍中の臨床医の皆様まで幅広い読者に分かりやすく解説している事が直ぐにお分かりいただけるでしょう.興味のある章を通読していただいても良いし,知りたい項目のみをお読みいただいても構いません.どのような読み方をされても皆様の興味を十分に満足させ得る内容と自負しております.本書は,寝転んで学べないDICを寝転んでも学べる様に意図して編集しました.
最後になりましたが,本書を手に取っていただきありがとうございます.本書を手にした皆様がDIC学に興味を持ち,半世紀近く世界を先導してきた日本のDIC学をさらに発展させることを心から期待します.日常の臨床,あるいは研究でご多忙の中,本書をご執筆いただいた皆様には重ねて御礼を申し上げます.
特集編集 丸藤 哲
札幌東徳洲会病院救急集中治療センター
目次
I 総 論
DIC学の現在
II 疫学と基礎疾患
DICの疫学と基礎疾患
III 概念と定義,分類
DICの概念と定義,病態
線溶抑制型DICと線溶亢進型DIC
controlled DICとuncontrolled DIC
IV 病態生理と病理
PAMPs/DAMPs/RAMPs
細胞死と炎症・免疫・凝固
血小板・白血球
凝固反応
凝固制御機序
線維素溶解(線溶)反応
炎症と凝固
血管内皮細胞
グリコカリックス
細胞外膜小胞体(extracellular vesicle)
補体反応
消費性凝固障害
臓器不全
病理組織
凝固反応と感染・炎症・免疫反応の相互作用—病理組織を中心に
V 血小板・凝固線溶系の諸指標と検査
出血性,血栓性病態の検査の進め方
血小板,フィブリノゲン,プロトロンビン時間,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
FDP/D ダイマー
アンチトロンビン
凝固系分子マーカー
線溶系分子マーカー
FDP/D ダイマー検査の標準化
Viscoelastic device
VI 診断基準
急性期DIC診断基準
旧厚生省DIC診断基準
ISTH DIC診断基準
産科DIC診断基準
新生児DIC診断基準
三診断基準の比較と診断基準に求められる条件
日本血栓止血学会DIC診断基準
VII 診断と治療の指針
わが国のエキスパートコンセンサス
欧米のガイドライン(SSCG 2021を含めて)
ISTH DIC 診療ガイダンス
日本版敗血症診療ガイドライン2020とDIC
VIII 基礎病態と治療
敗血症
外傷とDIC
頭部外傷
熱 傷
心停止後症候群
ARDS
急性膵炎
急性肝不全
脂肪塞栓症候群
熱中症
蛇 毒
外科疾患
血管性病変
悪性腫瘍
造血器悪性腫瘍
産科疾患
新生児・小児
IX 治療薬
基礎疾患の治療と補充療法
ヘパリン・低分子ヘパリン
ヘパリン類似物質
合成プロテアーゼインヒビター
アンチトロンビン
可溶性トロンボモジュリン(内科)
可溶性トロンボモジュリン(外科)
抗線溶薬(内科系)
抗線溶薬(外科系)
X 類似病態,鑑別すべき病態
TMA-TTP/HUS
HELLP症候群
APS(抗リン脂質抗体症候群)
HLH(血球貪食リンパ組織球症)/ HPS(血球貪食症候群)
HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)
SOS(類洞閉塞症候群)とTLS(腫瘍崩壊症候群)
後天性凝固因子インヒビター:後天性血友病A
機械的補助循環と後天性フォン・ヴィレブランド症候群
XI 症例提示
救急・集中治療とDIC
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書籍情報
- ISBN:9784883785742
- ページ数:536頁
- 書籍発行日:2022年8月
- 電子版発売日:2022年8月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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