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関節外科 2023年5月号 Vol.42 No.5 ロボットリハビリテーション:最近の進歩

  • ページ数 : 104頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年4月11日
2,750
(税込)
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商品情報

内容

ロボットリハビリテーション:最近の進歩
わが国で使用可能なロボットリハビリテーション機器
慢性期脊髄再生治療との併用を見据えたrobot-assisted gait trainingの有効性と限界の検証
再生医療リハビリテーションによる脊髄損傷者の歩行機能改善:臨床におけるロボティクス活用の意義 ほか

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序文

introduction


本特集号は,本誌2018年5月号の特集「整形外科領域のロボットリハビリテーション」の続編にあたる。2018年の特集の序文では「わが国は今,世界でも類を見ない少子高齢化のただ中にある」とし,「ロボットリハビリテーション」治療が“注目”されているとした。あれから5年が経過した2023年の現在,わが国の高齢化はますます深刻なものとなっている。

高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口の割合)についての最新のデータ(2021年)を見ると,日本29.8%,イタリア23.7%,ドイツ22.2%,フランス21.3%,スウェーデン20.1%,イギリス19.4%であり,わが国の高齢化がいかにすさまじいものかがわかる。他の国々では,米国16.7%,韓国16.7%,中国13.2%である。

日本型少子高齢社会と呼称されるわが国においては,高齢化に引き続いて,今後,最も危惧されるのが生産年齢人口の減少である。財源やマンパワーが限られるなかで,われわれは超高齢社会のこれからの医療を組み立てていく必要がある。ロボット技術は少子高齢化が進むわが国のさまざまな問題を解決する切り札とされる。「ロボットリハビリテーション」治療は“注目”している段階ではなく,いかに早期に“実用化”するかの段階にある。

本誌2018年の特集号では,さまざまな医療用ロボットが紹介され,その後,それらの実用化が進められてきた。そのなかで,特に進歩が著しいのが,HAL® を用いた「ロボットリハビリテーション」治療である。2015年11月に,進行性神経筋難病8疾患(筋萎縮性側索硬化症など)に対してHAL® が医療機器として承認され,HAL® を用いた歩行運動処置がロボット機器を用いた治療として初の保険適用対象となった。2022年10月には,進行性脊髄疾患2疾患(HTLV-1関連脊髄症,遺伝性痙性対麻痺)に対して,HAL® の医療機器としての製造販売が追加承認された。日本国内で,脳卒中,脳性麻痺に対するHAL® の有用性を実証するための臨床試験が進められている。ドイツでは,公的医療保険適用取得を前提とする脊髄損傷に対するHAL® の臨床試験が進行中である。

現在,整形外科領域のさまざまな疾患に対して「ロボットリハビリテーション」治療が行われ,それらの報告がなされている。当初は歩行訓練の報告が主であったが,その後,腰部,肘関節,膝関節,肩関節,手関節,手MP関節,足関節などへと用途が広がっている。

本号ではさまざまな整形外科領域の疾患に対する「ロボットリハビリテーション」治療の最近の進歩について,実際に現場で臨床研究を進めている先生方に執筆をお願いした。是非ご熟読いただき,読者の先生方の知識の整理・向上にお役立ていただければ幸いである。


筑波大学医学医療系整形外科
山崎正志

目次

特集:ロボットリハビリテーション−最近の進歩−  企画・編集:山崎正志

introduction  山崎正志

わが国で使用可能なロボットリハビリテーション機器  田辺茂雄ほか

慢性期脊髄再生治療との併用を見据えたrobot-assisted gait trainingの有効性と限界の検証  大川原洋樹ほか

再生医療リハビリテーションによる脊髄損傷者の歩行機能改善:臨床におけるロボティクス活用の意義  河島則天ほか

脊髄損傷完全四肢麻痺・対麻痺者に対する随意的麻痺肢訓練:Heterotopic triggered HAL(T-HAL)法  清水如代ほか

神経筋難病に対するロボットリハビリテーション:HAL®医療用下肢タイプによるサイバニクス治療  中島 孝

脳性麻痺患者に対するロボットリハビリテーション:装着型サイボーグHAL®の使用効果  俣木優輝ほか

人工膝関節全置換術・膝前十字靱帯再建術術後のロボットリハビリテーション  六崎裕高ほか

肩・肘関節機能障害に対するロボットリハビリテーション  久保田茂希ほか

腕神経叢損傷に対する神経移行術後のロボットリハビリテーション  久保田茂希ほか

足関節および手指機能障害に対するロボットリハビリテーション  久保田茂希ほか

腰部装着型HAL®を用いたロボットリハビリテーションの応用:慢性腰痛・ロコモティブシンドローム・廃用症候群への取り組み  三浦紘世ほか

ロボットリハビリテーションの臨床工学的解析: 筋シナジーの観点から  門根秀樹ほか

連載

・話したくなる 整形外科 人物・用語ものがたり(第10回)

「人生最大の報酬とは,知的活動そのものである:キュリー夫人のラジウム発見と被曝」  小橋由紋子

・伝わらないコトバたち(第10回)

「TUG(time up & go test)」  村田幸佑

「腹圧を高める・腹筋群を収縮させる」  池田信介

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書籍情報

  • ISBN:9784008204205
  • ページ数:104頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年4月11日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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