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臨床栄養143巻5号 管理栄養士も知っておきたい 機能性消化管障害の症状とその管理

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年9月29日
1,870
(税込)
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商品情報

内容

●消化管由来と思われる愁訴があっても,内視鏡検査などで症状の原因となりうる異常所見を同定できない場合がしばしばあり,このような病態を「機能性消化管障害」と称する.
●機能性消化管障害は,機能性食道障害,機能性胃・十二指腸障害,機能性腸障害など8つのカテゴリーに分類され,機能性胃・十二指腸障害に含まれる代表的な疾患には「機能性ディスペプシア」,また機能性腸障害に含まれる代表的な疾患には「過敏性腸症候群」「機能性便秘症」「機能性下痢症」などがあり,これらは管理栄養士が臨床でよく出遭う疾患でもある.
●本特集では,「管理栄養士も知っておきたい機能性消化管障害の症状とその管理」と題して,新しい診療ガイドラインを元に,これら機能性消化管障害の最新知見や最新情報を詳しく解説.各疾患の症状やその管理,栄養療法などについて掲載している.
●また,機能性消化管障害のメカニズムをひも解く最前線のトピックスとして,「脳-腸-腸内細菌相関」「微細炎症」「腸内細菌叢」との関わりについても紹介している.

※都合により,電子版では紙版と異なりp.697およびp.698の図は未収載となっております.

序文

特集にあたって


消化管由来と思われる愁訴があって内視鏡検査などの検査をするも,症状の原因となりうる異常所見を同定できない場合がしばしばある.このような病態を機能性消化管障害と称する.その初回の国際診断基準が,ローマで開催された国際消化器病学会を契機に作成されたため,ROME基準と呼ばれる.その後改訂が数回行われ,2016年にROME Ⅳが刊行され,いまに至っている.機能性消化管障害は大きく8つのカテゴリーに分類されている.その例として,機能性食道障害,機能性胃・十二指腸障害,機能性腸障害などがある.そして,機能性胃・十二指腸障害に含まれる疾患の代表が機能性ディスペプシアであり,機能性腸障害に含まれる代表が過敏性腸症候群,機能性便秘症,機能性下痢症である.機能性食道障害は近年研究が進んできた病態である.胸焼け症状があり,胃食道逆流症と診断されていた患者のなかには,機能性食道障害に含まれる機能性胸焼けや逆流過敏性食道と診断される患者が存在することが明らかになってきた.機能性消化管障害に関して,すでにいくつかのガイドラインが発刊されその後の改訂が行われている.つい最近登場したのは,「便通異常症診療ガイドライン2023」(編集:日本消化管学会)である.2017年に日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会の編集で作成された「慢性便秘症診療ガイドライン2017」の改訂版として,2023年7月に発刊された.「便通異常症診療ガイドライン2023」で取り上げている慢性便秘症と慢性下痢症は,ROME Ⅳで定められた機能性便秘症と機能性下痢症を包含するものである.

今回の特集は,「管理栄養士も知っておきたい 機能性消化管障害の症状とその管理」と題し,機能性/良性食道疾患については星川吉正先生と岩切勝彦先生に,機能性ディスペプシアについては富田寿彦先生を中心に,過敏性腸症候群については佐藤 研先生に,機能性便秘症・機能性下痢症については伊原栄吉先生に,ガイドラインの内容を踏まえてわかりやすく解説をしていただいた.栄養に携わる方々にとっては大変関心が高い過敏性腸症候群に対する栄養療法については鈴木 剛先生に詳しく解説をしていただいた.そして,機能性消化管障害のメカニズムとして注目されている脳-腸-腸内細菌相関について相澤恵美子先生に,好酸球・肥満細胞については田中史生を中心に,プレ・プロバイオティクスを含めた腸内細菌については石井有理先生と永田 智先生にご解説をいただいた.いずれもこの領域のエキスパートに執筆をお願いしており,本特集によりぜひ,機能性消化管障害についての理解を深めていただきたい.そして,本特集が,管理栄養士のほか栄養管理にかかわる方々,食品や製薬会社の方々,そして栄養学研究者が,実際どういった症状に注目をして,どのような管理が必要かについて知る手助けになることを期待している.


順天堂大学医学部 消化器内科学
北條麻理子

目次

特集 管理栄養士も知っておきたい 機能性消化管障害の症状とその管理

特集にあたって(北條麻理子)

機能性/良性食道疾患─症状,診断,治療方針について(星川吉正・岩切勝彦)

機能性ディスペプシア─その症状と対応(富田寿彦・他)

過敏性腸症候群─その症状と対応(佐藤 研)

慢性便秘症と慢性下痢症─機能性便秘症・機能性下痢症に注目して(伊原栄吉)

過敏性腸症候群における栄養療法(低FODMAP療法)(鈴木 剛)

【機能性消化管障害のメカニズム最前線】

機能性消化管障害と脳-腸-腸内細菌相関(相澤恵美子)

機能性消化管障害と微細炎症─好酸球と肥満細胞(田中史生・他)

機能性消化管障害と腸内細菌叢(石井有理・永田 智)

管理栄養士も知っておきたい理学療法評価・運動療法の基本(2)

評価法(2)―身体機能評価(高橋浩平)

活動レポート 栄養ケア・ステーション

たかぎ歯科 認定栄養ケア・ステーションふらっと(峯山涼子)

ぷろらぼ 研究室で学んでみませんか

高度な専門的知識と実践的な能力を備えた次代の女性リーダーを育成

福岡女子大学大学院

人間環境科学研究科 人間環境科学専攻 栄養健康科学領域

スポット

オーラルフレイル予防運動(「岡崎モグザえもん体操」)導入の効果(長尾恭史・小林 靖)

日本肝臓学会総会 奈良宣言2023「Stop CLD:ALT Over 30」(吉治仁志)

書評

『ポジティブ心理学とリハビリテーション栄養―強みを活かす!ポジティブリハ栄養』([評者]栢下 淳)

連載

代謝からみた 身体活動&栄養のサイエンス最前線(4)

身体組成を詳しく知ろう(山田陽介)

リハ栄養診断推論を究める! 誌上ケースカンファレンス

vol.10 アルツハイマー型認知症から身体機能低下をきたし,低栄養が進展した症例(西山 愛・小蔵要司・若林秀隆)

Case Reportに学ぶ 摂食嚥下障害の栄養アセスメントと介入のコツ(13)

廃用症候群による摂食嚥下障害患者に対し,多職種協働と継続支援が有効であった一例(大嶋晶子)

宮島流! 病棟栄養士のためのケースカンファレンス活用術

CASE 22 リフィーディング症候群(宮島 功)

Medical Nutritionist養成講座(70)

中心静脈カテーテル挿入部の管理(井上善文)

ORIGAMI ART―食に活かすおりがみ/食の教養

落花生(西田良子・上田浩史)

こんだてじまん

じまんの一品料理 バースデーケーキ

社会福祉法人愛生会 特別養護老人ホームあじさいの里(吉田左絵・他)

News & Information

日本栄養士会医療職域 栄養の日・全国栄養士大会報告と研修会のお知らせ(土屋輝幸)

自治体病院 小樽市立病院 栄養管理科の取り組み(渡邉恵子)

精神科病院 第64回全国精神科栄養士研修会の報告(畠山 葵)

厚生労働省・消費者庁 令和5年(2023年)度医療機関向けサイバーセキュリティ対策研修の受付開始・他

おしらせ 女子栄養大学香友会主催 令和5年度 第3回《専門家講座》・他

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書籍情報

  • ISBN:9784006414305
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年9月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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