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- 脊椎脊髄ジャーナル36巻7号 首下がり症候群の病態と治療
商品情報
内容
特集にあたって・・・山崎正志
神経筋疾患による首下がり症候群・・・逸見祥司
パーキンソン病における首下がり症候群・・・関 守信
首下がり症候群に対する三次元動作解析を用いた脊椎アライメントの定量的歩行評価・・・三浦紘世,他
頸椎高度後弯変形(首下がり)症例の治療戦略・・・高橋敏行,他
首下がり症候群の単純X線像評価指標・・・竹本 充
首下がり症候群に対する手術戦略―脊柱代償機能とT1 slopeの重要性に着目して・・・水谷 潤
全脊柱アライメント評価から展開する首下がりに対する手術治療・・・宮本裕史
SVA(+)タイプの首下がり症候群に対する手術戦略・・・國府田正雄,他
首下がり症候群に対する術後成績不良因子―胸腰椎アライメント不良を伴う首下がりに対する治療戦略と術後嚥下障害に対する当科の取り組み・・・工藤理史,他
首下がり症候群に対する運動療法・・・遠藤健司,他
首下がり症候群に対する新たなリハビリテーション(SHAiR)プログラム・・・井川達也,他
HAL歩行訓練による首下がり改善効果の解析・・・門根秀樹,他
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序文
特集にあたって
近年の脊椎手術の進歩により,従来では手がつけられなかった首下がり症候群に対しても積極的に手術治療が行われている.良好な経過の症例がある反面,満足できない成績の症例も少なくない.
首下がり症候群の原因として,頸椎の後弯変形,パーキンソン病,ジストニアなどさまざまな疾患が挙げられる.しかし,構築的な異常を除くと,なぜ首下がりが生じるかについては,成書をみても肝心の説明がなく釈然としない.
筆者らは,ロボットスーツHALを用いた歩行訓練によって首下がりが改善する症例を経験した.HALによる歩行訓練後に腰椎後弯が軽減する例で首下がりが改善し,その腰椎後弯が保てないとHALの治療効果が持続しなかった.脊柱が正常な姿勢を保つには,頸椎,胸椎,腰椎,骨盤といったすべての脊柱要素(神経・筋を含む)が協調して制御されている必要があり,首下がり症候群ではその協調制御が破綻している可能性がある.
立位での全脊柱アライメント(GSA)の概念を首下がり症候群の診断・治療に応用する研究が盛んに行われている.頸椎局所のアライメントのみでなく,胸腰椎アライメントを加味して評価すべきとの方向性であり,的を得た考え方である.しかし,GSAはあくまで立位の一瞬の静的なアライメントを評価しているに過ぎない.筆者らは筋活動を同期させた3次元歩行動作解析により首下がり症候群における動的なアライメントを評価している.連続歩行により首下がりが悪化し,頸部伸筋の筋活動低下,GSAのうちのC7 SVA,LLが首下がり悪化と関連した.
保存治療に関して,筆者は原因疾患の薬物療法で首下がりの手術を回避できたという経験はない.一方,アスレチックリハビリテーションで骨盤を含めた体幹訓練を徹底的に行った首下がり症候群で,手術を避けられた症例があった.
手術については,GSAの概念を取り入れた新たな術式選択が報告されている.術後合併症が多いので首下がり症候群に対しては手術を推奨しないとの意見があるが,現時点では手術は首下がりを劇的に改善できるほぼ唯一の治療法である.1例1例の成績をしっかりと吟味し,合併症を回避するための解析を進めていく必要がある.
本誌での首下がり症候群についての特集号としては,2015年11号(鐙 邦芳先生編集担当)および2018年12号(松山幸弘先生編集担当)がある.2018年の特集から5年ほどが経過しており,十分な新知見の蓄積があるように思う.そこで,本特集では医工連携の解析を交えて,首下がり症候群の病態と治療に関する研究の最近の進歩についてまとめてみた.ぜひご熟読いただき,読者の先生方の知識の整理・向上にお役立ていただければ幸甚である.
筑波大学医学医療系整形外科 山崎正志
目次
特集 首下がり症候群の病態と治療
特集にあたって・・・山崎正志
神経筋疾患による首下がり症候群・・・逸見祥司
パーキンソン病における首下がり症候群・・・関 守信
首下がり症候群に対する三次元動作解析を用いた脊椎アライメントの定量的歩行評価・・・三浦紘世,他
頸椎高度後弯変形(首下がり)症例の治療戦略・・・高橋敏行,他
首下がり症候群の単純X線像評価指標・・・竹本 充
首下がり症候群に対する手術戦略―脊柱代償機能とT1 slopeの重要性に着目して・・・水谷 潤
全脊柱アライメント評価から展開する首下がりに対する手術治療・・・宮本裕史
SVA(+)タイプの首下がり症候群に対する手術戦略・・・國府田正雄,他
首下がり症候群に対する術後成績不良因子―胸腰椎アライメント不良を伴う首下がりに対する治療戦略と術後嚥下障害に対する当科の取り組み・・・工藤理史,他
首下がり症候群に対する運動療法・・・遠藤健司,他
首下がり症候群に対する新たなリハビリテーション(SHAiR)プログラム・・・井川達也,他
HAL歩行訓練による首下がり改善効果の解析・・・門根秀樹,他
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書籍情報
- ISBN:9784013003607
- ページ数:91頁
- 書籍発行日:2023年6月
- 電子版発売日:2023年9月4日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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