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- 救急医学2023年11月号(47巻11号) 救急医と,COVID-19と
商品情報
内容
序文
救急医とCOVID-19と
周知のことではありますが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,丸3年を超える長いトンネルを抜け,2023年5月8日から「5類感染症」となりました。
“withコロナの時代”の始まりであった2020年には,2月にダイヤモンド・プリンセス号内での集団感染が発生,同年3月にWHOが「パンデミック」を宣言し,4月には日本でも「緊急事態宣言」が発令され,全国的に外出自粛が求められました。さらに,このような状況で東京オリンピック・パラリンピック2020は開催延期となり,翌2021年7月に感染拡大防止のため無観客での開催となりました。
それ以降,今現在まで続くコロナ禍において救急医は,変異するウイルスに対峙しながら,パンデミックの大波を幾度となく乗り越え,“社会のセーフティネット”としての救急医療を最前線で死守してきました。平時からの救急患者に対する診療・治療に加え,救急医が直面し主体的に関与してきたであろうことを思い浮かべてみると,「発熱外来対応」「激増する搬送困難事例への対応」「クラスター対応」「濃厚接触者対応」「ワクチン接種対応」「医療従事者の欠勤への対応」「PCR検査」「ECMOの活用」など山積みであり,また,そのなかで培われた「医療体制の整備」「感染症対策・感染制御」「医療従事者の負担軽減策」など,後世に伝えるべきことも多岐にわたります。このように,コロナ禍の約4年間は,救急医が救急医たる所以を,またその存在意義を,救急医自身も社会も,それぞれに感じた/感じさせられた期間でした。
5類感染症への移行はCOVID-19パンデミックの一つの区切り(収束)といえますが,真の終息にはまだ時間がかかるでしょう。今後も,救急医が現場で感じ,考え,実践してきた知見や経験をもとに,よりよい医療体制を整備していくことが求められます。だからこそ今,コロナ禍において救急医は何をしてきたのか,できたのか,あるいはできなかったのかを改めて振り返るべきタイミングであると考え,本特集を企画しました。
本特集の核は,「診療・治療」「パンデミック対応」「勤務体制・環境」「教育・研修」「病院・部門経営」「情報発信」「国際活動」「終末期医療」という8つのテーマに沿った対談・座談会です。関連寄稿も含めて,コロナ禍で悩み,耐え,もがき苦しんできた,そして一筋の光が差しはじめたような“いま”を実感している,救急医の“生の言葉”を集めました。その共有が,コロナ禍の救急医療を振り返り,そして将来を考える,あるいは仲間と語り合う,貴重なきっかけとなることを期待しています。
特集企画ゲストエディター:慶應義塾大学医学部救急医学 佐々木淳一
目次
特集 救急医と,COVID-19と
診療・治療
座談会 救急医はいかに,COVID-19の診療・治療を行ってきたか?
志馬 伸朗 × 藤谷 茂樹 × 佐々木 淳一
関連寄稿
ECMOの活用・展開
済生会宇都宮病院救命救急センター 小倉 崇以 他
院内感染対策の変化
川崎医科大学救急医学教室 椎野 泰和
ドクターカー・ドクターヘリ活動への影響
八戸市立市民病院 近藤 英史 他
パンデミック対応
対談 救急医はいかに,パンデミックに対応したか?
大友 康裕 × 佐々木 淳一
関連寄稿
高齢者・介護施設などにおけるクラスター対応
順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科 杉田 学
オリンピック・パラリンピック対応
日本体育大学大学院保健医療学研究科 横田 裕行 他
行政との連携,行政への介入
─行政特有の手続きの理解と医療特性に応じた調整の重要性
神奈川県理事(医療危機対策担当)/藤沢市民病院 阿南 英明
ワクチン接種会場での対応
東京都立多摩総合医療センター救命・集中治療科 清水 敬樹 他
勤務体制・環境
座談会 コロナ禍の救急医は,どのように勤務してきたか?
林 宗博 × 藤見 聡 ×佐 々木 淳一
関連寄稿
働き方改革への影響
大阪大学大学院医学系研究科救急医学 織 田 順
救急医やその家族等のメンタルヘルスへの影響
市立札幌病院総合臨床センター 佐藤 朝之
教育・研修
対談 COVID-19は,救急医学教育・研修等にいかに影響したか?
溝端 康光 × 佐々木 淳一
関連寄稿
off-the-job トレーニングコースへの影響
藤田医科大学病院高度救命救急センター 船 曵 知 弘
COVID-19流行下における院外心停止対応の方針とその普及
救急振興財団救急救命東京研修所 田邉 晴山
COVID-19パンデミックと学会開催への影響
国士舘大学大学院救急システム研究科 田中 秀治
病院・部門経営
座談会 コロナ禍で,医療機関/救急部門の経営・運営は変化したか?
坂本 哲也 × 髙橋 毅 × 佐々木 淳一
関連寄稿
小規模病院の経営/運営
青燈会小豆畑病院 小豆畑 丈夫
救急クリニックの経営/運営
川越救急クリニック 上原 淳
自治体病院とCOVID-19パンデミック─経営・運営の視点から
川崎市病院事業管理者 金井 歳雄
へき地医療機関の経営/運営
道志村国民健康保険診療所 松田 潔
情報発信
対談 コロナ禍で救急医にも求められた情報発信とは?
竹内 一郎 × 佐々木 淳一
関連寄稿
テレビメディアなどへの情報発信
日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 横堀 將司
COVID-19とSNS─医療最前線からの情報とその真実性への問い
聖路加国際病院救急科 清水 真人
コロナ禍におけるICTの普及・活用─Smart119の挑戦
千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学/株式会社Smart119 中田 孝明
国際活動
対談 COVID-19は救急医の国際的活動・連携にいかに影響したか?
西村 哲郎 × 佐々木 淳一
関連寄稿
コロナ禍での留学経験
慶應義塾大学病院救急科/同大学医学部救急医学 多村 知剛
米国で働く日本人救急医から
─米国におけるCOVID-19パンデミックの,誰も知らないある悲劇
ニューメキシコ大学医学部救急部 乗井 達守
終末期医療
対談 救急医は,コロナ禍の終末期医療とどのように向き合ってきたか?
松嶋 麻子 × 佐々木 淳一
関連寄稿
院内でのトリアージのあり方
国立国際医療研究センター病院救命救急センター 佐々木 亮
ACPのあり方
帝京大学医学部外科学講座Acute Care Surgery 部門 伊藤 香
連載
出張版Dr.ʼs Prime Academia
第11回 発熱・皮疹を呈する患者への初期対応─海外渡航歴の確認と輸入感染症
市立伊勢総合病院内科・総合診療科 谷崎 隆太郎
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書籍情報
- ISBN:9784012004711
- ページ数:131頁
- 書籍発行日:2023年11月
- 電子版発売日:2023年11月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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