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- Heart View 2023年12月号 Vol.27 No.13 大動脈緊急症に備えよ! 医療体制の現状と課題
商品情報
序文
企画にあたって
東 信良(旭川医科大学外科学講座血管外科学 教授)
大動脈は全身のすべての臓器への血液供給の源となっており,その緊急状態である大動脈緊急症(急性大動脈解離,大動脈瘤破裂,大動脈外傷などを含む)が全身に危機的な状況をもたらすことは容易に想像がつくが,心筋梗塞や脳卒中に比べるとその知名度は遥かに低い。治療方法は確立し,病院到着例の救命率は向上しているものの,致死率は循環器系救急疾患のなかで格段に高く,循環器病対策基本計画においても対策を要する疾患として位置付けられている。
迅速な治療を必要とすること,および,その治療には難易度の高い外科手術や血管内治療を含むことから,迅速な救急搬送と適切な治療医療機関の選択,卓越したチームでの周術期集中管理などを含む治療体制確立が求められている。
今回,本誌でこの大動脈緊急症が取り上げられたことは,大動脈緊急症をよく知っていただくために非常によい機会であると考え,「診る」パートにおいては,「もしや大動脈緊急症ではないか?」と想起いただけるよう救急医の立場から,また,どの程度重症なのか重症度を推し量ることや画像診断のポイントを心臓血管外科医や放射線科医の立場で執筆いただいた。また,「識る」パートでは,大動脈緊急症の疫学や一部の患者で発症の背景となっている結合織異常について,また,致死率の高い病態について掘り下げて解説いただいている。さらに一旦発症すると致死率が高い疾患群に有用と思われる大動脈検診について,海外での状況も記載いただいた。最後に「治す」パートにおいては,治療方法とその成績,および周術期管理について,さらに治療に至るまでの救急医療体制やその確立を後押しする循環器病対策基本計画についても言及いただいている。
本特集が,いまだ致死率の高い大動脈緊急症に光をあて,救急の現場で大動脈緊急症を早期に察知することの一助となることを願うとともに,各地域や学会,自治体が力を合わせて取り組みを前に進める力になることを期待する。
目次
特集大動脈緊急症に備えよ! 医療体制の現状と課題 企画・構成/東信良
[診る]
1 大動脈緊急症とは?
2 救急医からみた大動脈緊急症:初療時にいかに気づくか
3 急性大動脈解離の診断のポイントと重症度の見極め
4 破裂性大動脈瘤の診断ポイントと重症度の見極め
5 放射線科医からみた大動脈緊急症の読影ポイント
[識る]
6 大動脈緊急症の疫学
a.わが国の現状
b.大動脈緊急症における結合織異常
7 Malperfusionとは? 大動脈解離の病態と予後の関係を理解する
8 大動脈瘤破裂:どんな瘤が破裂しやすい?
9 世界で進む大動脈瘤検診とわが国の現状
[治す]
10 急性大動脈解離治療の現状
11 急性A型大動脈解離治療:手術と周術期管理
12 急性B型大動脈解離:病型による治療法の実際
13 腹部大動脈瘤破裂の治療と周術期管理
14 大動脈緊急症に対する救急医療体制:大都市東京における取組とその成果
15 大動脈緊急症に対する救急医療体制と遠隔医療
16 大動脈緊急症と循環器対策推進計画
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書籍情報
- ISBN:9784008102713
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2023年11月
- 電子版発売日:2023年11月8日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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